著者 : 遠坂あさぎ
思うに〈青春〉というのは、よくできた推理小説のようなものだ。 失われてしまった恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。壊れかけの生物部に捧げられた、高校生たちの切実な決断。 無関係だと思われたひとつひとつの因果はどこかでつながっていて、あとから振り返って初めて俺たちはそれを〈青春〉と認識する。そこでようやく気付くのだ。見落としていた大切なことに。 「検証してみようよ……科学的に!」 これは、科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む、綱長井高校「理学部」のささやかな活動記録。 ーーそして、一つの初恋が解き明かされるまでの物語である。
激闘の末、虚無の〈門〉となった〈剣聖〉を倒したレオニス。全てが終わったかと思われたその時、姿を現したのはリーセリアの父、エドワルド公爵だった。 〈異界の魔王〉と契約した彼は告げる。〈魔王〉の力によって人類を救済する、と。〈魔王計画〉--その計画はしかし、この世界に生きる人々の多くを犠牲にするものだった。 父を止めるため剣をとるリーセリア。だが、その時、破壊したはずの〈門〉の中で〈虚無の女神〉が目覚めはじめる。 世界の命運をレオニスに託し、最後の力を使うロゼリア。 破滅の運命に抗うため、第十八小隊は〈第〇九戦術都市〉に乗り込み、最後の決戦へーー!
次元城の戦いでもう一人の〈不死者の魔王〉を破ったレオニスは、第十八小隊のメンバーと共に帰還の途についた。しかしその途上、世界を破滅に導く虚無の門ーー〈ヴォイド・ゴッド〉が出現し、侵攻を開始する。レオニスたち魔王は〈ヴォイド・ゴッド〉を破壊すべく、その根源たる〈剣聖〉シャダルクに決戦を挑む。一方、リーセリアは〈女神〉の魂を狙う〈大魔導師〉ディールーダと交戦。〈第〇七戦術都市〉では、侵攻してくる〈ヴォイド〉を迎え討つべく、咲耶、レギーナ、エルフィーネがそれぞれの戦いに赴くのだった。絶望的な状況の中、最後の要塞〈アルビオン〉が空に飛び立つーー!
“あれ”から一年が経とうとしていた。 「豚さんはすっかり、私がいないと生きていけない身体になってしまいましたね」 嬉しそうに言うジェスの手には頑丈な鎖が握られている。 鎖の先にはブヒブヒと鳴く一匹の豚ーーもちろん、俺だ。 豚と美少女、二人の奇妙な共同生活がいま、舞台を変えて再び幕を開ける。 “あれ”から四年後のメステリアでは、かつての旅の仲間たちが奮闘を続ける。 英雄は遂に結婚式を挙げようとしていた。 イノシシはかつての飼い主と再会。 龍族の青年は双子の子守りに明け暮れていた。 世界は刻々と変わっていくが、旅はずっと続いていく。 これはそれをほんの少しだけ切り取った、おまけの一冊だ。
レオニスと〈不死者の魔王〉との決戦は、リーセリアが与えた〈聖剣〉の力によって決着を迎えた。しかし〈不死者の魔王〉の消滅によって〈次元城〉は崩壊。その余波に巻き込まれ、レオニスたちは遠く離れた〈桜蘭〉の森に飛ばされてしまう。目を覚ましたレオニスの前に現れたのは、彼の探し求めてきた〈女神〉の姿だった。「--ようやく会えたね、レオニス」異国の隠れ里で、ロゼリアは語る。この世界の秘密、神々と虚無、そして〈魔王〉のことをーー。そんな中、〈ヴォイド・ゴッド〉となった〈剣聖〉シャダルクが、人類最後の要塞への侵攻を開始しようとしていたーー。
ジェスと一緒にいたい。離れたくない。 だが、現実逃避し続けることもできない。 王朝と解放軍の亀裂は深まるばかりで、シュラヴィスはノットに決闘を挑んでしまった。 間に立てるのはジェスと俺だけ。なんとしてでも戦いを止めなければ! 奔走するうちに解き明かされていく、これまでの謎と大きな秘密。 真実をかき集めて辿り着いた『解決法』は……あまりに重い決断が必要なものだった。 それでも俺は、ジェスのためなら……。 豚と少女の恋物語に訪れた大きな分岐点。 二人で歩いてきた足跡を辿りながら、俺たちの、最後の旅が始まる。 「豚さん、大好きです」 「ああ……俺も、大好きだ。幸せになれよ、ジェス」
「魔王戦艦〈エンディミオン〉、全速前進!」レオニス率いる魔王連合は〈竜王〉ヴェイラの圧倒的火力で〈ヴォイド〉を殲滅、〈不死者の魔王〉が待ち受ける〈次元城〉へ突貫する。一方、〈第〇四戦術都市〉でエルフィーネを救出したリーセリアは、脱出の最中、〈使徒〉ネファケスの襲撃を受けてしまう。窮地に陥ったその時、聞こえて来たのは、夢の中で聞いたあの声だったーー。『--私はロゼリア。ずっと、この時を待っていた。わたしの魂を宿した者が目覚める時を』。謎の声に導かれ、リーセリアの魂は遙か一〇〇〇年の時を遡る。或る少年が〈勇者〉となった、運命の日へ。
〈魔剣計画〉の最終段階遂行のため、フィレットの魔手に囚われたエルフィーネ。決死の救出に向かうリーセリアたちだが、時すでに遅く、〈魔剣〉の闇に堕ちた彼女は虚無の裂け目に消えてしまう。一方、六英雄の〈龍神〉を倒したレオニスの前には血気盛んな〈獣王〉が現れ、安寧の地と思われた聖剣学院にも〈竜王〉と〈海王〉が押しかける。「ここは魔王荘か!」囚われのエルフィーネを救うため、蠢動する〈第〇四戦術都市〉へ向かう第十八小隊。そして、〈不死者の魔王〉との決戦に備え、レオニスはある決意をする。 「人類よ、俺が〈魔王〉だーー!」
「どうか…私を殺してください」おいセレス、どうしてそんなことを!?おかしくなった世界を元に戻すためには、セレスが死ななきゃいけないだって?絶対に認めない。俺とジェスで、セレスが死なずに済む方法を探すんだ!王朝軍から追われる身となったセレスとの、危険だらけの逃避行。知恵を絞って追っ手をかわしながら、俺たちは伝説を頼りに「西の荒野」を目指す。「よし、まずはジェスがお姉さんになるんだ。セレスのお姉さんにな」「えええ?なぜでしょう…」美少女2人に挟まれたハムサンドな旅に、意外な助っ人が現れる。その者の真意とは。そして脅かされるセレスの一途な恋の行方はーハッピーエンドにならなかったら、この俺が絶対に許さない!
虚無の世界の秘密を解き明かすため、旧“ログナス王国”の王都ウル=シュカールの遺跡を訪れたレオニスたち。攫われたリーセリアと無事に再会をはたすものの、使徒ネファケスによって支配された“機神”-シュベルトライテが二人の前に立ちはだかる。苛烈な戦闘の最中、更なる戦乱を呼ぶがごとく、1000年前のレオニスと同じ姿をした“不死者の魔王”が乱入する。「なぜ、俺がここにいる…!?」一方、フィレットの魔手に囚われるエルフィーネ。“獣王”相手に奮闘するシャーリの残る“第〇七戦術都市”にも、それぞれの思惑を胸に各勢力が集結しようとしていたー!
私はアルヴィンの妹であり、玉座を奪われた者。衝撃の事実を告げたエンデアは、憎悪に突き動かされるまま黒の妖精剣を解放する。自分からすべてを奪った王国をその手で滅ぼすため。それは伝説時代の“魔王の降臨”を意味するものであった。アルヴィンは国民の絶望を振り払うべく“魔王”との決戦を宣言する。取り戻したエンデアの記憶。王としての覚悟。様々な想いが彼女の胸中で交錯する中、シドはある決断を下す。「悪いな、アルヴィン…俺は、騎士の掟を…初めて破る」シドと“魔王”が激突する時、伝説に終止符が打たれる。新たなる王と古き騎士の物語、ここに決着ー!
『-ああ。やっと、約束を果たしに来てくれたんだね、レオニス』エリュシオン学院を狙った“影の女王”の陰謀を蹂躙し、甦った“精霊王”を撃破したレオニス。“ヴォイド”の支配する虚無世界で、喪われた“女神”の声が彼を導く。リーセリア達と共に向かうは、勇者であった頃の故郷、旧“ログナス王国”の首都ウル=シュカール。遙か古代に滅びたはずの遺跡はしかし、レオニスの知るあの頃の姿のままだった。遺跡を徘徊する謎の敵。覚醒する八番目の“魔王”。“女神”の使徒、ネファケスが狙う、遺跡に封印されしモノの正体とはー!
最凶の魔法使いを遂に打ち倒し、王都奪還に成功してハッピーエンド!…とは、当然ならなかった。深世界との融合現象“超越臨界”によって引き起こされた混乱。崩壊寸前まで追い詰められた王朝の復興。そしてイェスマという理不尽。課題は山積みだ。そんななか、イェスマ解放の鍵となる「最初の首輪」を探す俺たちの前に、不気味で不可解な連続殺人事件が立ちはだかる。新王シュラヴィスの依頼を受け、俺とジェスは事件解明を目指すことに。「私がめいたんていになれば、結婚にも一歩近づきますね」んん???何か誤解が生じている気が…だが、名探偵になろうという心意気は素晴らしい。よし、今回もブヒっと解決してやろうじゃないか。
新しい春が訪れ、王立妖精騎士学校も新学年が始まった。アルヴィンたちも2年生に進級。後輩たちに尊敬されながら、さらに修行を重ねる日々…しかし、そんな王国に激震が走る。西の軍事大国・ドラグニール帝国が、王国に対して属国となるよう告げてきたのだ。使者として現れたのは第一皇子のウォルフ。圧倒的な武力による侵略に、動揺した王国では裏切り者が続出。さらにウォルフは…「アルヴィン、俺は貴様の秘密を知っているぞ?」王国の危機に、シドは何も答えない。今一度問われる、王としての覚悟。アルヴィンは、王国に起死回生を呼び込めるか!?
「-お待たせしました、セリアさん」帝都へ帰還し、リーセリアと再会を果たしたレオニス。“第〇八戦術都市”を襲う“ヴォイド”の群れを鏖殺し、封印を解かれた第三の眷属と戦いを繰り広げるレオニスだが、その姿はある人物の知るところとなってしまう。帝弟アレクシオスー“ヴォイド”に対抗するため、魔王の力を利用しようと目論む彼は、無謀にもレオニスとの接触を試みる。一方、レギーナの姉、シャトレスの在籍する“エリュシオン学院”では、“影の王国”の女王が暗躍をはじめていたー!
ヴェイラと共闘し、〈海王〉を倒したレオニスの前に現れたのは、死んだはずのリーセリアの父、クリスタリア公爵だった。レオニスは彼を追い詰めるが〈天空城〉の次元転移に巻き込まれ、リヴァイズ、ヴェイラと共に異世界へ飛ばされてしまう。一方、帝都に残るリーセリアは鬼教官シャーリのもと〈聖剣剣舞祭〉に向けて特訓するのだった。「レオ君はこんなに厳しくなかったわ」「あの御方はあなたに甘すぎるのです!」そしてレオニス不在の中、陰謀渦巻く聖剣士の祭典が始まるーー!
「“野蛮人”シド…かつてお前に奪われた誇りを取り戻す!」伝説時代に生きた最強の騎士が蘇った。“黒梟の騎士団”団長ー梟卿。妖精界で合宿を行う騎士学校の生徒たちを巻き込み、彼の復讐の策略が迫っていた。その合宿では、シドの生徒たちがついに真価を発揮し、他学級を圧倒する。その陰で雪辱を誓うのは、交流試合でアルヴィンに敗れたルイーゼ。彼女も騎士の誇りのために、危険な賭けに出るが…それが彼女自身を窮地に追い込む。「古き騎士の掟に『誇り』の項目はない。なぜだかわかるか?」奮闘するシドの背中に、生徒たちが見つけた答えはー!
願望が具現化するという裏側空間、深世界。王朝の始祖が遺した手掛かりをもとにその不思議な世界へと潜入した豚たちは、王都奪還の作戦を決行する。そこではなぜかジェスが巨乳に。これはいったい誰の願望…?
亜麻月天狐は、気高き亜人族『天華月国』の生まれ。剣の才覚を持ち、国を守護する武家で育った彼女はいまや、亡国の名もなき剣士。主君に仕え、魔法騎士学校に通う日々。そんな彼女はある日、一人の教官と出会った。