生贄妃は天命を占う 黒猫と後宮の仙花
「どうしたもんかなぁ」新米占い師・月麗は困っていた。占いが権力者の逆鱗に触れて強制連行。生贄にされるはずが、人違いで神様の妃になるはめに陥ったのだ。
早速皇帝・洪封から命じられ、恋愛運を占ってみるが、結果は「妻に見えず」。偽妃だから当然だ。
それに生贄だとバレたら、月麗は喰われてしまうーー。
怯える姿を尻目に、皇帝は月麗を喰べるつもりもなく、たっぷり溺愛しようと後宮専属の占筮者へと任命した。
だけれど後宮は一癖も二癖もある妃達ばかり。慌てる月麗の前に、モフモフの黒猫が現れて……?
序 「境帝を占い高官に昇る」
第一占 虎の尻尾に気をつけて
第二占 幸せも苦労も噛みしめて
第三占 狐の尻尾は水に濡れ
第四占 問うていいのは一度だけ
第五占 帝位を踏んで、やましくなければ
結 「境帝の心は路行く人も知る所なり」