著者 : 雪川轍
「祭りでは、アーガスト各地の料理が集うわよ」「何だって!?料理って、どんな?」「ええっと…骨付き肉とか、わた菓子とか、ソーセージとか…?」「それみんなウマいのかっっ!?」食べ物の話をした途端、ラスティの目がキラキラと輝きだした。しかし彼にも食べる以外、気になっている事柄はあった、それはー英雄となるには何をすべきか、どうすればいいのかわからなかった自分に『大切な誰かを守る』という強い想いをわからせてくれた、リーエル達の存在。皆を守るため、最強の英雄になる為に成すべきこととはー?やせいの英雄が、またしても大暴れ!!
「見てくれ!これ旨いんだ!!」ラスティが嬉しそうに掲げたのは、焚火で香ばしく炙った骨付き肉。が、それを見たリーエル王女の眉間には皺が…「…王宮の中庭でっ!なんで、そんな物騒なもの焼いたりしてるのよっ!?」ここは世界有数の大国、アーガスト王国。そして、中庭で焼かれていたのはなんと、巨大なドラゴン(!)だった。-この世界には地図に載っていない『外側』と呼ばれる、凶悪な魔物達が跋扈する未開の地がある。そんな所で自由に育ったラスティに、なんと王宮で王女達に魔物指南をして欲しいと依頼が来たのだ!しかし教えるどころか、彼にとって王宮のある『内側』は何もかも目新しい世界で…!?最強無自覚やせいじの王国ライフが始まった!
六天はガラスに映る己の姿に小さく溜留をついた。黒のワンピースに真っ白なフリル付きエプロン。とどめのヘッドドレスー紛う事なきメイド姿だった。勇者との戦いで無茶をした六天は、罰としてメイド姿で過ごすよう命令されていた。嫌がってはみたものの、すっかり馴染んだその姿ーしかし、その戦いで彼は巴達を“守る”こともまた改めて強く意識し直していた。そんな矢先、六天たちの住む街へ敵の急襲があった。都を守る上位術者さえ蹴散らすその者の正体とはー!?六天に迫る戦いへの決意と辛い決断。彼は愛する者たちを、その手で守ることが出来るのか!!
黄色いレインコートを羽織って、久々の休日に出かけようとする六道六天はご機嫌だった。しかし、「こんな雨の中、出かけるヤツの気が知れない」と女性陣には不評だ。普段「女の子」と周囲に思われているせいか、時折何も気にせず「男の子」として楽しみたいーそんなことを思う六天の外出先は、この前発見された「遺跡の探索」だった。しかし、軽い気持ちで探索に訪れたそこで、隠されるように封印されていた一人の少女と出会う!それは、出会ってはいけない“運命”だったのかー!?大いなる魔力と魔力が、魔法世界でクロスする!
「…ぼ、ボクは…ボクは男だああああああーーーーーーッッッッ!!」六道六天の魂の叫び。たとえその姿が、大きな瞳にサラサラの長い髪、啄みたくなる唇に、ぎゅっと抱きしめたいような小柄な少女ーだったとしてもーだ。一人に一つだけ発現する『魔法』。幼くして大きな魔力を発し死にかけた六天は、力を『封印』することで九死に一生を得た。しかし、その代償でなんと体が女の子になってしまったのだった!元に戻るには解除魔法を施して貰わねばならないが、それを叶えるにも様々な問題や苦難が待ち受けていてー!?第6回GA文庫大賞奨励賞受賞作魔力全開で刊行だ!