元猫又ですが、陰陽師の家で猫のお世話係になったら婚約することになりました。
16歳の誕生日に父から猫又の生まれ変わりだと告げられた中泉琥珀。子宝に恵まれなかった両親が16年前、捨て子を引き取ったという。半信半疑の琥珀だが、ふと日本家屋で少年とともに暮らす夢をよく見ることを思い出す。大正十年六月、女学校の後、琥珀は片目のハチワレ猫に案内され、夢で見たことのある屋敷にたどり着いた。猫がたくさんいるその四季島家には代々陰陽師が住むというが、縁あって猫のお世話係として働くことに。琥珀は、なぜか大の猫嫌いの当主・御影と、持ち込まれる怪異に挑む。やがて、ふたりの過去が明らかになってーー? ほろりと泣けてキュンとする? 大正あやかし&猫まみれ小説。
■著者プロフィール
村田天(むらた・てん)
神奈川県出身。
2019年、ネット小説大賞を受賞、『藤倉君のニセ彼女』(一二三文庫)でデビュー。著書に『魔女の婚姻 偽花嫁と冷酷騎士の初恋』(富士見L文庫)『俺と妹の血、つながってませんでした』(ファンタジア文庫)などがある。