嫉妬探偵の蛇谷さん
「ああ、本当にー妬ましい」蛇谷カンナ。園芸部所属。美しい花を憎み、雑草の惨めさを愛する女。黙っていれば怖ろしいほど美人なのに、口を開けば怒濤の毒舌。好きなものより嫌いなもので自分を語りたい。行動原理は全て「嫉妬」。学校の様々な「謎」を解く蛇谷さんの動機はもちろん嫉妬で、その目的は悪者を追い詰め、知的に拷問することなのだけれど。ぜんぜん尊敬はできないけれど。それでも僕は、このおかしな先輩のことをーカッコいいと思ってしまうのだ。青春は、綺麗ごとでは終われない。“嫉妬”で嘘を暴く、学園青春“探偵”物語。第18回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。