週に一度クラスメイトを買う話6 〜ふたりの秘密は一つ屋根の下〜
ルームメイトとは言えないことをしたあの日から、彼女が家に帰ってこない。行先は分かっている。捕まえに行くべきだと思う。でも、一人でいる間に自覚してしまった感情が、認めたくないその感情が私を迷わせている。
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春になり、私には”できないこと”が増えた。ルームメイトになった宮城との距離は、前よりずっと近いはずなのにどこか気まずくて。触れることも、キスすることも、会話さえもままならない。これまでの当たり前を取り戻すために、五千円に代わる新たな言い訳がーー新しいルールが私たちには必要だ。 春になり、私には”分からないこと”が増えた。使われていなかった五千円とルームメイトになった仙台さん。その事実は、当たり前のように解釈していたこの関係を、180度違うものに変えてしまって。どうしてあの時、仙台さんはーー今更湧き上がる疑問の答えを、私は知りたいのかどうかも分からない。 2024/10/19 発売