著者 : 石之宮カント
竜歴1150年。ついに“私”たちは、魂の光を手がかりに、最初の生徒を探すための旅に出た。しかしそれは、人類最大の脅威ともいえる竜の縄張りを抜けていく危険な旅路でもあった。ようやく遙か東にある巨大な王国・マシロにたどり着いた“私”は、そこで、純白の鎧に身を包んだ“竜殺しの英雄”アイシャとー「あなたがここにいらっしゃることは、門で出会ったときから薄々わかっておりました。あなたは…竜、なのでしょう?」運命の出会いを果たしてー!?短い命を燃やし、その身を焦がすように恋をした少女の想いは、悠久の時を超えて、“始まりの魔法使い”と、その愛する者たちを危機から救うー!第1回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞作品。
竜歴900年。村では、精霊魔法の発展による弊害として精霊の暴走による事件ー精霊災害が頻発していた。その対策として、“私”は、免許制度や対精霊魔法の研究を進めることに。ある日、ヒイロ村は死骸を操る黒い影ー屍鬼の襲撃を受ける。その犠牲として残された赤子を拾った事で、“私”はー「クリュセがハイハイしたわよ!」「おつかれさま、おとうさん」ニーナと初めての子育てに挑戦することになり!?魔法の時代が終わる時、幸福な最果ての村に、災いを報せる鐘が鳴り響く。これは、すべての“始まり”を創った竜の魔法使いと、その家族の物語。
竜歴637年。研究機関として大学を設立した“私”は、その一歩として、研究成果を後世に残すための紙作りに挑んだ。そして、世界で初めてとなる日記帳を物忘れの多い人魚のリンに贈った。「書いたこと自体を忘れないようにね」「うん。大丈夫…多分」それは有史の時代の始まり。紙と文字は、知恵と、そしてー記憶を未来に伝えていくことになる。貨幣や交通が急速に整備されていく中、他の「始まりの魔法使い」を始祖とする村の存在を知った“私”は、転生したアイの可能性を感じて、リンと一緒に調査に赴くがー!?これは、すべての“始まり”を創った竜の魔法使いの物語。
竜歴509年。将来の食糧危機を見据え、“私”は新たに農耕と牧畜を始めることを決めた。とはいえ、異世界の動植物に知見がない“私”は、その方法を他種族から学ぶべく、人魚や半人半狼、蜥蜴人の留学生を迎えることに。しかし、価値観の異なる生徒たちとの授業は困難の連続だった!そして、“私”が留学生を世界中から集めたもう一つの理由、それは魔法学校を有名にすることだった。いつか、“彼女”がこの場所に迷わずに戻れるように。-「でも、今はいないじゃない」剣部の一族の少女・ユウキの赤い瞳が真っ直ぐに“私”を映し出す。これは、すべての“始まり”を創った竜の魔法使いの物語。
かつて神話の時代に、ひとりの魔術師がいました。彼は、“先生”と呼ばれ、言葉と文化を伝え、魔法を教えました。そんな彼を人々はこう呼びました。-始まりの魔法使い、と。そんな大層な存在ではないのだがー「だから火を吹かないで!」「ごめんごめん。私にとってはただの息だからさ」竜として転生した“私”は、エルフの少女・ニナとともに、この世界の魔法の理を解き明かすべく、魔法学校を建てることにした。そこで“私”は、初めての人間の生徒・アイと運命の出会いを果たしたー。これは、永き時を生きる竜の魔法使いが、魔術や、国や、歴史を創りあげる、ファンタジークロニクル。