著者 : 津原やすみ
あたし、栗倉眸。十五歳。彼はいないけど、素敵な電話友だちがいる。“人見さん”という二十五歳の青年。だけどまだ、彼の姿を知らないの。「あたし、人見さんに会いたい!」懇願のかいあって、ついにデートが実現。約束の場所には、とびきりの美少年が。でも、親友の妙子はこういった。「わたしにはだれの姿も見えなかったよ」人見さん、あなたっていったい…。
川野和流の部屋に未来から飛びこんできた玄之丞。奇妙な同居生活は、離婚した両親を再び結びつけるという副作用を起こし、また和流と玄之丞は、ふたりだけで結婚式を。いつか未来に帰還するはずの玄之丞。彼とのこの心と心の交流の記憶すら、消えてしまうのだろうか。そして解き明かされる遠い星と地球との交流の「歴史」…。ふたりは。
父は、ケーキ屋をはじめることを夢見て、志なかばにして逝ってしまった。その夢を、母とわたしが実現するの。味覚まったくダメの母と、フツーの高一のわたしが頼れるのは、父が遺したレシピ帳だけ。このままじゃ、ケーキ工房『お菓子の家』は看板だおれの危機。そんなとき、救いの神が。口は悪いが、とことん職人気質の青年と、15歳少女のケーキ屋奮戦記。津原やすみ流チョッピリ甘いロマンチック・ストーリー。
あたし、川野和流。両親が離婚したせいでマンションでひとり暮らし…のはずだったけど、未来からタイムスリップしてきた玄之丞と、清い同居生活中。でも、これって信じてもらえないよね。とくに親には。玄之丞とのことで、両親と困った争いにハマッてしまった和流が、玄之丞と見つけた結論とは。野うさぎが遊ぶ、高原の教会でこのふたりが挙げる結婚式とは。
サイコたち聖ルピナス学園のなかよし三人組と、憧れの詩島くんは、姉の誘いで、学校をサボってスキーへ…のはずだったけど、道に迷ったあげく、謎の洋館で一晩をすごすはめに。洋館の主人は、今をときめく流行作詞家。不思議な同居人たちに囲まれ、胸さわぎのうちに、一夜明けると…事件が。雪と廻廊に囲まれた二重密室の難問に直面した、ルピナス探偵団の推理とは。謎の美少年聖くんとは。ご存じ“ルピ探”第2弾。
えーっ、あ、あたしの部屋に、あたしだけのベッドに少年が半裸で寝てるなんてっ。「不良」って思われてるあたしだけど、一気に体温下げてくれちゃうその少年は、二百年後からきたっていうの。で、一年先輩の千晶さんとホシオさんを救えってコトなんだと。最初は見ず知らずの二人が、体をはって、あの「あたしのエイリアン」の、ホシオと千晶を守る、珍妙にして結果オーライの新シリーズ、ついにスタートなんです、みなさん。
殺人犯は、ピザがお好き。人気エッセイストの殺人現場には、宅配ピザの空き箱がひとつ…。聖ルピナス学院に通う3少女プラス美少年が巻きこまれた、珍妙にして、謎だらけの事件とは。ユーモアとミステリアスな、“やすみワールド”の開幕。
「雲」をつかむような夢にとりつかれたのは、遠山エリカ、高1・16歳。お兄ちゃんの遺品のギターだからって、月4千円のおこづかいのエリカに、100万円じゃ、無理。でーも、世の中って幸運ってあるのよね。次々と、お金を稼ぐエリカ。ところが、同じ目的の男のコが登場。強敵のうえに、恋心までエリカはいだいちゃって。奇跡が起きるなら、16歳。天国のお兄ちゃん、ホントの天使ってどう見つけるの。
ホシオと出会って、3年の月日。宇宙船にのって地球にやってきたホシオだけど、見た目は、ふつうの日本人。あたしのイトコってことになってる、あたしの落ちた灯林学院大1年生。あたし、百武千晶。19歳、予備校生。灯林に入れなかったら、クリスマスも、ヴァレンタインも、きっとあたしの誕生日も、この地球から消滅させてやるわ…。お願い、ホシオといつも一緒にさせて。
「N・Yペアでご招待」の1等賞を福引きで当てちゃった千晶とホシオ。で、でもエイリアンのホシオって、どうやってパスポート取るの。だけど、ホシオはニューヨークの叔父の子ってことになってるんだから、行くっきゃないのよネ。こんな時にジョナサンがいてくれたら…。あれ、あの人どうやって日本に入国できるの?ってわけで、ドジで元気な千晶たちご一行の、奇妙な一団は世界の摩天楼ニューヨークへ乱入だい。
あたし、千晶。世間は夏で浮かれてても、ひたすら勉強しなくちゃいけない、浪人生。ひと足先に大学生になったホシオは、ノーテンキに映研の連中と飲んだくれてるのに。違う世界の、違う時間の中で、あたしたちの距離も、あたしたち自身も変わっていく。ただでさえ不安なのに、ホシオが家を出て、ひとり暮らしを始めてしまうなんて。あたしたち、このまま離れ離れになっちゃうの…。
あたしによく似た、新人のアイドルがいる-って言われても、似てるのが“後ろ姿”じゃね。ちょっと、ピンとこない。ありがちな、他愛のないおしゃべり。まさかこれが、高2の夏最大の事件の、はじまりだったなんて…。あたし、百武千晶。BFがエイリアンってことを除けば、ごくフツーの女の子。なのに、後ろ姿が似てたばかりに、アイドルと間違えられて、誘拐されちゃった。
すべては、あたしの橙林学院大学受験の失敗から始まったの。あたしと一緒に受験したホシオは、補欠だけど合格してた。エイリアンのくせに。あたしの名前は、百武千晶。18歳の乙女。ホシオと同じ大学に行くために。あたし、決めたの。浪人。1年間の、孤独な地下生活。暇なし、娯楽なし。たしかに、辛そうな気がする。いや、辛くないわけがない…。
文彦と雛子は大学1年。同じ高校を出て、同じ大学に通い、住んでる場所も同じ寮。始終いっしょにいるふたりだけど、なぜか見るからにアンバランスで、その距離はいっこうに縮まらない。それどころか気弱な文彦は、雛子のデートを不倫(?)とも知らず、彼女にせがまれるまま、車で送り迎えする始末-。軽やかでちょっと切ない最新式恋愛小説『ヒマワリズム』と、少年の不器用で真剣な恋を描く『フラッシュライト』の2編を収録。
岡村五月-これが、わたしの名前。26年間、ずっとこの名前だ。そろそろ、本格的にタイムスリップ。16歳の自分に戻ったつもりで、お話の続きを始めようかと思う。岡村五月、高校1年の冬-そのクリスマスイブから。いつのまにか、その年頃の少女たちに向けた小説を書くことが生業となってしまった、26歳の現在までの、長い長い物語。
ヒロインは、岡村五月さんです。もちろん、百武千晶さんも登場します。エイリアン・百武星男くんも、いっぱい登場します。しかし、ヒロインは岡村五月さんなのです。語り手もまた、彼女自身であります。物語の時節は、既刊の『星からきたボーイフレンド』とかなりの部分で重なっています。つまりこの本は“あたしのエイリアン”の、もうひとつのオープニングなのです。
厳寒のニューヨークシティから、赤い髪のエイリアンが帰ってきた。冬でもあんまり寒くないカリフォルニアから、美少年も帰ってきた。ふたりをアメリカから呼び戻したのは、以前、あたしたちを教えてた先生。ホシオの宿敵、理科の野沢先生。ホシオの敵は当然、あたしの敵でもある。あたし、百武千晶と、ホシオの前に、これだけ役者が揃ってしまって、トラブルのないはずがない。そう。たしかに、トラブルは起きていたの。