著者 : 雨咲はな
神野木家の下働きのまほろは強欲な当主一家に虐げられてきた。 ある日白皙の美貌の青年・狭霧が訪れる。 神使だという狭霧は「『石』を返せ」と迫るが、当主は狼狽するばかり。 しかも身代わりとしてまほろが差し出されてしまった。 百年前、神野木家には特別な霊石が貸し出された。 返さなければ破滅だと聞き、まほろは失われた霊石を捜すことに。 二人旅の中、狭霧の不器用な優しさや新しい出会いを通してまほろの孤独は癒えていく。 人間嫌いの狭霧ともやがて心を通わせるが、旅路の果てに思いがけない真実を知ってーー。 ==登場人物== まほろ 神野木家の下働き。 強欲な当主夫妻と一人娘に虐げられ、周囲の使用人からも見下されている。 捨て子の自分を拾ってもらった恩を返すため、懸命に働いている。 狭霧 神霊界の主に仕える神使。人間嫌い。 純真すぎるまほろのことは放っておけず、つい世話を焼いてしまう。 序章 第一章 神霊界まで通りゃんせ 第二章 むすんでひらいて心が動く 第三章 かけらを探してあの町この町 第四章 記憶を失くしたあの子はだあれ 第五章 空のかなたへ別れの歌を 終章
商家の娘ラヴィは幼い頃に伯爵子息のシリルに一目惚れした。 しかし彼とは音信不通になり7年後。 王立騎士団でシリルと偶然再会したが、穏やかな性格は一変しラヴィを「知らない」と冷徹な態度。 それなら思い出してもらおうと奮闘するうちある事件に首を突っ込み…… 「まったく君って人は」とため息をつかれたうえ 「君から目が離せない」と迫られ!? 猪突猛進娘と本当は世話焼き騎士の、振り回されるのはどっち!? ラブコメ! プロローグ 第一章 初恋、交流、それから別離 第二章 再会、断絶、くすぶる恋情 第三章 逃亡、追走、その後の急転 第四章 過去、現在、見えない未来 第五章 仮面、表裏、明日への希望 エピローグ 番外編 陽だまりの中で あとがき
両親を亡くした小萩は、幽霊が見えるせいで養父母から虐げられてきた。しまいには呪われていると噂の南条家に嫁げと命じられる。 明らかに「何か」の気配がする屋敷で、不安な日々を過ごす小萩。しかし、夫・司朗の不器用な優しさに触れ、孤独な心が満たされていく。互いが望んだ婚姻ではないが、少しずつ歩み寄りたい。そう思っていたある日、司朗が倒れてしまう。動転する小萩の前に、三人の幽霊が現れた。「司朗を死なせたくないなら協力しろ」と彼らに迫られて、小萩は司朗のために「呪い」を解くことを決意しーー。 ==人物紹介== 小萩 (こはぎ) 純真でがんばり屋。 幽霊を見ることができる。 司朗 (しろう) 南条本家の生き残り。 植物学者で、研究第一。 美音子 (みねこ) 南条家に住み着く幽霊。 華族令嬢として育った少女。 陸 (ろく) 南条家に住み着く幽霊。 母を亡くした幼い少年。 新之輔 (しんのすけ) 南条家に住み着く幽霊。 女性の扱いに慣れた軍人。 目次 序章 第一章 嫁入り 第二章 育むもの 第三章 奔走する新妻 第四章 南条の呪い 第五章 若夫婦の共闘 終章 あとがき
スパニア国宮廷内の「黒塔」に囚われた少女、ティコ。彼女は、不老不死の術を知るとされる大魔術師の弟子ではないかと疑いをかけられていた。第三王子の側近であるグレンは、疑惑を頑なに否定するティコを懐柔し、真相を明らかにするよう命じられる。怯えるティコに、グレンは目的を隠し真摯な態度で接する。ティコもその手を取ったーように見えたが、彼女にも疑いの目をかわして黒塔にとどまる理由があった。攻防を繰り返しつつも距離を縮める二人。しかし、次第に宮廷の強大な闇に巻き込まれていきー。
戦国の折、ある島に一人の少女が流れ着く。声と記憶を失った彼女は島の頭領・千早に「ひな」と名付けられ暫し島で暮らすことに。余所者を警戒する千早に対し、ひなは迷惑をかけまいと掃除や料理に励むも失敗ばかり。けれど、唯一得意だった縫物の才が島の人達に認められ、少しずつ自立していく。そんな直向きなひなの気心は次第に千早にも変化を与え、ひなも時折垣間見る彼の優しさに心惹かれていった。だが、彼女の出自には重大な秘密があって…?すべてを失った少女が、本当の居場所を見つける戦国恋物語。