著者 : 若林真紀
ね、友基。わたし、彼のいる夏って、これが初めてだから、楽しい夏にしてね…。そう考えてたんだけど、実際には、友基の親友・椎名クンと、その彼女・柏木サンとのダブルデートばかりで…。わたし、柏木サンって苦手っていうか、どうしても気に入らなくて、すごくイジワルな感情を抱いてしまうの。それが、危険なゲームの始まりだった…。もしも、わたしが、柏木サンから、椎名クンを取っちゃったら…って。
わたし、森岡めぐみ。高校2年生。わたしと仲よしの美亜は、女のわたしから見ても、超カワイイ女の子。だから、クラスの男の子たちが、やたらとわたしを誘ってくるのも、実は、みんな、美亜がお目当てなのよね。今までは、わたし、そんなこと、全然平気だったんだけど、大好きな橋本センパイまでが、美亜のこと…。いつの間にか「ハッシー先輩」「美亜ちゃん」って呼び合ってるし。お願い、センパイまで、美亜を好きにならないで。
わたし、こんな気持ち、ずっと、ずっと、気づかないほうが、よかった…。わたし、美緒子。高校1年生。杳一クンと珪吾クンとは、俗に言う、幼馴染みってヤツ。小学校のときから、ずっと、いつでも、何をするんでも一緒の、仲よしなの。わたしにとって、杳一クンも珪吾クンも、どっちも大事。わたしたち3人は、ひとりでも欠けたら、不完全なんだもん。どっちが好きとか、そんなんじゃないはずなんだから…。
わたし、こんなに泣いたの、初めて。みんなみんな、アイツのせい。-松田知弘。わたしの好きなひと。松田クンのバカ。あんなにあっさりフルことないじゃない。もしかしたら…って思えるくらいに、結構、仲よくしてくれてたのに。だから、やっとの思いで、告白したのに。ホントに、…もう、ダメ、なの、かな。わたし、まだ、あなたのことで、いっぱいみたい。…告白なんか、するんじゃなかった。
わたし、野瀬かすみ。高校1年生。わたしの片想いの相手は、同じクラスの純平クン。中学のときから同じ学校で、初めて「好き」って思ったのは、中学2年のとき。それ以来、何度も何度も、告白しようって思ってきたんだけど、どうしてもふんぎりがつかなくって。でも諦めることもできなくて、ひたすら想い続けて、もう2年半…。長い長ぁ〜い、片想いの日々。あ〜あ、わたしもそろそろ、片想いから卒業したいな。
わたし、小松やよい。高校3年の受験生。初めて恋人って呼べる人ができたんだけど、お父さんに嘘をついてデートしてたのがバレちゃって。彼と逢うことを禁止されちゃったの。はぁ〜、このままじゃ、恋も受験も両方ダメになっちゃう…。
明日から、高校生活がスタートしてしまう。違う高校へ行ってしまう利伸クンとは、逢える時間が、きっとすごく少なくなっちゃう。この間までは、同じ学校で同じ教室で、同じ授業を受けて、同じ時間を過ごしてきたのにね。中学の恋は、中学の間に終わらせなくちゃいけないのかな、なんてポツリと思ってしまう。だけど、そんなのヤダ。わたし、利伸クンが好きだから…利伸クン、アナタは、逢えなくなっても平気なの?寂しくないの?
わたし、『あなたが見えない…』でカズトに失恋しちゃった高井慶子、高3になりました。そんなわたしに、隆二くんは、ずっとやさしくしてくれるんだけど、わたし、すんなりと隆二くんの胸に飛び込んでいけないの。だって、隆二くんは、カズトの親友だし、わたしのこと、何でも知りすぎてるんだもの。同じクラスに、岩城くんっていう、ちょっと気になる男の子も現れちゃったりして…。わたし、どうしたらいいんだろう…?
わたし、安西くるみ。高3。高2のときから、仲よし4人組の女の子だけで、バンド組んでるんだけど、受験目前の今は、活動停止中。イサムは、同じくバンドを組んでて、ヴォーカルやってる。悪いことばっかしして、問題児なんだけど、超カッコイイ人気者なの。わたしも実は、心密かにイサムのファンなんだ。受験さえ終れば、あとは楽しい卒業ライヴと卒業旅行のはずだったんだけど…。
我が桜山高校バスケット部の2年生エース・三上センパイと、その彼女の白石奈保美先輩。ベスト・カップルとして、みんなに認められてる、お似合いのふたりなんだ。いいなぁ〜。わたし、小野川鞠絵。バスケ部の1年生。実は、わたし、三上センパイのことが好きなんです。恋人がいるって、わかっているクセして、好きになっちゃったんです。バカみたいでしょ?こんな気持ち、誰にも言えない。
わたし、北野みちる。都立高校の2年生。学校では、いいのか悪いのか、どうも目立つ存在ということになっているみたい。え〜と、実は、わたし、失恋してみたんです。それは、わたしから告白して、わたしから終わりにしてしまったという、とってもワガママな恋でした。今でも、ときどき、胸がチクチクします。だって、ホントは、ケンゴくんのこと、まだ好きなんだもん…。
わたし、典子。都内の女子校の2年生。で、わたしのカレ・ジュンは、都立高校の2年生。ジュンとは、夏休みに海で知り合って、おつき合いを始めたの。夏休みの間は、いつもいつも一緒にいて、間違いなく、恋、してた…。ところが、2学期が始まってからのジュンは、別人のように冷たいの。都合が悪いからって言って、ほとんど逢ってもくれないし…。ジュン、わたしたち、夏だけの恋だったの?
わたし、上原香菜子。高校3年・受験生なんだけど、恋しちゃってます。お隣のクラスで、同じ予備校に通う、予備校仲間の加藤くん。でも、お互い、もう気心知れちゃってて、しっかり「仲よし」の「お友だち」してるから、今さら素直に「好き」って言えなくて…。ところが、ある日突然、親友のみどりに、「わたし、加藤くんのこと、好きになっちゃった。協力してくれる?」なんて相談されちゃったんだ!もう泣きたい気分、どうしよう?
わたし、佐藤鈴子。すっごく内気で、いつもいつも、たくさん言いたいことがあるのに、ぜ〜んぶ、この胸の中で消えてっちゃうの。高校2年生になったっていうのに、ほんとにイヤになっちゃうくらい何も言えないの。こんなわたしでも、好きな人がいるの。同じクラスの村上くん。学級委員長で、わたしとは正反対に、すごく明るくてカッコイイの。でも、女のコともうまくお話しできないのに、村上くんとなんて…。せつないな…。
ねぇ、こういう経験って、ない?今、わたし、毎朝同じ通学電車で、顔を見かけるだけの人に、すっかり恋しちゃってるの…。これって、一目惚れ、なのかな。わたし、木下涼子。高校2年生。世の中、いろんなカップルがいるわけだけど、みんなどうやって知り合ったのかな。一目惚れって、どのくらいの確率で成立しているのかな?だけど、その前にどうやったらわたしのこと、気がついてもらえるんだろう?
松本菜摘、フツーの高校一年生。わたしの優しいカレ、藤井ヨージ、今をときめくスーパーアイドル。ヨージ、歌手の近藤ルミとの噂、ウソでしょ?信じて、いいよネ!