著者 : 秋野ひとみ
あたし、工藤由香。都立高校の1年生。今度の事件は、3月の、あたしの16回目のバースデーパーティーから始まったの。パーティーの趣向として、悪友のサキが、魔法のおまじないを教えてくれたことも、その事件の重要な要素でもあったんだけど…。なんのおまじないかって?わかるでしょ!!でも、あたしもサキも、その時はまだ、その魔法のおまじないが、ほんとに効くなんて、ぜんぜん思っていなかったんだ…。
あたし、八木ななみ。K学園高校1年。入学式は明日だけど、1日早く学校を、そして、温室をたずねてみたかったの。あたしは、小さい頃、この街に住んでいて、この学園も遊び場所のひとつだった。ある夏の日の午後、あたしの運命を決めた、不思議な女の人に会ったの。「あなたはここの学園の生徒になるの」ちょっとふるえた声で、それだけいうと、その人は、温室の中に姿を消したんだ…。
あたし、工藤由香。都立高校の1年生。でもね、本当は、友達のサキと小林クンと一緒に、なんと四つもの事件を解決しちゃった、名探偵(?)でもあるのです。スゴイでしょ!!最近、小林クン、みょうに付き合いが悪いの。そんな時、サキが、20歳過ぎの美女と、渋谷の街を楽しそうに歩いている小林クンを、目撃したっていうから、もう大変よ!!でも、その時はまだ、それが、もっと大変な事件の始まりだなんて、知らなかったの…。
今度の事件は、クリスマス間近の土曜日に、悪友のサキからの電話で始まったんだ。あたし、工藤由香と、サキ、そして小林クンは、都立高校の1年生で、しかも、なんと三つの事件を解決しちゃった名探偵?なのです。事件というのは、サキが通っている絵画教室から、青いオウムが盗まれたこと…。
あたし、工藤由香。都立高校の1年生。でもね、本当は、友人のサキと小林クンと一緒に、なんと、二つの事件を解決(?)しちゃった、その人でもあるのです。そんなあたしたちの前に、高名(?)を聞きつけたのか、1人の依頼人がやってきたの。その人は深瀬可奈子さん。クラスは違うけど、同じ高1。誰かにつけられてるらしいの。でも、その時はまだ、深瀬さんとあたしが、命を狙われるなんて、知らなかったんだ…。
その、まるで夢みたいな冒険は、ある夏の日の昼下がりに、突然に始まったの。あたし、工藤由香、都立高校の1年生。友人の敦子ちゃんが、夏休みに軽井沢の別荘に招待してくれたんで、今日は、その打ち合わせ。悪友のサキと一緒に、明治神宮の公園の芝生で、小林クンを待っているところ。その時、なんだかいい薫りが…。その、一瞬のいい薫りが、あたしたちを冒険へと誘う招待状だったんだ。