著者 : 鋼屋ジン
装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼
それは百年に渡って大和全土を吹き荒れる戦嵐だった。赤地に金で日輪を描いた豪奢な綿織を掲げる両陣営が天と地で争いを繰り広げ、血で血を洗い、屍山を築く。この南北朝の争乱は、今や大和全土に波及し、果てしなく意義もなく続く泥沼の大乱と化している。誰もかもが戦乱の終りを夢見ていた。無論、それは南朝軍の主将である男ー楠木家六代目当主ーも例外ではない。ある日、そんな彼の元に一領の劒冑が届けられた。見る者すべてを魅了するかのような白銀の女王蟻。それは、後の世で地獄と呼ばれる未曾有の事態への幕開けであった…。
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