ワールド・インシュランス 01
あらゆるものに保険が掛けられるようになった近未来ーイギリス最大の保険市場・ロイズの日本人保険引受人カイン・ヴァレンタインは、“最高の誠意”を胸に、引き受けたあらゆる保険の適切な履行を促すことを職務としている。そんなカインが、行きがかり上救った少女・ベティから依頼されたのは、自らの瞳に掛けられた一億ドルの保険を、再保険として請け負うことだった…。個人としては破格ともいえる巨額の保険は、なんのために掛けられたのか?ベティの“サリエルの瞳”には、いかなる能力が隠されているのか?カイン・ヴァレンタイン、最後にして最高の仕事が始まるー。新鋭・柴田勝家が放つ近未来保険アクション、ここに開幕!
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イギリス最大の保険市場・ロイズの日本人保険引受人カイン・ヴァレンタイン。彼がサッカースタジアムで取り押さえたテロ未遂犯のルーマニア人女性・クリスは、母国から“78人分の人生”とも言える生体データを盗み出していた。チャウシェスクによる独裁の終わりより数十年、いまやルーマニアは東欧の保険先進国となり、寿命投資基金・3Bが国民に健康を強いる新たなディストピアを創造していた。3Bを崩壊に追い込むほどの価値を持つという生体データは、いったい誰のものなのか。そして、「私は、死なない」というクリスの言葉の真意とは…。ベティの父・ネイサンの因縁も絡みつく東欧の晦冥を払うべく、余命1年保険引受人が、“最高の誠意”を履行するー。新・星雲賞作家が放つ近未来保険アクション、瞠目の第二幕! 2018/09/16 発売
カインが香港のオークション会場で思わぬ再会を果たした旧友ウィリアム・グランディ、彼は数年の間に、英国を代表するテクノロジー企業N5社の社長となっていた。汎用型量子コンピュータを用いたAI・ソロモンを爆発的に普及させつつあるウィリアムから持ちかけられたのは、“自分が自分に殺された時のための保険”…。イートン校時代の陰鬱な日本人サエキ・ケイ、そして永遠に喪われた恋人・イライザー過去と現在が交錯し、それは未来を破滅に陥れる世界保険計画として発動する。わずかな遺った生命の灯火を燃やし尽くし、カインはベティの手を取る。それは、過去との決別でも、ましてや贖罪でもない。すべては、“最高の誠意”のためにー。新・星雲賞作家が放つ新たなる代表作、ここに堂々完結! 2018/12/16 発売