八男って、それはないでしょう! 19
魔族の国を発見した巨大魔導飛行船リンガイアが消息を絶ち、西方海域に魔族の国の魔導飛行船艦隊が現れたことに端を発したヴェルたちの遠征だったが……事は膠着していた。
だがヴェルは、戦うでも交渉が進むでもない状況よりも、港町にもかかわらず新鮮な魚が手に入らない現状に嘆いていた。大勢押しかけた軍人により、独占されていたのだ。
ならば自分たちで釣ればいい。こうしてしばらくの間、ヴェル達は釣りとバウマイスター伯爵領での土木工事と、一体何をしに遠征したのかが疑問になるような生活を続けるのであった……。
漁場で遭遇するアーネストの教え子たち! 魔族のマスコミからまさかの取材!? そしてついに『魔王』と接触するヴェル一行! 新たな舞台、魔族の国に至る第十九幕!
関連ラノベ
結婚式に参加がてら、王都観光だったはずが…。無事王都へと到着し、さっそく兄の家へ向かおうとしたヴェンデリンだったが、急遽城に招かれ王と謁見することに。そして一挙に富と地位と名声を手にした彼は、なかば強制的に竜退治へ駆り出されるのだった…。 2014/07/25 発売
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クルト最後の悪あがきが襲いかかる。それは、辺境と王都、それぞれにおける兄弟喧嘩の終焉を告げる引き金となった。 蜂の巣をつついたような騒ぎとなった王都を横目に、ヴェンデリンたちによる未来の伯爵領開拓はスムーズに進む。しかも、ローデリヒの手腕によって、ヴェンデリンの開発無双は真価を発揮。恐ろしいスピードで未開の地が開けていくのだった。 順調すぎる開発と、さらに高まる地位と名声が、民と人材、そして、新たな火種を呼び寄せる!? 泥沼を脱し、開拓で脳汁弾けるヴェンデリン! 柵の中なりのフリーダム、第五幕の登場! 2015/06/23 発売
突如ヴェンデリンたちの前に現れた、『暴風』と称される縦ロールが特徴の色々と残念な娘カタリーナ。ヴェンデリンは、獲物の価値の総額が大きい方の勝ち、という勝負を彼女から持ちかけられ、折れるかたちでそれをのんだ。無論結果は明白だったが、売り言葉に買い言葉、ルイーゼやイーナたちとも競うことになるのだった。その最中に、ヴェンデリンは、過去の自分と似たような境遇にある彼女に、シンパシーを感じてしまい…。没落貴族にしてエリート冒険者、ツンデレ令嬢カタリーナが嵐を巻き起こす!はたして、カタリーナのお家復興なるか!? 2015/09/25 発売
『暴風』カタリーナ、『謀臣』クラウスの件が片付いた矢先、ブライヒレーダー辺境伯家とブロワ辺境伯家との間で紛争が勃発した。 それは南部と東部の百を超える貴族家を巻き込む大変な事態となるが、ヴェンデリンは領地の開発を優先するためにこれを静観。 そんな中、病床のブロワ辺境伯が、娘カルラを非公式にバウマイスター伯爵領に送り込んできた。怪しみながらもカルラとの交流が始まるが……なんと、エルがカルラにどんどん惹かれていってしまう! そして紛争は予想以上に長引き、バウマイスター伯爵領への人と物の交通網に多大なダメージを与える。領地開発に遅れが生じ、やがてヴェルも激怒に至るのだが……。 いや、そんなことよりもエルだ! エルの恋路に目が当て……目が離せない、第七幕の登場! 2015/12/22 発売
ブロワ辺境伯家との和解金を巡る攻防を、ヘルタニア渓谷の譲渡というかたちで脱したヴェンデリン。 無事にヘルタニア渓谷を攻略するまではよかったが、そのあとのカルラの「婚約者紹介」が、カルラに恋する「騎士」エルの精神に致命的・壊滅的・圧倒的なダメージを与えた。 満身創痍のエルの精神を癒すために、効果があるとされる魔法を試みる心優しきヴェルたち。だが、エリーゼの秘魔法をもってしても、エルを癒すことは叶わなかった。 そして「カルラとの蜜月の日々」という哀しい妄想に逃走したエルが、いまだ現実世界に帰還せぬまま、「大お見合い会」が開催されることとなるのだった。 一方、ようやく婚約者五人との結婚に漕ぎ着けたヴェンデリンは、連日に渡る式の大変さに閉口。その上、隣国アーカート神聖帝国でクーデターの気配が……!? エルの心の回復から始まる、逃走と闘争の新章開幕! 2016/04/22 発売
アーカート神聖帝国で起こったクーデターに巻き込まれたヴェルは、首都バルデッシュを脱し、フィリップ公爵領を目指して馬車を走らせる。 そんな中、途中立ち寄ったミズホ伯国で「和」の文化がヴェルを待ち受けていた。 「き、来たぁー! 日本的文化来たぁー!」 西洋風ファンタジーな世界に、日本風の文化を持つ国家があったことに感激し、ヴェル一行はこれを満喫する。 大満足なまま帰りたい、戦いに協力するなど真っ平御免なヴェルは、フィリップ公爵領到着後、なんとかしてヘルムート王国へ帰る手立てを探すのだが……。 『可能な限り、ヘルムート王国の利となるように動くべし』 という王国からのお達しがあり、計画は見事に瓦解。意気消沈のまま戦場へと赴くヴェル一行を、まさかの脅威が待ち受けているのだったーー。 2016/08/25 発売
師であるアルフレッドとの戦いで、引き分けに持ち込むことが精一杯だったヴェルは、その脅威を実感し対策を急ぐ。一方、テレーゼとニュルンベルク公爵による最初の決戦の行方は、双方共に決定打を与えることができず、痛み分けとなった。 来る帝都での戦に向け、両陣営仕切りなおしの合間、ヴェルたちはかつての重要拠点サーカットの町を落とし、そこを拠点とする。しかし、なぜか人様の国で開発三昧の日々を過ごすはめになるのだった。 そして迎えるアルフレッドとの再戦。ヴェルはアルフレッドの身体がターラントであることを利用した戦略で有利に進めるが、当然一筋縄ではいかず……。 2017/02/25 発売
帰るに帰れなかった内乱騒ぎが、ニュルンベルク公爵の敗北よってようやく沈静化するに至った。いまだ反抗的な一部の領民や家臣相手にペーターが奔走する反面、ヴェルは買ったウナギを焼いて食べるなどして、いつもの日常を取り戻していた。 だが、彼の人生において、平和な時期はそう長く続かない。あとは褒美を貰って帰るだけのヴェルに思わぬ「お土産」が引き渡されたのだ。 お土産は、フィリーネという銀髪の少女。なんでもブライヒレーダー辺境伯の隠し子だという。ようやく内乱が終わったのに、また面倒な話が舞い込んできなと肩を落とすヴェルなのであった……。 ところがどっこい、そんなフィリーネと妻たちにメイド服を着させて悦に浸ったり、生かしておいた魔族アーネストとの遺跡探索など、相変わらずの八男節! 心機一転の第十一幕! 2017/06/24 発売
リーグ大山脈を貫く縦貫トンネルの出口は、ド田舎であった。 昔のバウマイスター騎士爵領よりも貧しく見えるオイレンベルク騎士爵領に、得も言われぬ驚きを覚えつつも、トンネルの運営への協力を求める話を進めるヴェル。 だが、領民たちと一緒に畑を耕しながらささやかに仲良く暮らす彼らには荷が重かったらしく、領主側は全力で権利の譲渡を申し出てくる。 これにより、少々面倒ではあるもののヴェルとブライヒレーダー辺境伯家、王国の三者で管理運営するという流れに話はまとまった。しかし……。 「親父! 兄貴! 正気か! オイレンベルク家大躍進のチャンスなのに……!」 突如現れた領主の娘カチヤによって、根底を覆されるはめに。 毎度のことながら、ヴェルの心労が尽きない。さらなる面倒ごとに巻き込まれる予感の第12弾! 2017/12/25 発売
トンネル騒動が落ち着き、ヴェルと妻となったカチヤとの結婚式がオイレンベルク領で挙げられた。ところが、結婚式はマロイモや特産品を使った料理が並び、物産展の様相を呈していた。 一方、新婚旅行に至っては、魔の森で狩りをしているだけにしか映らないものの、つつながく行事として消化されていった。 だが、予期せぬ地雷が眠っていた。 不運が重なって連絡が届かず、式の存在すら知らなかったカチヤの師、リサがお冠なのだ。式がどうこうではなく、ただ先を越されたのが腹立たしいのだという。 そんなリサから近々会いに行くという手紙を受け取ったカチヤは、不安な夜を過ごすはめになるのだった……。 テレーゼに魔法の才能!? それがなぜかリサとの決闘に発展! 大幅加筆と書き下ろし短編で送るドタバタの第十三弾! 2018/04/25 発売
癖のある魔法使いリサが身内となり、賑やかさを増すバウマイスター伯爵家。 そんなすったもんだの日々を挟み、エルとハルカの結婚式がいよいよ明日へと迫っていた。 だが、和風な式場と和やかな雰囲気の中にあって、ただ一人殺気を帯びる者がいた。ハルカの兄、タケオミである。 限られた時間の中、彼は彼なりに思案を巡らせ、なんとか結婚を阻止できないかと足掻くのだが……。 一方、ヴェルは王都にある冒険者予備校の臨時講師を任されることとなった。 適任かどうかに疑問を持ちつつも、有能な生徒らと教え教われの関係を築き、その職務を全うしていく。 エルとタケオミ、ヴェルと教え子、悲しき男の生き様と次の世代の成長を描く第十四幕! 2018/08/25 発売
冒険者予備校の臨時講師を引き受けたヴェルの講師生活はなおも続いている。 バウルブルクに新設された冒険者予備校も軌道に乗り始め、ヴェル発案による講義での挨拶や帰りの掃除などといった独自ルールが導入されていく。 さらには、学習の成果を発表するといった場を設けない、純然たる祭り要素強めの学園祭を催すに至るのだった。 そんなある日、ヴェルは特別講師として招いたアーネストへの報酬として、探索済みの地下遺跡にて学術調査の手伝いをすることに。 ヴェルは、護衛役として弟子の三人とエルを連れて遺跡に入るも、調査は小一時間で終了し、若干肩透かしを食わされる。 だが、帰りがけに造り物のネズミを発見し捕らえようとした際、そのネズミに魔法をかけられヴェルは子供の姿へと変えられてしまう。 しかも、この地下遺跡が実は広大なものであると判明した瞬間、冒険者デビューをはたしたあの地下遺跡の悪夢がヴェルの脳裏を過るのであった……。 2018/12/25 発売
そろそろお腹が目立ってきたエリーゼと、無事教え子を巣立たせたヴェルのもとに、ニーナと導師が様子を見に訪ねてくる。そして生まれてくるであろう子の話に花を咲かせるなか、いつしか話題は導師の昔話にーー。 それは、アームストロング伯爵家のために尽力する人生しか待ち受けていないのであれば、猶予ある限り『全力で外の世界を楽しむのである!』と母の墓標に誓いを立て、冒険者予備校の門を叩いた若き日の導師の立志譚であった。 大器晩成で不器用なアームストロング少年の成長、そんな彼の相棒となる美少年ブルーノとの出会い、そしてすでに活躍中のアルフレッドへのライバル心! 王都を舞台に、王国の黎明期を彩った偉人たちが多数登場する完全書き下ろしの第十六幕! 2019/03/25 発売
教え子の卒業式、そして導師の昔話を経てからすぐ、エリーゼが産気づく。 だが、この世界では男性が出産に立ち会うことはできず、今か今かと部屋の外で終始落ち着かない感じで待つヴェル。やがてついにその時が訪れ、部屋に踏み込むヴェルが目にしたものは……光り輝く我が子であった。 「さすがは、俺の子供。もう輝いているぜ。いや、俺に似ずに素晴らしいカリスマだ」 以降出産ラッシュが続き、我が子の寝顔を見て心が安らぐ反面、お祝い品への御礼状の発送作業や、生まれて早々に婚約の話が出てきたりと、様々な面倒事がヴェルの心を折りにくるのだった。 幸福感と同時に子をもうけた貴族家の大変さを思い知る第十七幕! 2019/07/25 発売
バウマイスター伯爵家ではベビーラッシュから始まった貴族家の厄介事が、沈静化の動きを見せて……はいなかった。 将来を見据えて家庭教師の募集をかけるも、関わってはいけない面倒な団体『賢者協会』に絡まれてしまう。貧乏貴族の八男から始まり、子持ちの大貴族となったヴェルは、改めて貴族家の苦労を噛みしめるのであった。 そんな賑やかで苦労の絶えない日常のなか、ヴェルの下に新たな火種が飛び込んでくる。魔族の国を見つけたと報告した巨大魔導飛行船リンガイアが、消息を絶ったのだ。さらに王国西方海域に謎の魔導飛行船艦隊が出現し……。 大事の前の小事! そしてドタバタな日常エピソード多めの第十八幕! 2019/12/25 発売
ー余は、魔族の王国を復活させることをここに宣言する!突如押しかけてきた幼い魔王エリザベートの宣言に、ヴェルは困惑してしまう。下手に関わると内政干渉のリスクが高まるのだが、知ってか知らずか魔王はヴェルたちの部屋に通うようになった。以後、魔王は出されるおやつに舌鼓を打ちつつ学校の宿題に取り組んだり、芋掘りに参加したり、料理に挑戦したりと、およそ他人とは思えない程度にヴェルたちと親睦を深めていく。すべては、特にやることもなく暇であるという現実が招いた必然ともいえた。一方、難航していたリンガイア開放交渉を大人の事情でうまく解決に導いたヴェルに、バウマイスター伯爵領南方諸島群以南の探索話が持ち上がり…。魔族との交渉はお偉いさんに一任して、魔王との交流&南方探索開始の第二十幕! 2020/07/20 発売
ヴェルたちの南方探索は、ルルのいた島以降から頓挫してしまう。五十を超える領主たちによって分割された戦国時代風の島『アキツシマ島』の揉め事に、ヴェルがうっかり首を突っ込んでしまったのだからしかたがない。あげくには、王国から「領内の海域にある島なのだから責任を持って統一と統治をせよ」と念を押される始末であった。しかたなくヴェルは、日本人なら一度は耳にしたことのあるような戦国武将の名を冠する領主たちと対峙するが、強くても領主たちが中級魔法使いクラスであることがわかり、これならやりようはあると統一に本腰を入れるのであった。戦場を舞う戦国な乙女たちと、資金稼ぎにやってきた魔族と魔王様、そして容赦なく増える嫁候補!新天地すなわち新嫁という環境がヴェルを襲う第二十一幕! 2020/11/25 発売
アキツシマ島平定の功績により、ヴェルは辺境伯に陞爵した。偉くなってもろくなことはないといったヴェルに、早速魔道具ギルドの会長の葬儀へ参列するようにとの話が舞い込んでくる。 接点の無さを訴えるヴェルだったが、辺境伯ともなればそうはいかないとブランタークに諭され、泣く泣く王都へと飛ぶこととなった。 葬儀の参列を終え、教会をあとにするヴェルは、街中でアーカート神聖帝国の皇帝であるペーターとまさかの再会を果たす。彼は魔族との交渉や、それによって生まれた混乱を解消すべく極秘裏に王国へ来訪したのだという。 だがそれは、すぐにどうこうなる問題でもないため、今はとりあえず「どこか遊びに連れて行って」と、ペーターはヴェルにお願いするのであった……。 皇帝とのお忍び接待に、巨大ガニの捕獲、今や恒例となった増え続ける嫁! そしてとあるメイドの物語がついに感動のフィナーレ!? アキツシマ統一後を描く第二十二幕! 2021/04/24 発売
王国は魔族との関係性を踏まえ、五年に一度行われる帝国への親善訪問をより短いスパンで、より有意義なものとすべく、新たに親善友好団を創設した。団長にはヴァルド王太子が就き、付き添いの若き大貴族としてヴェルが選ばれ、一行は帝国へ赴く。だが蓋をあけてみれば、そんな大義名分とは裏腹に、ヴェルへ親善友好団参加という休暇を与え、親密になりたいヴァルドと、ヴェルと昆虫採集に勤しむペーターの姿がそこにあった。一方、新しい魔族の国を作るべく旅立ったオットーたちは、古代魔法文明の遺産を求め帝国の北、極北の大地へとたどり着いていた。人も魔族も住めないこの手つかずの大地に、世界を統べるための遺産が眠っていると信じて…。そして親善友好団の日程を終えたヴェルたちもまた、極北の大地へ向かった。王国、帝国、ともにこの地の調査と、氷の下に眠る魔道具の入手が目的だというが、はたして…。偶然にも名だたる曲者たちが集ってしまったこの極寒の地より、新たな物語が動き出す! 2021/08/25 発売
魔族との初邂逅から一年、ヴェルはアグネスら弟子三人娘、フィリーネとの結婚式を迎える。式がひと段落したころ、ブライヒレーダー辺境伯が『ハグレ魔族』に起因する厄介事を語り始めた。辺境伯によると、魔法使いのいない地方貴族が、魔法が使える者なら魔族でも問題ないとして彼らを雇い入れ、代々抱えている細かい諸問題をその力で強引に解決しようとしているのだそうだ。かえって傷口が広がるとも知らずに…。そして案の定、紛争は起こる。借金苦のブレンメ男爵家の嫡男イーヴォが、マインバッハ騎士爵領内にある魔導飛行船の発着場を占領すべく『ハグレ魔族』を率い動き出したのだ。その情報は、ブレンメ男爵家の令嬢イヴァンカが文通相手であるアマーリエの息子カールに宛てた手紙から判明したのだが、これを知りヴェルは動揺を隠せないでいた。-あの幼く可愛かったカールが貴族令嬢と文通…いったいいつの間にリア充に…。各地の紛争に甥っ子の文通事情。ヴェル的にはどっちも苦い感じの第二十四幕! 2021/12/24 発売
ブレンメ男爵家の一件ですっかりブレンメルタール内務卿に恨まれてしまったヴェルは、エルにアルニム騎士爵領を相続させようという、いかにも大貴族らしい嫌がらせをされていた。エルを失うわけにはいかないヴェルは、クラウスをエルの補佐として派遣し献策で支えつつ、自らはアルニム騎士爵領の開発を行い、新領主を呼び込むべく尽力するのだった。一方、オットーたちは北の大陸で発掘した巨大魔道具の修理を完了させ、稼働段階へと移行させていた。その効果は『世界中の魔法使いの魔力回復量が半減する』というもので、各国の開発や経済に多大な停滞と混乱を招く。これに伴い、ただちに導師とブランタークが原因究明に動くも、二人は突如として消息を絶ってしまう。さらに、そんな彼らの捜索に出たヴェルさえも行方がわからなくなってしまうのだった…。王国屈指の魔法使いの消失に端を発し、世界はオットーの手に落ちるのか!?過去最大のピンチ!万事休すの第二十五幕! 2022/04/25 発売
オットーたちに倒され、行方不明になっていたヴェルは『あの世』にいた。そんな自身の状況を掴めていないヴェルの前に亡き師匠アルフレッドが現れ、オットーたちへリベンジするための修行の開始を告げる。先にあの世入りをしていた導師やブランタークは既にヴェルより数段強くなっており、当面ヴェルは彼らに追いつくことが急務となった。この神が介入してくるほどの超法規的措置は、オットーたちが企てていることの危険性を如実に表しており、更にお気に入りであるアルフレッドの弟子や師匠、友人を救ってやろうという恩情でもあり、地上における貴重な駒にするという思惑でもあった。そしてヴェルたちは修行の総仕上げとして、地獄を暴れまわっているという四体のドラゴンを討伐することに。そのドラゴンはヴェルたちが過去に倒したドラゴンたちであり、地獄堕ちしたことにより強力になっているらしい。はたして四人共闘による討伐の行方は…。圧倒的な力を手にし、ヴェルは窮地に立たされている仲間や家族、王国を救うことができるのか!?ヒーローは遅れてやってくる…?胸熱の第二十六幕! 2022/08/25 発売
あの世から帰還したヴェルたちの反撃の狼煙…の準備が進む。修行により魔法の強化が格段に上がったとはいえ、マナが薄いことに変わりはなく、いきなりの直接対決はやはり分が悪い。そこで、まずは教会本部に逃げ込んだ非戦闘員の救出と援軍、次いでゾヌターク共和国と交渉しオットーたちの件で賠償は求めないかわりに、王城攻略で必要となる魔力の提供を求めるなどして、ヴェルは着々と外堀を埋めていった。そんな中、オットーのサポーター会員たちがヴェル暗殺に乗り出すが、これが逆効果となった。その結果、オットーたちはゾヌターク共和国での後方拠点並びに支援を失い、王国内で孤立する羽目になるのだった…。いよいよ始まる王都奪還作戦!頭角を現し始めた魔王様の活躍にも注目の第二十七幕! 2022/12/23 発売
ヴェルたちの活躍によってオットーの野望は打ち砕かれ、世界に平和が戻りつつあった。そして今回の功績により、ヴェルは国王陛下のお墨付きで念願の「育休」を手にする。だが、愛しい我が子らとの日々の中へ、巧みに仕組まれていたローデリヒの策に気づけず、結局ヴェルはアキツシマ島で一仕事するのだった。 一方、何者かに攫われたブレンメルタール元侯爵は、その者の手により人ならざるものへと変貌させられ、ヴェルに対する恨みや怒りといった負の感情から生み出されるエネルギーを搾取されていた。 やがて用済みとなり、面白半分で野に放たれたブレンメルタール元侯爵は、憎きヴェルに復讐すべくアキツシマ島へと移動を開始するのだった……。 ヴェルへの恨みがある限り無限に再生!? 思わぬ強敵に大苦戦の第二十八幕! 2023/09/25 発売
死闘の末、首だけになったブレンメルタール元侯爵を追って入った地下遺跡の最深部で、ヴェルとエリーゼは突如発生した光に取り込まれ意識を失ってしまう。 やがて目が覚めた二人は、地下遺跡とはまったく異なる場所に飛ばされていることに気付き早速探索を始める。だが、ヴェルだけは終始既知感を抱いていた。 『ここって、俺が高校卒業まで住んでいた佐東市だよな?』 そこは、一宮信吾がリンガイア大陸に転生した商社マン時代から遡ること九年ほど前、高校生であった頃に見知った街並みだった。どうして元の世界に飛ばされたのか、しかもなにゆえ高校時代なのか。 とにかく、今の信吾に会えば何かがわかるかもしれないと、ヴェルはエリーゼとともに彼の捜索と接触を試みるのであった……。 2024/05/24 発売
高校時代の日本から帰還したヴェルは、元ブレンメルタール侯爵の遺灰の分析結果に首をひねりながらも、中断された育休を再開していく。 手始めに職人たちに子供用プールを手配させ、子供たちとの触れ合いの時間を取り戻していくヴェル。 だがそれも束の間、南方の『ガトル大陸』の探索でアクシデントが発生したため、ヴェルに追加の援軍の要請……つまりは探索の引継ぎが命じられるのだった。 バウマイスター辺境伯領の最南端よりさらに数百キロ南下した位置にあるそのガトル大陸は、恐竜に酷似した巨大なトカゲが跋扈する広大で危険な大陸であった。ヴェルはこの過酷な大地で、戦闘と図鑑埋めをするかのような日々を送るが、喋る恐竜を目の当たりにし、えも言われぬ違和感を覚えるのであった……。 2025/01/24 発売予定