著者 : 橋本紡
山上祭二日目。秘密のオークション会場では、女子の写真の競りが白熱していた。特設リングでは伝説のマスクマン、スペル・ソラールが華麗な技を繰り出していた。そして、体育館の舞台では、演劇部長に急遽スカウトされた里香が、ヒロインとして舞台に立とうとしていた。夏目、亜希子も駆けつけて、いよいよ緞帳が上がろうとしたとき、謎の乱入者が現れー!?書き下ろし番外編『雨 fandango』の後編に、『dragonfly』『市立若葉病院猥画騒動顛末記』『as the summer goes by』の番外編三篇を加えた『半月』短編集第2弾。大人気シリーズ、最終巻。
秋。里香にとって初めての文化祭ー山上祭。裕一はまったくやる気がなく、だらけにだらけていた。だが、山西に無理やり引っ張られていった視聴覚室では『古典ロシア映画上映会』なるものが始まろうとしていてそれはつまり先生にバレたら停学もののいわゆるエ○ビデオ鑑賞会でそこに先生が突入してきて…。一方里香は、みゆきと共に演劇部の練習を見学していた。そこで部長の柿崎に、ある目的で声をかけられー。書き下ろし番外編『雨 fandango』の前編に、『気持ちの置き場所』『君は猫缶を食えるかい?』『金色の思い出』の番外編三篇を加えた『半月』短編集第1弾。
ついに退院した里香は、僕と同じ学校に通うことになった。正真正銘のスクールライフを送る日がやってきたんだ。いっしょの登校、いっしょの校庭、いっしょの下校。帰りに七越ぱんじゅうを買ったりしてさ。なんでもない、ありふれた日常だけれど、長い道を歩いてようやくたどり着いたのがそこだった。そう、僕たちが生きていく場所は病院じゃないんだ。当たり前の場所で、当たり前の生活を送る日々が、本当に大切なことー。“僕たちはこの小さな町で寄り添って生きていく”橋本紡&山本ケイジが贈る、大好評シリーズ第六弾!本編完結編。
穏やかな日々が、僕と里香に訪れようとしていた。葛藤や迷い、そして苦しみを乗り越えた末にようやく掴んだ、当たり前の日常。それはなによりも大切なぬくもりだった。僕たちはこれから、肩を寄せ合って生きていくんだ。そんなある日、僕は夏目に病院を連れ出された。向かったのは、静岡県浜松市。かつて里香が、夏目が、過ごした場所だ。そこで僕を待っていたのはー。ちょうどそのころ、山西の下らない陰謀により、司とみゆきは大変な事態に突入していたのだった。橋本紡&山本ケイジが贈る、大好評シリーズ第五弾。
里香の手術が終わった。手術直後、主治医夏目の口から放たれた言葉に、僕は戸惑う。そして訪れたのは、生ぬるい日常だった。あまりにも当たり前で、捉えようのない日々。戸惑う僕に、新たな現実が迫ってくる。もう里香には会うな、邪魔なんだよ、おまえはー。一方、その宣告を下した夏目は、ずっと僕を避けていた。ヤケになった僕がバカ騒ぎを繰り広げる夜、ヤツは亜希子さんに自らの過去を語りだす。それは失ってしまった者と失おうとしている者の思いが交錯する夜だった。橋本紡&山本ケイジが贈る、大好評シリーズ第四弾。
里香の深刻な病状を知ってしまった以上、僕はもう単純に笑うことなんてできなかった。でもさ、だからこそ僕はむりやり笑うことにしたんだ。里香のために。里香に笑ってもらうために。やがて里香が写真を撮ってほしいって言いだした。しかも学校に行きたいなんてことまで。僕は里香の望みをかなえてやろうと、父親の形見のカメラを持ちだし、幼馴染からセーラー服を借りて、みんなと学校へ向かった。一日だけのスクールライフってわけだ。里香はもちろん喜んだよ。彼女の笑顔は最高だった。だけど、そういう幸せな日々がいつまでも続くわけがなかったんだ…。
とんでもないことが起きた。恐ろしいことが起きた。戎崎コレクションが里香に見つかってしまったのだ!僕と里香の蜜月はあっさり壊れた。そりゃもう、見事なもんだった。里香は怒り狂い、弁解を聞くどころか、僕の顔を見ると逃げだす始末だ。仲直りのための努力は、裏目に出るばかり…。ちょうどそのころ、病院に新しい医者がやってきた。夏目というその医者はとんでもない二枚目で、しかも里香の主治医だというのだー。橋本紡&山本ケイジが贈る期待の新シリーズ第二弾!!裕一と里香に巻き起こる、疾風怒濤の波乱。
いきなり入院した。僕にとってはちょっと早い冬休みみたいなもんだ。病院には同い年の里香って子がいた。彼女はわがままだった。まるで王女さまのようだった。でも、そんな里香のわがままは必然だったんだ…。里香は時々、黙り込む。砲台山をじっと見つめていたりする。僕がそばにいても完全無視だ。いつの日か、僕の手は彼女に届くんだろうか?彼女を望む場所につれていってあげられるんだろうかー?第4回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞の橋本紡が贈る期待の新シリーズ第一弾、ついに登場。
ワームホールに閉じ込められたナツミのもとへなんとか辿り着いた祐太郎たち。しかしそこにいたのは、神代ナツミではなく、以前消滅したはずのAIナツミだった。乗員たちは、まったく違う人格であるAIナツミに対して、どう接してよいかわからず苦悩する。一方、戦況は混乱をきわめつつあった。祐太郎たちは反逆者というレッテルをはられてしまったグリイドと共同戦線をはるが、クォート軍は背後に謎の大国を配し、不気味な動きを見せる。その時祐太郎がとった最後の作戦とはー!?キャラクター総出演でお贈りする、大迫力大感動のシリーズ完結編。
リルカ星域の戦いでナツミを失ったあと、祐太郎たち乗員は連邦領ガニメテに戻された。連邦の対応は思いがけず穏当なもので各乗員には新たな配属が与えられた。しかし、祐太郎は失望感から立ち直ることができず苦悩する。そんな彼の前に現われたのは、リルカ王国の王女アトゥイだった。彼女の持つ特別な力を使ってナツミを元の姿に戻そうと提案する。一方ムラマツ、ヒカリは、仲間を集め、ナツミを救い出す方法を模索していた。そしてついに、ナツミ救出作戦が始動した…!!果たしてナツミの運命は!?第4回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞者・橋本紡が贈るSFコメディ第5弾。
連邦領に戻った戦艦ナツミに下された処分は、銀河の小国・リルカ王国へ軍事顧問団として赴け、という予想外のものだった。安堵する祐太郎たち乗員一同。しかし現実は違っていた。訪れたリルカ王国は、隣国リルカ共和国と一発触発状態。リルカ共和国にはクォート、ファリナス軍も加勢しており、軍事力はリルカ王国の比にならぬほど強大なものだった。連邦の真の狙いは、ナツミを戦争に巻き込んで、沈めてしまおうという非情なものだったのだ。そして絶体絶命のナツミは衝撃の決断を下す…!!第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞者・橋本紡が贈るSFコメディ第4弾。
惑星シルウェイ訪問後、戦艦ナツミは不可侵宙域をさまよっていた。そこへ突然、謎の戦艦が現れる。それは、銀河連邦軍の連絡船カズマだった。カズマの艦長ヨシウミは、高校生の祐太郎がナツミの艦長を務めていることに驚愕し、弾劾しようとする。またAIカズマはナツミを好きになり、執拗に追い掛け回した。そんなドタバタの最中、今度は敵国ファリナス皇国の旗艦が、突如ジャンプアウトしてきた。さらにさらにクォート帝国の船団も現れて…。迫り来る敵、敵、敵!いったいどうなるナツミ!?第4回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞者・橋本紡が贈るSFコメディ第3弾。
どうにかクォート軍の追撃から逃れた人格付与戦艦ナツミは、銀河の辺境をさまよっていた。やがて地球に似た惑星を発見し、補給のため降り立つ。そこで主人公・祐太郎たちは意外なものを見つけた。それは、かつて銀河の覇権種族であったヴァイスの集落。なぜ、こんな辺境の惑星にー!?一方、ナツミを取り逃がすという失態をおかしたクォート軍も満を持して動き出した。連続ジャンプが可能な最新鋭戦艦を、ナツミ捕獲のために送り出したのだ。そしてついに、隠された惑星に到達するが…!第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞者・橋本紡が贈るSFコメディ第2弾。
銀河連邦軍の最新鋭艦ナツミは、慣熟航行の途中、見習いを含めた乗員2500人を乗せたまま、数千光年離れた銀河の果てまで飛ばされた。そこは連邦と対立するクォート帝国のド真ん中。さらに人格付与艦であるナツミは、あろうことか自身を普通の人間と認識ミスしてしまい、偶然船に乗り合わせた高校生・祐太郎に恋してしまう。祐太郎の言うことしか聞かないナツミに困り果てた乗員たちは、緊急措置として祐太郎を臨時艦長に任命するが…。迫り来るクォート軍に祐太郎の下した最後の決断とは!?第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞者、橋本紡が贈るSFラブ・コメディ。
21世紀末、南米の科学者達により作り出され“遺伝子戦争”の引き金となった新しい人種「猫目」。彼らは優れた特殊能力を持つ反面、生殖能力がなく、社会から迫害される存在であった。CK(チンピラ・キッズ)として気ままに生きる主人公リョウは、ある日、マリアと名乗る女性に襲われ、その圧倒的な力の前になすすべなく連れ去られる。香港、サイゴンで仲間を加え、襲撃をうける中、リョウは自分が「猫目」に関するトラブルに巻き込まれていることを知るー。第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞作。
ついにマリア達のもとから逃げ出したリョウは、ロンドンでフィズというひとりの少女と出会う。ふたりは互いに惹かれ合い、新しい生活を始めるが、それも長くは続かなかったー。リョウは、自身の運命を知りつつも、無気力なままマリアたちと合流。「猫目」一族の本拠地であり、旅の最終目的地でもある衛星国家へ向かう。そこでリョウを待つ真実とは?そこでリョウの選択する未来は?第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞作。