著者 : 詠井晴佳
君の言葉が、明日へ踏み出す勇気をくれた。 「明日がくるのがこわい」 そんな不安を抱く中学生の栞里が出会ったのは、同じ想いを抱えた同級生の鈴真だった。 電話や教室、公園でお互いの「こわいもの」について語り合い、いくつもの不安な夜を一緒に乗り越える二人。でも卒業間近の冬、何より大切だった鈴真との時間は突然終わりを告げた。 高校生になり、ひとり不安に押し潰されそうになる栞里。そんな時、栞里の意識は見知らぬ部屋へと飛ぶ。そこには、二度と会えないと思っていた鈴真の姿がーー 心に灯る微かな光を頼りに、明日へと進む姿に勇気をもらえる。音楽プロジェクト・ロクデナシの名曲『愛が灯る』とコラボした青春ファンタジー小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 大切な人との出会いや別れは、ときに「こわい」ものです。 立ち止まり、前に進めなくなり、 それでも臆病な自分からの「卒業」を目指すーーそんな全ての人へ捧ぐ物語です。 ぜひ『愛が灯る』の楽曲と共にお楽しみください。
いくつキャラをこえれば、私は私になれる? 15歳の時に明澄俐乃のために作ったVRキャラクター≪響來≫。ただのキャラクターであったはずの彼女が19歳の成央の前に現れた。 響來の願いで再会する成央と俐乃。19歳の俐乃は芸能人となり、誰よりも輝きを放っていた。居場所を求め、傷つきながらも一人走り続ける彼女を見て、成央は15歳に置き去りにした感情を思い出す。 保健室で見た、「はじめて」の瞬間。 二人だけしか知らない、甘い時間。 そして、叶えられなかった約束。 鮮明に、克明によみがえる憧れと葛藤の欠片たちは、成央に突き刺さる。 19歳の現実と理想に向き合う中で、二人は本当になりたかった自分と、なれなかった自分を思い出していきーーやがて、響來が現れた本当の意味を知る。 第17回小学館ライトノベル大賞受賞作。キャラクターと葛藤が紡ぐ、優しくも切ない青春ファンタジー。 【編集担当からのおすすめ情報】 第17回小学館ライトノベル大賞で優秀賞に選ばれ、審査員を務めた武内崇先生にも高評価を得た今作。 「自分」という、世界中で最も価値が曖昧な存在に迷う人々に贈るキャラクター賛歌です! 「本当になりたい自分」と「なれない自分」その間で誰も抱く葛藤に優しく寄り添ってくれる快作となっております。