著者 : 灰銀猫
自分を蔑ろにする家族を見返し幸せを掴むため、姉の元婚約者の義父で、国内の貴族家の頂点に立つ侯爵、ヴォルフと婚約を結んだ伯爵令嬢のイルーゼ。感情を持たないせいで愛を理解できず、人々から冷酷だと噂されている侯爵だが、婚約生活の中で誰よりも自分を尊重してくれる彼に、最初は恐れていたイルーゼも信頼を寄せるように。そうして婚姻式の日が近づき準備も順調に進んでいくものの、問題児ぞろいの家族のトラブルや、ヴォルフに想いを寄せているという王女の悪意に巻き込まれたり、直接命を狙われたりとイルーゼの婚約生活はやはり前途多難で……愛を疑う令嬢と感情を失った侯爵の、打算だらけの契約結婚物語、第二弾!
婚約者と姉の浮気に気付いた伯爵令嬢のイルーゼ。元々、家族から粗末に扱われていた彼女は二人の関係を暴露し婚約解消を狙ったが、かえって問題を抱える姉の婚約者を押し付けられそうになってしまう。家族や婚約者を見限ったイルーゼは自分自身の人生のため、姉の婚約者の叔父であり、絶大な権力を持つ若き侯爵に直談判を試みる。その内容は、愛は望まないので自分を侯爵の妻にしてほしいというもの。そんな彼女の度胸を買い、侯爵はイルーゼとの婚約に同意する。そうして互いに愛はなくとも尊重し合う打算だらけの婚約者生活を送っていたイルーゼだが、問題児の姉がとんでもない行動に出たことで、婚約が危うくなりーー!?
長年、王女の近衛騎士を務める婚約者に後回しにされ続け様々な悪意ある噂に晒されてきた侯爵令嬢のヴィオラ。それでも相手の家とは友好的な関係を築いていたのだが、17歳の誕生日も婚約者は誕生パーティーを欠席し、王女の隣国訪問に護衛としてついていってしまった。その結果、さすがにもう無理だと婚約を破棄することに……。婚約破棄直後、親友の公爵令嬢がある男性をどうしても紹介したいと言い出し、ヴィオラは渋々会うことを了承する。そこで紹介されたのは、なんと大国の王子殿下! しかも彼は、過去に自分を助けてくれたヴィオラにどうしても結婚を申し込みたいのだと言い出してーー!?
第三王女でありながら、義母である王妃や異母姉たちに虐げられていたエリサ。そんな彼女はある日、父王から同盟のため獣人の国の王へ嫁ぐよう命令される。竜人である王、ジークヴァルトは未だ見ぬ番しか愛せない身で、もし番が見つかるか同盟の役割が終われば、その時点でエリサとは離婚だという。しかし、もともと自由な平民になりたかったエリサはかえって自分から白い結婚&別居を提案して、離婚後は自由にしてもらう約束を取り付け、その日を楽しみに過ごすことに。ところがジークヴァルトの番探しが難航したり、王宮内の陰謀に巻き込まれたりと、エリサの身の回りにも不穏な気配が漂って……