幽遊菓庵(3)
狐の神様・玉藻が営む和菓子屋『春寿堂』。そこで名月が働き始めてから季節はひとつめぐり、また春が訪れようとしていた。ところが訪れたのは春ではなく、春を呼ぶ季節の化身。彼女の機嫌を取らないと、高野山は永遠の冬に閉ざされてしまうらしい。案の定、名月はその大役を玉藻に押しつけられて、献上品として難しい上生菓子作りをするはめに。これにはさすがの名月も万事休す!?「心配なかろ。全ては縁の結び目故。お主なら見事、春を呼べるさ」名月の和菓子はご縁を広げ、新しい季節を紡げるだろうかー?
関連ラノベ
幽遊菓庵(2)幽遊菓庵(2)
高野山に佇む『春寿堂』は、狐の妖怪・玉藻が営む和菓子屋さん。今日も常連さんや“あやかし”が、事件を携えてやってくる。季節は冬。あやかしが見える体質のせいで春寿堂で働き始めた名月は、雪景色にふさわしい和菓子をしつらえていた。そこへ訪れたのは一匹の子狐。彼の注文はなんと玉藻への弟子入りだった。すると玉藻は一計を案じ、名月と子狐に和菓子の名付け対決を命じる。果たしてその真意や如何に?時にやさしく、時に賑やかに。繋がる“縁”が描き出す、和菓子とあやかしの物語。 2015/02/11 発売
幽遊菓庵(4)幽遊菓庵(4)
名月の和菓子作りの頑張りで、高野山に無事春が訪れてから数ヶ月ー春寿堂の大繁忙期、お盆を意識する時節が訪れていた。あやかしの来客が増える予感に、うんざりしつつも律儀に菓子を作る名月。だがやって来たのは『根の国水先案内協会』を名乗るいかにもな黒スーツ連中で、春寿堂の上に霊道を通すというお達しを突きつけてきたのだ。突然の立ち退き命令に、店主の狐神・玉藻が下した決断は…なんと京都行きで!?京都の地へと導かれていく、ご縁の不思議と和菓子の味わい。春寿堂の営みが辿りつく先はー? 2015/11/11 発売