著者 : Riv
虚構の在処が暴かれし時、鉄槌を下されるのはーー 賢神リーナが仕込んだ結界の効果により、遂に大切な人たちとの絆を取り戻すことが出来たリオ。皆と喜びを分かち合う中、彼は美春に憑依したリーナから重要な助言を授けられる。しかしそれはリオにとっては到底受け入れられるものではなかった。 一方、レストラシオンの先行きに苦悩するユグノー公爵は英雄となったリオを何とか自陣営に引き込もうと画策するがーー 「……貴様など、生まれなければよかったのだ」 浅慮と驕りから竜の逆鱗に触れた愚か者たち、その末路とは。
私達はきっと、あの人を知っているーー。 セントステラの勇者である千堂貴久が出奔し、死線を超えた夜。 貧民街から上がる煉獄の炎を呆然と見つめていたガルアーク王城の面々のもとに、突如として投下されたのはレイスが差し向けた神造兵器のゴーレムだった!! その圧倒的な戦闘能力にアイシア以外はまるで歯が立たず、焦り恐怖する一同。だがその場において平然とする少女がひとりーー 「さあ、分岐した未来の帳尻を合わせるわよ」 微笑む彼女の導きにより忘れられた英雄が今、戦場へ帰還する!!
少年は堕ちていく。その身を業火に焼かれながらーー ソラと共に聖都トネリコで迷宮探索や情報収集を続けるリオ。 膨大な魔物との戦闘を終え地上へと戻った二人に声を掛けてきたのは、白い法衣を纏った幼い子供だった。自らをエルと名乗り、露骨に距離を詰めてくるその子供の真の目的とは? 一方、ガルアーク王城より失踪した勇者・千堂貴久は娼館街へと迷い込んだ挙句、娼婦の少女から客になるよう迫られていた。 「え、へへ……。あり、がとう。私の、勇、者さま……」 無謀な逃亡の果てに待ち受ける過酷な運命、その結末はーー。
超越者のルールを覆す手掛かりを求め、ソラと共に旅立ったリオ。彼が最初に目指したのは聖女エリカが召喚された場所だった。聖女の足跡を辿る中、リオは勇者の力について考察を深めていく。一方、ガルアーク王国城に集った四人の勇者たちの中で千堂貴久だけが自己鍛錬の機会も断り、孤立の道を進んでいた。そんな貴久の関心事項はただ一つー綾瀬美春との関係修復のみ。「亜紀は…いいよな。もう美春に許してもらっているんだから」少女に恋焦がれた少年の行動は、やがて世界すらも歪め始める!!
無慈悲な神のルールという制限下、リスクを負ってでも大切な人たちの窮地を救うべく武力介入を決めたリオ。己が眷属であるソラ以外の誰もがリオのことを覚えていない筈の状況で、しかし、彼女は確かに口にしたー「リオ」と。一方、ガルアーク王国で暮らす美春たちの下に現れた人物は…「やあ…また会えたね、美春」七賢神リーナが遺した仕掛けが廻り始める中、恋心を燻ぶらせる炎の勇者の予期せぬ来訪がもたらすものとは…?
神の定めし残酷なルールにより、超越者となってしまったことで大切な人たちの記憶から消えてしまったリオ。聖女エリカの最期を見届けた彼は、打開策を求めて同じく忘れられてしまったアイシアと共に状況把握へと乗り出す。一方、リオたちを忘れてしまった人々は突如自身に降りかかった不可解な現象に言い知れぬもどかしさを覚えてー「ねえ…、あそこで戦っていたのは、いったい誰?」千年以上前から続く運命の楔は、新たな戦火を呼び起こす…!!
聖女を名乗る六人目の勇者エリカの手によって、ガルアーク王国の公爵令嬢リーゼロッテ=クレティアが拉致された。国王の承認を得てリーゼロッテ奪還に乗り出したリオは、彼女の筆頭侍女であるアリアと共に聖女の追跡を開始する。一方、囚われの身となったリーゼロッテは聖女を国家元首に戴く辺境の小国“神聖エリカ民主共和国”の現状を目にしー…「貴方は誰に復讐したいのですか?」聖女の瞳に灯る熱はやがて業火となり、世界を包み込んでいく!!
その日、シュトラール地方の辺境でひとつの国が滅んだ。民衆を革命へと導いたのは、聖女エリカを名乗る黒髪の女性。新生国家の初代元首となった彼女は、休む間もなく列強諸国へと自ら足を運ぶーすべては、己の悲願を達成するために。「貴様、ただの道化ではないな。もっと質が悪い魔女の類いか」「私はただ弱者が存在しない世界を作り上げたいだけです」一方、リオは復讐を終えた報告をすべく、ヤグモ地方への帰郷を決めるが、その途中で思いもよらぬ人々と再会することに…!?
復讐を遂げた騎士は、帰りたい場所へ辿り着くーー ルビア王国での予期せぬ強襲から離脱し、無事にベルトラム王女姉妹をガルアーク王国城へと送り届けたリオ。 一連の不穏な動きについて国家間での情報共有が進む中、リオは度重なる功績の褒賞として、ガルアーク王城内にある屋敷を下賜されることに! さらに好意を隠そうとしないガルアークの王女シャルロットが、リオに猛烈なアプローチを仕掛けーー 「二人はハルト様と婚姻を結ぶ気はありますか?」 死闘を終えた騎士の休日に、少女たちの恋心が大きく揺れ動く!
勇者坂田とリーゼロッテ、まさかのお見合い!? ーーかくして、積年の復讐は果たされた。ルシウスを自らの手で屠ったリオは、誘拐されていた王女姉妹の保護を決めるが、そこに待ったを掛ける人物が一人。 「俺はそこの王女二人よりも貴公が欲しい」意外な人物による勧誘に対して、リオが下した決断とは?一方、婚約者であるフローラが消息を絶ったことで、勇者坂田は以前から気に入っていたリーゼロッテを自らの第三夫人にと望み、結果として国を巻き込んだ見合いの席が設けられることにーー!?
かくして因果は収束しーー復讐の旅路は終局を迎える。 プロキシア帝国城にて、初代皇帝を名乗る男から仇敵ルシウスの行方に関する情報を入手したリオ。ルシウスとの決着の刻を間近に予感しながら、リオは進路をパラディア王国へと向ける。一方その頃、ロダニアの客船からクリスティーナとフローラーー二人の王女が誘拐されていた。彼女たちが強制転移させられた先とは、奇しくもパラディア王国の森の中。幾重にも仕組まれた罠に絡め取られた王女たちの前に現れるのは、救いの手か、それとも無慈悲な刃か……。
ーそして、二人の関係は。 遂に公の場で、前世由来のアマカワ姓を名乗ると決めたリオ。 その姓に沙月やリーゼロッテが強く反応を示す中、美春は幼馴染である天川春人がリオの前世であることも理解した上で、自分の気持ちは変わらないと訴える。 それに対してリオは、自分と天川春人を同一視するべきではないと美春を諭すがーー「美春は騙されている。なんとか、なんとかしないと……」 第三者による介入で、話は更に複雑化していき……!? WEB版とは異なる展開から目が離せない《夜会編》、最高潮へ!
追憶の彼方を歩む少年に、少女たちの選択はーー 奇しくも追い続けてきた宿敵と死闘を繰り広げることとなった大都市アマンドにて、遂に美春たちが捜す人物のひとり・皇沙月の情報を入手したリオ。折りよくリーゼロッテら貴族から、今までの功績に対する褒美の内容を求められていたリオは、勇者として召喚されたらしい沙月が出席するという夜会への参加を褒美として要求し、美春たちの待つ精霊の里へと帰還を果たす。一方、夢を通してリオが春人なのではないかという疑念を抱いた美春は、悩んだ末にとある人物へと話を持ち掛けるがーー。
表舞台へ上がった少年に、出会いの連鎖は加速する! レイスが操る魔物の大群に襲われていたリーゼロッテたちの一団を発見し、その戦闘へと加勢したリオ。圧倒的な力でもって次々と魔物を屠ってみせた彼に対し、その場に居た誰もが強い興味と関心を示す。 またリオも更なる勇者召喚の情報を求め、貴族たる彼らと友好的な関係を築こうと動き出すがーー 「どうだ? 俺はお前にとって、お望みの人間だったか?」「……ああ、ずっと探していた」その過程でリオは、追い続けてきた憎き男との邂逅を果たす!!