著者 : 菊池早苗
あたし、水野夏奈。ミッション系の女子校に通う、15歳。で、この学校の言い伝えでは、16歳までに彼ができないと、今後7年間ステキな恋には出逢えないっていうの。どうしよう。それじゃ、わたしの20世紀は、恋なし。願いごとを三つかなえてもらえると、噂を信じた夏奈は、旧校舎へとでむくのだが…。信じることって大切。でも、そんな噂に邪悪な霊がつけこんでいたら、夏奈の運命は。
何もなかった高二の夏。九月だというのに、岡崎みらいは、美少年憲に心惹かれはじめる。百年の歳月を越えて、海辺の別荘地の町を襲う群発地震。-かなわなかった恋への未練から生まれた、青年と邪神との悪魔の契約。『百年後、この町を滅ぼす』という呪いがいま実行されようとしている。手渡されなかった蒼い指輪が巻きおこす、運命のふたりの苦悩と、哀しくも美しい、愛への讃歌。運命の日まで、あとわずか。
「半身に分かれた運命の人がいるはず」と、葉月は、手に同じ赤い星をもつ人を求め、南の小島へと旅にでるのだが…。次々と明かされる、自らの過去の因縁。島の聖樹と、星をもつ守り人が呼びおこす大暴風雨の恐怖。葉月にとって、運命の人とは。ふとした偶然で始めた春休みの本屋さんでのアルバイトから、次々と運命の渦にまきこまれる少女と、彼女を守ろうとする少年の、愛の異色ファンタジー。
十七歳の誕生日、おめでとう。美紀の誕生日を祝ってくれたのは、深夜、学校の廊下の大鏡に現れた“精霊”だけだった。そして、満月の夜、必ずや復讐をはたすのは、銀の風、あなたの務めだ-と語った。鏡を抜け、異世界から怨念を抱いて飛びこんできた二つの勢力が、今、十七年の歳月を超えて覚醒し、敵対する。銀の風の生涯の敵、大河王とは誰。彼女の復讐は、無事成就できるのか。
少女は必死に叫んでいた。木霊のように遠く広がる声で。万物の奥底に眠る魂を揺さぶる声で…。未来を映しだす水晶球に現れた少女の心は、恐怖と憎しみに満ち、その声は、すべてを破壊しつくそうとしていた。森を統べる巫女の血を引く少女、美村和音に迫る危機。超能力をもつ少年、光崎大和は、はたして、未来を変え、魔の闇の脅威から、和音を救うことができるか。
わたしの名前は“まふゆ”。わたしに名前をくれた少年は“はるか”。白い雪の舞う街で、突然、光につつまれたわたしは、記憶を失ってしまった…。そして、謎の意思の力によって、二人の運命は、不思議な世界に、一歩踏みだしていた…。恋人どうしが幸せになれるという、星空の輝きを封じこめた美しい藍色の石、ブルーストーンをめぐって、未知の異世界から転生した魂が織りなす神秘と幻想のロマン。
綾瀬の心がゆらめいて、月を宿す水面が波立った…。未来を映す水鏡に綾瀬が見たものは、紅蓮の炎の間から覗く、闇よりなお暗い邪悪な目だった。遠い昔の嵩月家と豪本家の確執が、今また甦し、怨念が街を覆い始めた。はたして綾瀬は、水脈を呼びだし、眠れる竜を目覚めさせることができるのか。そして、綾瀬に想いを寄せる銀の月の主護者、一馬と冬馬の運命は…。
少女は水に映る銀の月を飲みほした。少女は奇跡を祈った。泉の傍らで、夜ごと訪れる月とともに、奇跡を祈りつづけた…。月の泉から不思議な力を引き出すことのできる少女、伊藤綾瀬。そして、銀の月の守護者として彼女を守る、嵩月一馬と冬馬。同じ日、同じ時刻に生まれた双子の姉妹と兄弟が、かつて滅ぼされた一族の聖地をめぐって織りなす、神秘と転生のロマン。
「絶対おれを好きになるよ」それは彼の呪文。魔法にかかってしまったのはわたしだ。リイナじゃなくてわたし-。それとも、どちらでも同じなのだろうか。転生し、わたしの中で眠っていたリイナの魂。わたし、季崎はるか。高2。彼-佐藤功は、わたしの父が、17年前に行方不明になった国からやってきた、転校生。17年前、あの不思議な国で、いったいなにが起こったんだろう…?
剣を持った天女が月から降りてきて、また月へ帰っていったという伝説のある街。朝倉晶子は、その街に住む高校2年生。しかし夜になると、金色の髪と瞳を持つ、聖なる剣を継ぐべき“伝説の天女”になる。神尾高志は、プライドの高い王様の目をした、晶子のクラスメートで“天女”が気に入っていた。晶子は、高志に追いかけてほしいと思っている。本当の自分をつかまえてほしいと…。そして、運命の十三夜がやってきた。
「また会おう、迎えにいくよ。魔法を見せてあげるよ。魔法、好きだろ」そういうと彼は、女の子の額にそっとキスした。ぎゅっと閉じた瞳の奥で桜が散っていた。高2になった遠野麻沙子は、学校の徒歩旅行で道に迷い、満開の桜をつけた巨大なしだれ桜を見つけた。その下には、昔出会った男の子が…。麻沙子と幼なじみでケンカ友達の相原一弥は、男の子と、なにか関係があるのだろうか。魔性の桜にとりつかれた男女の恋の行方は。
1991年、初夏。津和野夕希、16歳。わたしは夢を見ているんだ、と夕希は思った。そして、夢の中の少女は夕希自身だった。『由起乃』-彼は少女の名を呼んだ。クラスメイトの日高達朗は、すごく真剣な目をして、夕希を見つめていった。「あんた。由起乃とは、似ても似つかねえや」“-彼が見ていたのはわたしじゃないの?わたしを通してほかの誰かを見てたの?”