著者 : 秋野ひとみ
あたし、藍沢左記子・都立高2年生。今日は、あたしたちの修学旅行の第1日目。当然、由香の隣できゃあきゃあはしゃいでいるはずの藍沢佐記子さんは、なぜか、京都郊外の円城寺家で、そこのひとり娘、円城寺彩子さんになりすまして目を覚ましたわけで。ああ。行きたかったよー、修学旅行…。そうしてまだ半分眠りながら、由香たちのことを思っていた。すでに事態は、かなり深刻化していることに気づきもせずに…。
あたし、工藤由香。都立高の2年生。今回の事件は、修学旅行のための買い物に、サキといっしょに渋谷に行った時に始まったの。「とうとう見つけましたぞ!」という声が聞こえて、おじいさんが、いきなりサキの腕をつかんだんだ。「もう逃げられませんぞ。観念しなされ。彩子お嬢様」腕をつかんだまま、そのおじいさんはいうの。なんか、人間違いされているみたい…。
あたし、佐伯若葉。15歳。東京の千代田区の19世紀末ヨーロッパ風邸宅で、望おじいちゃんとふたり暮らし。今日は高校の入学式。朝食を食べながらも、あたしはもう胸がどきどきしてるの。どんなクラスメイトがいるんだろ…。そう、それに。学校にいけば“あの人”に会えるかもしれない…。-今回の作品は、吸血鬼の側から見た“バンパイア”シリーズです。よろしくネっ。
あたし、工藤由香。都立高校の2年生。いま、あたしとサキは、山浦理恵ちゃんという女のコのウチの庭にいます。理恵ちゃんの誕生日のパーティーに呼ばれてるの。ただね、あたしとサキは、みんなといっしょに楽しんでいるわけにはいかなかった。じゃあ、なんで、そんなあたしたちがこのパーティーにきているかというと。それは、探偵さんをやるためだったの…。
あたし、八木ななみ。俊介を助けるために、あたしは、もう一度だけ、時を飛ぶことにしたの。あたしは、温室の裏の扉を押した。それは、あたしの新しい遠い旅の始まり…。“ななみ”シリーズ、番外編。
それは、10月最初の土曜日。秋になってシュンとしてたお日さまが、運動会のシーズンにガゼンやる気をだしたみたいに、きらきら輝く午後2時半。場所は表参道の並木に面した喫茶店のテラス。なんて、おしゃべりしてる人は、サキちゃん、そう、あの有名な藍沢左記子で〜す。今回は、あたしが主人公なんだ。グフフッ。これ、一度やってみたかったの。じゃ、いくね。
あたし、工藤由香。フツーの高校2年生。あたしとサキの初めての海外旅行は、読者のみなさんのご期待どおり、もうメチャクチャよ。ダイヤ狂の男を連れた神也警部はいっしょの飛行機に乗り合わせるし、ヤクザの女ボスとおぼしき江田さん(キャンディママ)とは知り合いになるし、小林クンは消えちゃうし…。いったいあたしたちは、ダイヤにからんだ『ニューヨークのピーターパン事件』を、無事解決することができるのでしょうか…。
あの人のことは、きっと忘れないだろうと思う。サキはもちろんだけど、“無関係の”あたしにしても、何年たっても、もしかしたら、何十年たってこ、忘れられないだろうと思うの。あたし、工藤由香。フツーの高校2年生。その“あの人”が、どういう人かというと。これが、とうていひと口ではいえない。あたしたちがあの人に出会ったのは…。ニューヨークでホームスティしている小林クンを訪ねていく、飛行機の中でだったの…。
「春は大嫌いよ!」なんで、そんなことをあたしはいったのだろうか。なんで、そんな大声を出したのだろう。あたし、森下こよみ。この春、高2になる。春はすごく好き。だから、自分で、どうしてそんなことをいったのか、わからなかった。でも、ささいなことじゃなかったんだ。その言葉は、あたしの中から、出てきた言葉なの。今度の大騒ぎの終わりに、あたしはもう一度、その言葉にめぐりあうことになる…。
「おはよー、由香」とサキがいったとき、あたしはまだベッドの中にいたの。工藤由香。都立高校の2年生。今日、あたしとサキは、夏休みを利用して、ニューヨークのお姉さんのところに出発する小林クンを、成田空港まで見送りにいくの。そして今回の事件は、プレゼントを買いにいった渋谷で、あたしが書いた、小林クンへの手紙をなくしたことから始まったんだ…。
あたし、森下こよみ。こよみは漢字で書くと、カレンダーの暦。G学園の高校1年生。そして、只野龍之介は、あたしの幼なじみで、クラスは違うけど、同じG学園の1年生。わりとドジでウブ、そして呑気なヤツなんだ。今回の事件(?)は、そんなあたしたちを友人の占いマニアの松子姫が、勝手に占ったことから始まったんだ…。
あたし、森下こよみ。私立G学園の高校1年生。こよみは漢字で書くと、カレンダーの暦。よくヘンな名前っていわれるけど、自分では、この名前がけっこう気にいっている。只野龍之介は、あたしの幼なじみ。クラスは別だけど、同じG学園の1年生。わりとドジでウブ、そして呑気なヤツなんだ。そして、この物語のもうひとりの主人公が、2年生の橋谷さん。すごくカッコよくて、全校の女の子の憧れのまとなんだけど、じつは…。
ん?んん?ん-ん。あたしがうなってるのは、サキのいったひとことのせいなの。あたし、工藤由香。都立高校の2年生。あたしがサキといっしょに、教室でお昼を食べてたとき、サキがいったの。「あたし、お見合いするの」って。あたしがうなってる理由がわかるでしょ。そして、今回の事件は、そのサキのお見合いから始まったんだ…。
八木ななみ。それがあたしの名前。あたしは、K学園の温室を使って、時を越えることができる。でも、もう、その力を使う気はない。つらい、つらい思い出があるから…。あたし、最近、よく眠気におそわれるの。数分のうたたねで見た、短い夢。それが、すべての始まりだった。あたしの思いもよらなかったすべてのできごとの、始まりだったの。“ななみ”シリーズ、3部作完結編。
あたし工藤由香。都立高校2年生。今回の事件は、大変だったペーパームーン事件がようやく解決して、あたしとサキが、朝帰りをした日にはじまっていたの…。あたしたちの朝帰りは、みごとに双方の親に発見され、たっぷりお説教されたあと、1か月間の謹慎までいいわたされてしまったんだ。謹慎期間も半分が過ぎ、毎日がつまらなくて、『いっそのこと、事件でも起こればいいのに』って、日記に書いたら、本当に事件が…!
遊園地の迷路の謎は!?遊園地の鏡張りの迷路に隠された謎は?そして、ウサギさんの正体は誰なの?あたしたちは、『不思議な国のアリス』事件を、みごと解決できるのでしょうか…。
あたし、工藤由香。高校2年生になりました。今日、休み時間に、小林クンから誘われたの。「いっしょに映画観にいかない?」って。うれしっ!だって、小林クンとあたしの生まれて初めてのデートなんだもん。待ち合わせ場所は、放課後の図書館で、『不思議の国のアリス』の本の前。あたしのそわそわした態度を見て疑ってる悪友のサキの追及を、どうにかかわして、あたしは、図書館へと急いだんだ…。