霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない(3)
永瀬の地獄から逃げ出した朔と藤花。しかし二人の行く先にはもはや安寧の地などなく、さらなる地獄のしがらみが二人を絡めとる。「神がかりの山査子」に保護されたものの、異能を強めるその特異な眼を狙われる朔。滅びの力をもつ神をその身に下ろそうとする山査子の男と、それを邪魔せんとする少女の間で繰り広げられる「地獄めぐり」。その中で、朔は藤花を危険にさらすものを呼び込む己の眼と運命を呪いはじめる。そして死をいざなう蝶が二人を導く先では、燦然と繰り広げられ続けてきた醜悪な舞台がその幕を下ろそうとしていた。
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藤咲藤花の元に訪れる奇妙な事件の捜査依頼。それは「かみさま」になるはずだった少女にしか解けない、人の業が生み出す猟奇事件。人の姿を持ちながら幽世のものに触れる異能をもつ彼女は、事件の解決に自分の居場所を求めて歩む。そして、その隣には「かみさま」の従者として彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔の姿が常にあった。数奇な運命のもとに生まれーそして本来の役割を失った二人は現世の狂気のなかで互いの存在意義を求め合う。これは、夢現の狭間に揺れる一人の少女と、それを見守る従者の物語。 2021/11/18 発売
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