著者 : 高村透
失敗ばかりでクビを恐れながら銀行に勤める青年カズマ。内気ではあるが、一般的な銀行員の常識にとらわれない、ユニークで人間味豊かな男だ。幼い娘の口座をつくりに来た母親、遺産相続を巡って争う姉妹…。カズマのもとには、金にまつわる悩みを抱えた人々が次々と訪れる。「営業ノルマとか、本社の指示とか、他銀行との競合とか、お客には関係ないじゃないか」カズマはそうつぶやきながら、金銭じゃ買えない温かな幸せを、穏やかな笑顔とともにお客たちに与えつづける。
普通の女子高生というのは、絶滅してしまったのかもしれない。部活動として、都道府県で戦争をするーそんな戦争学部に所属する女子高生たちの熱くコミカルな青春!!
革命勢力「黄金の地平」の一員である少年ビスカラは、クロバンス王国を変えるために、命を省みず戦っていた。美しき指導者ラスカリナ、有能な同胞ベルナレット、頼りになる部下トルエノ、キネット・キトルなど…多くの少女たちとともに。理想、そして夢のために、少年少女たちは時代を走り抜ける。のちの歴史家は言う。「ビスカラは英雄だ」と。しかし、若きビスカラの前に広がっているのは、普通の人間では耐えられないような血塗られた道だったー。
心休まる洒落た雰囲気の紅茶専門店マチノワでは、女の姿に化けた狐が紅茶を出してくれるというー。実は彼女、紅茶を淹れるのが苦手。客に紅茶を淹れるのは、もっぱら尼子拓巳という青年の役割だった。そんな店を訪れるのは、悩みやトラブルを抱えた客ばかり。お節介焼きの狐と、そんな彼女に呆れつつもフォローする拓巳なのだが…。これは、人を騙すことがきわめて下手な狐と、人を騙して生きてきた詐欺師との、嘘と紅茶にまつわる物語である。
地方のなんでもない町に生まれた少女、尾崎愛。人見知りで口下手なため、不遇な学生生活を送りながらも、作家になることを夢見て、家族の反対を押し切り、上京する。東京で暮らし始めた彼女は、愛を求め、波瀾万丈の人生を経験することになる。愛って何処にあるんだろう?愛って何だろう?