著者 : 花井愛子
4月が来れば、最上級生。中2って、そんな“ぱふぱふ”気分じゃなあい。あたし小森美香も、まあそんなノリの毎日ではあるんだけど。もっと「絶好調」でカッとばしてるのが、いちおー親友の笠原絵津子。勉強は、ともかくとして。不意にミョーなファッションに走るワ、センパイとトラブル起こすワ、クラスで孤立するワ、もー、タイヘン。このエッちゃんの言動に、あたしも巻きこまれて、うろうろオロオロ。パニックだよお。
高1の、あたしのまわりの人々、ご紹介。TOMOMI。女みたいだけど、これは、うちのパパの名前。漢字で智巳って書くんだ。SEIKOちゃんは、あたしの妹の同級生で小6。松本聖子っていう妙にハデな氏名なの。RIKAは、ママ。理性を加える“理加”なんだけど、わりとおっちょこちょいなんだ。IKU。郁ちゃん。最近オトナびてきて、やたら姉をバカにする、ナマイキ盛りの、妹。FUMI。小川芙美。これは、あたしで…。
高校の1年生っていうと、もうどんどん自分でなんでも決めて実行に移しちゃうモノなのかしら。あたし、鳥飼更紗の場合は、すべて「お母さまに聞いてから。お母さまの言うとおりに」なんだけど。そんなのは珍しすぎるって、クラスの友達は、笑うんだ。でも、じゃあ“自分で”って、具体的にどうすればいいのかわかんないし。恋だって結婚だって、お母さまの指示どおりにしてたほうが幸せになれるって思いこんでたんだ、けれど…。
あたしのママの妹は、独身の34歳で、スタイリストなんてゆー商売してる。おかげで、オシャレ大好き高2の柴田夏実としては、服とかアクセとかクツとか、安く(ときにタダで)手に入るんだ。それに、まだなんとなくだけど、いつかはファッション関係の仕事してみたい気もするし。圭子おばちゃんとのつきあいって、あたしにとっちゃ、けっこー大事ってコト。そしたら、やっぱり、さすがギョーカイってチャンスが巡ってきて…。
高3で、少女マンガ家志望の、あたしの名前は、富田有美。というあたしの大親友の名前は、宮田里美。ね、漢字の見た目が、似てるでしょ。性格は、みごとといってもいいぐらい正反対の、あたしたちなのに。この名前のせいで、ときどき人違いされちゃうの。それって、ただでさえ、あんまり気分いいコトじゃないのに。あたしの片想いの黒崎律くんまで。ねえ、恋って。どうしてこんなに「まさか」の不安だらけなんだろうね…。
高3にもなって、マジで部活だの文化祭の責任者やってるなんてのは、よっぽどのバカか底抜けのお人好しに違いない-、と「オレはオレなりに“わかって”は、いる」てなノリの進藤達彦と、類は友を呼ぶってヤツなんだろうか、世間のジョーシキからは、どうしたってズレちゃうオトコの黒崎律の。ちょいと、せつなすぎるかもしんない、恋愛がらみの生きかたストーリー。空の青さが、妙に気になる、あなたには。気持ち伝わるかな。
長い長い片想いしてる、あなたへ。マジメな優等生のシーナの気持ち、どんなふうに伝わるかな。ちょっとドキドキの花井愛子です。好きも嫌いも瞬間のインスピレーション、ていう行動派のあなたへ。神戸あやかは、大胆まあやの恋物語を、お届けいたします、ね。不思議を本気で信じてるって、誰かに話したら笑われるかもしれないけど。浦根絵夢は、るうみの夢の出会いを、応援したいんだな。と、楽しんでいただけたら…。幸いです。
いつもと異る場所では、つまんないものがステキに見えてしまうことがある。もう高2の山内美実だった、それぐらいわかってる。でも。はじめての海外旅行。ひとり歩きしてみたロンドンの街で声をかけてくれた男のコ。カレのやさしいエスコートも、ささやいてくれた「アイ・ラブ・ユー」の言葉も、美実には、どうしても嘘だなんて思えない。カタコト英語が、もどかしい-。ちょっぴりインターナショナルな恋物語、お届けいたします。
ごくふつうの中3受験生していた杉村麻由の生きかた考え方を変えてくれたのは、いったい、だあれ?かわいい女のコって、楽しい恋って、ステキな友達って、オトナって、コドモって、自然って、どんなもの?いままでの自分を、ちょっと他人の目をして見つめてみたら、未来が、大切なことが、きのうまでと違ってくるかもしれない。
ステップ2は、高3卒業で宝塚音楽学校へ入学した、マキの考えかた生きかたを、ドラマティックに描きます。舞台好きのヒト、それから、自分の夢を持ち続けてるヒトに、ぜひぜひ続んでいただきたいストーリー。
花井愛子です。お元気ですか?今月は、また、まるごと1冊おしゃべりで埋めちゃうエッセイ・ブックにしてみました。この前の「もしもし?」が、昼下がりの気軽なテレホン・トークみたいなものだったとしたら、こんどの「あのね」は、夜更けの、ちょっぴりマジメに話したい感じの電話…、みたいな内容です。夏の想い出、恋のこと、お仕事について、エトセトラ、エトセトラ。あなたに、どんなふうに、伝わって行くかなあ…。
アニキのつもりで長年つきあって来た、お隣り、深町家の洋一さん-、洋にい、への気持ちが。いつのまにやら女のコらしい片想い、てヤツに変化しちゃってるコトに気づいてしまった、ボク、井沢真琴。16歳、高1。春休みを待ちかねるようにして、ボクは、洋にいが住みこみでアルバイトしてるスキー場のペンションへ、旅立ったんだ。大好きなヒトと楽しい時間を過ごせるはずだったのに、ちっきしょー、ジャマモノが、1匹…!
高校生になるまで、恋ってどんなものなのか、いまいちピンと来てなかった、ちょっとトロめのあたしの名前は、渡辺可憐。1年生になってすぐ、生まれてはじめて、トクベツに気になる男のコ、という存在に出会ってしまったのだけど。恋愛初心者のあたしは、自分の心を、どうやって伝えたらいいのか、まるでわからない。こんな意気地なしの女のコのために、バレンタイン・デーが、あるのかな。じゃ、それをはずしたら、次は…!
ボク、井沢真琴は、ひとりっ子なんだけど“アニキ”が、いるんだ。お隣りの深町家の洋一さん。ボクは“洋にい”って呼んでいて、洋にいは“マコト坊主”とボクを呼ぶ。そんじょそこらのホンモノの兄弟より、ボクラふたりは、気が合っちゃってると思うんだ。ボクは、都内の共学高校1年生。洋にいは、大学2年生で、いまは京都でひとり暮らし。その洋にいが帰宅する冬休みを、ボクは、指折り数えて待っていたんだっ!けど、さ…。
小さな頃からお世話になっている石見家の、ひとり息子の、貴志さん…、24歳から、あたし、雨宮結花は、プロポーズされてる。なのに、あたしの心は、街で出会ったばかりの男のコ、18歳の藤丸クンに、強く強く、引かれはじめても、いる。恋って、愛するって、幸せって、なに?16歳、高2の結花が、生まれてはじめて真剣に考えて、悩んで、迷って。ようやく見つけた、ほんとうに好きな人は…?!