著者 : 若林真紀
「女どうしの友情なんて、脆いものよね」って言葉を耳にするけど。同じ人を好きになってしまった、わたしと江里子の場合は?やっぱり、その例外になることはできないの?あんなに仲良くしてたのに…。ううん、仲が良かったから、よけいに難しいんだよね。友情を壊したくなくて、ずっと気持ちを隠してきたけど。恋と友情、どちらかを選ばなければならないとしたら…。
わたし、どうかしてる。あの電話は、ただの間違いで。あの人は、わたしと話をするために掛けてきてくれたわけじゃない。お互いにどこで何をしてる人間なのか、尋ねることもなく、話してたけど-なぜか、それが心地よかった。前の彼のこと、まだフッ切れたわけじゃないけれど。ドキドキする対象が、変わっていく気がして…。
わたし。ごくフツーに「友だち」って呼べる人たちの中にいて。ごくフツーに明るく振るまっているけど。それは、ホントのわたしじゃない。仲間はずれになりたくなくて。枠からはみ出したくなくて。いつも自分を閉じこめてしまう。-でも、何かこの頃息苦しくて。思ってることを言えない自分にイライラして。わたし、変わりたいの。自分を変える勇気が欲しいんだけど…。
平凡だけど幸せな毎日は、意外にもろくてはかなくて、ある日突然、壊れてしまうもの-。そして、愛が試されるとき。すごく、とても、かなり、ツラいけれど。いま、わたしの中で、不可能を可能にする力が生まれようとしている…。前より、もっともっと幸せを感じるために。愛する人のために、あなたはどこまで強く、そして優しくなれますか…。
理想の“王子様”を見つけたの。こんなに誰かを好きになったのは、生まれて初めて。出逢った瞬間から、好きになっていた。顔を見ただけで胸が苦しくて、声を聞いただけで体じゅうが震えていまうほど。あなたになら、何をされてもかまわない、そう思えるくらい…。どうしても、あなたの“特別な女の子”になりたくて、わたし…。
わたし、二宮芙希子。彼氏いない歴15年の受験生。恋もしないまま中学生を終えるのは、ちょっと寂しいよね。友達と集まっても、男の子の話ばかり。彼氏にするなら、みんなに自慢できるような人-これが、わたしたちの合言葉みたいになっているの。素敵な彼ができたらいいな。そんなわたしが、いま気になる男の子は。何かが違う。なぜか素直になれない…。
わたしたち、とてもうまくいっていた…。そう、わたしがふたりの秘密を知るまでは。それが、こんな辛い想いをすることになるなんて、思ってもみなかった。いまとなっては、すべて遅すぎるけれど、聞かなければよかった。知らなければ…。でも、わたしだけの胸にしまっておかなければいけないの。誰にも言わないって、約束したことだから…。恋って、なんだか複雑すぎる…。
新聞部でコンビを組んでいるソータのこと、気づいたときには、好きになっていた。でもね、いつも一緒に行動していたから、知らなくていいことまで、知ってしまったの。ソータには、ほかに好きな人がいる。彼の目が、わたし以外の人を見ていることを…。完璧に“片想い”ってわかったのに、彼を諦めることなんて、できない。そんなある日、わたしの目の前で、ソータと、彼が想いを寄せている彼女が…。
大好きな彼が、わたしじゃない誰かと一緒にいるなんて。それも、ホテルから…。わたしのこと「大事にするよ」って言ってくれたセンパイが、どうしてなの。心でどんなに“好き”と思っても、それだけでは足りないのですか?男の人の“好き”と、女の子の“好き”は、どこかが違っているの?つき合い始めて3か月。わたし、どういうレンアイをしたらいいのか、わからない…。
わたしには、山野クンっていう、つき合って2年になる彼がいる。高校は違うけれど、結構シアワセで。わたしにとっての彼は、山野クンだけ…って思っていた。そう、笠井クンが転校してくるまでは…。わたし、自分がわからない。遊びとか、浮気とか、そんな呼び方ができるものでなくて。ふたりの人を、同時に好きになってしまっただけ。違う魅力に惹かれ、揺れている…。もう自分では、どうすることもできないの。
彼、木村達也クンは、クラスの人気者。ライバルはたくさんいるけれど、彼の特別な女の子になれる日を夢見てた。そして、誰れよりも彼のことを想ってる、って信じてた。そんな、大好きな彼から告白されたの-。ずっと、この日を待っていたはずなのに、どうして、「考えさせて」なんて言ってしまったんだろう。何かが違う気がして…。片想いしながら、彼のこと見ているときのほうが、楽しかった気がするのは、なぜ?
アイツのこと、嫌いだったはずなのに…。いちいち、うるさいし、性格悪いし。それに、アイツには、彼女がいる。どうして、こんな気持ちになってしまったんだろう?一緒にいると、すごく幸せだけど、彼女がいるなら、気安く誘ってほしくなんかない。これ以上、好きになっちゃいけないなら、もうわたしに構わないでいて…。わたしは、あなたのことだけ好きなのに、あなたは、ふたりとも好きだって言うの。
わたし田中紫葡。高校2年生。“好き”って想える人に巡り逢えたの。バイト先で知り合った、大学生の諸岡さん。彼も、わたしのこと「好きだよ」って。でも、束縛されたくないと言う彼に、学祭で逢った女の人との関係など、聞けるはずもない…。あなたに嫌われたくないから、あなたの本当の気持ち、知るのが怖いから、わたし何も話せない。わたしは、ただあなたを信じていればいいのですか?教えてほしいの…。
わたし、川瀬真奈美。高校に入ったら、絶対に彼をつくろうと思っていたの。そして、すぐ近くに理想の男の子が…。彼に近づくことに、必死だった。まるで、恋のためにだけ生きているようなもの。それが、クラスの女の子の目には、“男の子に媚びている”としか映っていなかったなんて。もっとショックだったのが、彼が好きなのは“同性に好かれる娘”だということ…。わたし、何か大切なこと、失いかけている。
初めて誰かを好きになって、初めて告白をして。2人の気持ちが通じ合ったの。でも、何かが違う…。「両想い」って言ってくれたけど、あなたの態度は、いつもと変わらない。日曜日なのに、約束もなく、わたしひとりでいるのは、どうして?好きな人の傍には、いつでもいられるものだと思っていたのに。もっと、あなたの“特別”でいたいの。言葉だけでは、安心なんてできないから…。
“不良”と呼ばれていて、他人を寄せつけない。でも、わたしからみれば、温かくて、惹きつけられる何かをもったひと。それが桐島くん。わたしが好きになったひと。自分を見失うくらいに好きだった。どんなに冷たくされても、あなたに逢いたいと思った…。そして、好きだからこそ、追いかけてはいけない恋があることも、同時に知った。あの時は、本当に辛かった。でも、こんな恋があってもいいと思うの-。
将来、かぁ。どうして、高3になると、そんなこと考えなくちゃならないの?わたしは、大好きな惚ちゃん・沢野惚一朗クンと、ずっと仲よくしていられたら、それで、いいの。そんなわたしが、なんと、突然、芸能界にスカウトされちゃったんだ。そして、気がついたら、いつの間にか、放課後が、歌やダンスのレッスンで埋まってた。それと引き替えに、惚ちゃんは、どんどん遠くなっていって…。だけど、もう後戻りなんて、できない…。