著者 : 高松良次
始まりは、何枚かの衛星写真だった。 トーパ王国より北、不毛の地と思われたグラメウス大陸に、 謎の詳細不明地域と文明らしき火の痕跡が発見された。 日本政府は研究員を派遣する前の事前調査として、 新型輸送機『C-2』による陸上自衛隊の グラメウス大陸先遣調査隊の派遣を決定する。 パーパルディア皇国戦の真っ只中で準備は着々と進み、 伊丹駐屯地所属の岡真司三等陸曹も 先遣調査隊として『C-2』に乗り込んだ。 だがグラメウス大陸上空を飛行中、 運悪く大規模な磁気嵐が『C-2』を直撃、墜落する。 機体が落ちた先は、魔獣の脅威に晒される王国だった。 ただ1人生き残った岡は、自らの運命に立ち向かうーー
世界の王者 対 西方の覇者 非戦闘員である海上保安庁の職員を手にかけたグラ・バルカス帝国。 日本国内では報復への世論が高まり、政府もこれを無視できず、 グラ・バルカス帝国を鎮圧する方策が舞台裏で検討される。 一方、直接的な攻撃を受けた神聖ミリシアル帝国は、 中央世界、第二文明圏の有力国の軍を結集した 『世界連合軍』を率いて、レイフォル沖へ向かう。 対するグラ・バルカス帝国は、東方艦隊空母機動部隊を展開し、 世界連合艦隊を迎え撃つ。 数で勝る世界連合艦隊を相手に、高性能な兵器と 優れた戦術で圧倒するグラ・バルカス帝国東方艦隊。 カルトアルパス沖海戦の再現になるかと思われたが……。 古代魔導文明が生み出した、恐るべき兵器が姿を現すーー
それは、北の果てより現れた。 日本が転移してくる遥か昔、ラヴァーナル帝国という 光翼人たちの国が世界を支配していた。 不遜にも神に弓を引いた彼らは、神から天罰の隕石を落とされそうになり、 滅亡から逃れるために未来へと転移する。 光翼人たちによる恐怖の支配から解放された人類は、 ひとときの平和を謳歌していた。 しかし、突如グラメウス大陸から『魔王』なる存在が、 魔物と魔獣の軍勢を引き連れて現れた。 人類は種族の垣根を超えて結束し応戦するも、 ついにエルフの聖地・ロデニウス大陸の神森まで後退を余儀なくされる。 人類が神にすがったとき、現れたのはーー (c)2018みのろう・高松良次/ポニーキャニオン