著者 : 津原やすみ
すべては、あたしの初恋から始まったの。あたしの名前は、百武千晶。18歳。とっくに忘れかけてたような、誰にでもある、ほんとささやかな恋だった。彼に再会さえしなければ、きっと思い出しもしなかっただろう、幼い恋心。それが、あたしと、エイリアンでイトコでボーイフレンドのホシオとの、一世一代の大喧嘩の発端だったの…。
月に向かって、星が降るのだという。真夏の晩、海に浮かぶ満月に、無数の流星が降りそそぐ。そういう伝説が、おぼつき海岸にある。ずっと、ずっと昔から-。これは、あたし、百武千晶と、エイリアンでイトコでBFのホシオが、夏休み、その海岸で出逢った“すばらしい愛の物語”の物語です。誰も実話と信じてくれないだろうけど…。
あたし、百武千晶。そして、名目上はイトコで、BFのホシオは、本当はエイリアンなんだ。あたしとホシオは、都立黄島高校に通っていて、この春、3年生になった。受験にめざめたあたしは、とりあえず、受験関係の資料を、本屋で買い物しまくってきたの。不思議そうに見ていたホシオの顔が、入学金や授業料の金額を見て、青ざめてきたんだ。そうよ。ホシオの学費は、いったい誰が…、誰が払うんだろう?これは重大な問題よ。
あたし、百武千晶。都立黄島高校2年生。名目上はあたしのイトコで、ボーイフレンドのホシオと、うちの高校の事務員・小泉今日子さんは、なんと、本当は、エイリアンなんだ。エイリアンなんて、ふたりだけで十分よ!と思っていたあたしは、夜の渋谷で、真っ赤な髪の青年にナンパされたの。彼も…!
あたし、百武千晶。都立黄島高校2年生。ホシオ-百武星男は、名目上はあたしのイトコだけど、本当はエイリアンなの。あたしたちの高校に、新しい事務員がやってきた。その人は、なんと、かつてのホシオの恋人であり、『星からきたボーイフレンド』の悪役でもあった、小泉今日子だったの…。
あたし、百武千晶。都立黄島高校2年生。ホシオ--百武星男は、あたしん家の居候。あたしにとっては、イトコにあたる、ということになってるけど、本当はエイリアンなんだ。うちの高校に、100パーセント日本人だが、国籍がアメリカという、とびきりの美少年が転校してきた。名前は、リン・パートリッジ。どう考えてみても、あたしなんかとは無縁の人種と思われた彼が、あたしたちを巻き込むことになる、今回の事件の張本人だったの…。
あたし、百武千晶。都立高校2年生。引っ越しのため、荷物を整理していたら、引き出しの奥から、奇妙な日記を発見したの。NYからやっきて、同居しているイトコの星男がエイリアンだという、SFまがいのもの。あたしには、書いた記憶もないし、星男に聞いてみても、心あたりはないっていうし…。そんなあたしと星男が、とんでもない事件にまきこまれるとは、思ってもいなかったんだ。