折原臨也と、喝采を
「俺は、人間を観察する為に最低限の技術と知識さえあればいいさ」折原臨也という男は、名探偵というわけじゃない。寧ろ、その全く逆の存在だ。あいつは自分の目の前で起こった事を、躊躇い無く受け入れる。目と鼻の先で実の家族が撃ち殺されようが、臨也はその殺人犯に対して笑顔で語りかける。-『今、どんな気分だい?』ってな。だから、折原臨也は倫理的に褒められるような行動はしないし、論理的な推理もしない。目の前で起こった事を淡々と受け入れて、さも『全部自分の予想通りだ』って面をする。折原臨也は名探偵じゃない。どこまでも強気なピエロで、関わった奴をみんな沼に引きずり込む疫病神だー。