週に一度クラスメイトを買う話5 〜ふたりの秘密は一つ屋根の下〜
春になり、私には”できないこと”が増えた。ルームメイトになった宮城との距離は、前よりずっと近いはずなのにどこか気まずくて。触れることも、キスすることも、会話さえもままならない。これまでの当たり前を取り戻すために、五千円に代わる新たな言い訳がーー新しいルールが私たちには必要だ。
春になり、私には”分からないこと”が増えた。使われていなかった五千円とルームメイトになった仙台さん。その事実は、当たり前のように解釈していたこの関係を、180度違うものに変えてしまって。どうしてあの時、仙台さんはーー今更湧き上がる疑問の答えを、私は知りたいのかどうかも分からない。