著者 : THORES柴本
霊障による腹痛に苛む「腹痛さん」こと邪祓師の卜部と、その助手かなめ。 二人が待つ心霊解決センターには、他所で匙を投げられた陰湿で難解な依頼が日々持ち込まれる。 離婚調停中の妻の霊に悩むサラリーマン、勤務先のプールで体内に何かを孕んでしまったスイミングスクール講師、奇怪な因習を抱える老舗旅館。 深い人間の業と欲、そこに渦巻く邪悪なモノを祓うため、卜部とかなめは深淵へと突き進む。 死角なきホラーエンタメ小説、ここに開幕!
獣を祀る奥見島には、獣の耳と強靭な肉体をもつ一族が暮らしている。彼らは明日何の帝に恭順の意を示しつつ、一方で自治を認められた特殊な存在だった。その強さを認められ「獣の宮の巫女」に選ばれた奥見族の娘・なぎは、流刑に処された明日何の姫と出会う。-が、実はこの姫、「迅」には大きな秘密が…。都の戦禍が島を蝕み始める。少女たちは、もう子供ではいられない。血湧き肉躍る和風ファンタジー!
王立探偵は、王家の利益を図り不始末を揉み消す、王家お抱えの探偵。たとえ逃がしたペットの捜索でも、愛人との別れ話でも…。その仕事のひとつに、呪いとも言える不思議な力を持ち“過ちの魔物”と呼ばれる物具を調査することがある。紫ずくめのインチキ魔術師のような恰好をした王立探偵シオンは、助手の少女ラナと共に、血の涙を流す肖像画を調べるため地方の伯爵家に向かったが?
戦時中ラジオで暗躍した女性「東京ローズ」。元GHQ職員から探偵・榎木津に依頼された東京ローズ捜しはやがてバラバラ殺人と交錯。手がかりは声。人の記憶を視る榎木津の目が届かない薔薇の潜みに存するのは誰か?
「潮時、か」田中庸は電車の中で独りごちた。出版社で働き始めて6年目。大御所作家を怒らせ、スランプ中の若き女流作家・些々浦空野に担当替えとなったのだ。一度は編集者としての未来に見切りをつけようとした庸だが、空野のデビュー作に衝撃を受け、新作企画を持ちかける。しかし空野は“書いたことが現実になるため執筆できない”と言い出して…。そんなある日、庸は空野が描いた物語をなぞるように、奇妙な事件に巻き込まれる。若き小説家をめぐるビブリオ・ファンタジー、開幕!
昭和八年、神戸で行われた『国際文学大会』に出席していた露西亜人二人が失踪した。一人は、家宝のヴァイオリンを持って来日した演奏家アレクセイ・クラーギン。もう一人は満洲から来た小説家ウラジーミル・マカロフだった。事件に巻き込まれた書生の庄野隼人は、クラーギンの友人でもある美貌の伯爵令息・小須賀光に助けを求める。事件は、国際的陰謀に発展。小須賀自身の秘密も明らかに!
戦前に沈んだ謎多き難破船の回収品調査のため、豪華客船に乗り込んだ鷹栖晶と相棒の音井、そして森木。調査開始早々悪魔の気配を感じ、回収品がかつて日本に存在した悪魔研究機関・ファウスト機関が密かに日本に持ちこもうとしていたものだったことを知る。奇しくもバチカン、WMUA、そして秘密結社が船上に集結、ファウスト機関の遺品を巡り、三つ巴の抗争が勃発した。そして明らかにされていく回収品の秘密。「晶。僕はまだ君のことが好きだ」音井を尻目に、悪魔交渉人・晶の最後の事件が幕を開ける。
暗雲広がる昭和初期。京都の名門・三高に通う庄野隼人は、高校の大規模軍事演習に参加していた。そこで、拷問と思しき傷を負った男を助け、学友たちと匿うことになる。その一方で、庄野は先輩の死の謎を追うなか、美しいが不吉な影をまとう女給・早苗と知り合う。彼女の周囲に起きる連続変死の謎を探るうち、庄野にも危機が訪れ!?世話係の庄野を守るため、探偵・小須賀光がついに動き始めた!!
書生として働きながら京都の名門・三高に通いながら庄野隼人は、主の中村重吉翁のお供で、京都でも指折りの名家・大谷家の「桜を見る会」に参加する。それは大谷家のふたりの令嬢のうちのひとり、桜子の婚約披露の場でもあった。だが、めでたく華やぐはずの会は悲劇の始まりだったー。招待客としてその場に居合わせた伯爵家御曹司で人気作家・小須賀光とともに庄野は悲劇の真相を探るのだが!?
昭和初期、京都。三高に通いながら中村紡績商会社長邸に書生として住み込む庄野隼人は、社長直々に高倉伯爵家の次男で作家の小須賀光を紹介される。美貌で華族らしい気品を漂わせる小須賀に感嘆したのも束の間、庄野は小須賀の類を見ない毒舌に絶句する。庄野は小須賀に助手を命じられ、謎の失踪を遂げた鹿嶋子爵秘書の行方を追う羽目に。失踪の裏にある秘密に華族探偵と書生助手が迫る!
人工知能TISSが社会、交通機関、人々の生活や思考までも管理している世界。だがコンピュータのエラーが起こり、高校生の冬と幼なじみの遼那は命を落としかける。二人を救ったのは球体関節人形の少女だった。その後も原因不明の航空機事故が相次ぎ、警察が捜査していたがー。
横浜の外れに佇む寂れた美術館に勤める怠惰な学芸員・鷹栖晶には、もうひとつの顔がある。それは悪魔を視認できる唯一の人間として、彼らと交渉し悪魔にまつわる事件を調停すること。悪魔交渉人として、ある幽霊マンションの調査を託された晶は、相棒である人間の肉体を着た悪魔・音井、晶の健康管理を担当する森木と3人で現地へ向かう。そこは、悪魔の罠が張り巡らされた違法建築マンションだった。内部で出会った哀れな配達員や五得会の霊能者と共に、悪魔が仕掛ける「脱出ゲーム」に挑む晶だがー。
横浜の外れに佇むWMUA・NITTOH美術館。ここで働く怠惰な学芸員・鷹栖晶のもうひとつの仕事は、悪魔を視認できる唯一の人間として、人の肉体を着た悪魔・音井を相棒に、悪魔と交渉すること。横浜をあげてのアートプロジェクトのための会議で、晶は植物と建築の共生を謳う建築家・新田と出会う。彼からは仄かに悪魔の気配がした。晶を気に入った新田は秘密を囁くー「僕は爆弾魔に狙われている」と。その言葉どおり、爆破事件が連続して起こっていた。爆弾の破片さえ見つからないという奇妙な事件が…。
少年が開いた扉は、何故だかアクセサリー店へと繋がっていた。来た道を思い出せない少年の前に現れたのは、無神経で無愛想、おまけに生活能力ゼロの店主。その傍らには、喋る狼が!?訪れる客も、風変りな者ばかり。店主に店の所在地を訊ねても、飄飄とした的外れな答えしか得られない。「迷子、おまえがどこから来たのか当ててやろう」…すべてが不合理な中、奇妙なゲームが始まった!
横浜の外れに佇む寂れた建物、WMUA・NITTOH美術館。ここに勤める怠惰な学芸員・鷹栖晶には、もうひとつの顔があった。それは、存在証明不可能生命体ー通称・悪魔を視認できる唯一の人間であること。そのため晶は、エジプトで事故死した親友・音井遊江の肉体に憑依した謎の悪魔と不本意ながらコンビを組み、他の悪魔と交渉して彼らにまつわる事件を解決する任務を負っていた。ある日、美術館に持ち込まれた謎の壺の調査を続けるうち、晶と遊江は、『F機関』を巡る陰謀に巻き込まれるー。
爆発的に増え広がった吸血種たちに対抗するため人類が“人類再生教団”を結成してから約百年。鳴海諒は幼い頃に両親を惨殺され、仲間たちと吸血種に飼われていた。ようやく生きながらえることができた鳴海は生涯をかけて吸血種への復讐を誓う。やがて彼は第七十六使徒先遣隊の第四教僕隊の特攻隊長として吸血種を手にかけることを生き甲斐としていたが、激戦の果てに命を堕とす。しかし数日後。死んだはずの鳴海は復活した。あろうことか宿敵・吸血種の手によって…。吸血衝動に苦しめられながら鳴海は闘う。「我、狼を狩る狼たらん」権謀術数蠢くこの最果ての東で、今宵も月が赤く囁くー。
1915年、罹患者が発熱し血液を欲するという奇病が爆発的に流行した。死をまぬがれた五億五千万人は快復せず、自傷したり他者を傷つけてまで血を啜ろうとするその存在を、人々は畏怖を込めて“吸血種”と呼んだ。吸血種と戦うため、人類は人類再生教団を結成、徐々にその力で人類側を勝利に導いた。それから約百年。第七十六使徒先遣隊の第四教僕隊としてリアン・ハートは“最果ての東”と呼ばれる地に降り立つ。世界の治安は人類再生教団によってもたらされるべし、と希望に燃えるリアンだったが、この街は人間と吸血種が共存する退廃的な都市だった。人が敵なのか、吸血種が敵なのか!?権謀術数蠢くこの最果ての東で、今宵も月が赤く囁くー。
「さあ…おはようの時間だ、坊や!」ダンテの声に、ネロは目覚めた。フォルトゥナの上空に屹立する、“神”の体内でー。ついにその野望を露わにした魔剣教団、そして教皇サンクトゥス。巨大な人型兵器、“神”を起動する鍵としてその体内に囚われたネロとキリエを救い出すべく、デビルハンター・ダンテは、悪魔を蹴散らしながら疾駆する!全世界を魅了した大人気ゲーム、シリーズ最新作の完全ノベライズ、第2巻登場。
城塞都市フォルトゥナ。そこで信仰される魔剣教団の若き教団騎士ネロは、ずば抜けた実力を持ちながら、その孤高の性格ゆえに周囲から疎んじられていた。任務をこなしながらも鬱屈とした日々を送っていたネロだったが、ある日教団の教皇が暗殺されるという事件が起こる。犯人は、深紅のコートに身を包んだ銀髪の男。ネロは男を追跡するがー。全世界でヒットした超人気ゲームシリーズの最新作が、待望の小説版で登場。