氷結鏡界のエデン(11)
天結宮に突如として出現した幽幻種の群れ。護士が、巫女が、千年獅が、そして皇姫自らが戦線に立つという総力戦のさなか、奇妙な情報が走るー巫女ユミィが“ふたり”いる!?戦場にありがちな、ただの情報の錯綜なのか、それとも…。真偽を確かめるべく、塔を駆け上がるシェルティス。だが、時を同じくして、浮遊大陸全土に“何か”が重くきしむ音が響き渡り、不気味な振動が塔をゆらす。塔の最上階、シェルティスの前に立つ異篇卿イグニドは驚くべき事実を告げる。「氷結鏡界を維持する鍵、今それは私の手の中にあります」あるべき世界を選択する、重層世界ファンタジー。
関連ラノベ
『対・穢歌の庭術式へ移行了承。-第七天音律を結んでください』結界を張るよう要請された少女の頬を、透明な滴が滑り落ちる。「シェルティス…わたしたち、本当にもう会えないの?」幽幻種と呼ばれる存在に、人が侵される世界。巫女の祈りで守られた浮遊大陸オービエ・クレアでのみ、人は生きることができた。結界の巫女・ユミィは、ある少年を待っている。巫女を守る護士だった、幼なじみのシェルティス。大陸から堕ち、異端として追放された彼は、かつてユミィと約束していたー必ず君の隣に行く、と。世界の理を体現する少女と、世界の理に拒絶された少年。二人の想いが錯綜する、重層世界ファンタジー、開幕。 2009/09/25 発売
「巫女としてじゃなく、幼なじみとして何もできないのが悔しいの」真夜中に突然やってきたユミィを前に、シェルティスは微笑む。-ユミィが頼ってくれる。それだけで、僕には充分だから。浮遊島事件の真実をあかすため、統政庁を訪れた天結宮の巫女・ユミィとシェルティスたち。しかし、双方の主張は食い違うばかり。そんな中、錬護士筆頭イシュタルが全ての事象を記録する統政庁の秘宝『ミクヴァの緋眼』への恐制接触を提案。さらにユミィに巫女として決断を迫るー危険な任務を誰に託すのか、と。一方、沁力術士『黄金のマハ』とイグニドも、統政庁に姿を現す…。己の“絶対の聖域”を護るために闘う、重層世界ファンタジー。 2010/12/25 発売
虚空に穿たれた小さな亀裂。それは幽幻種を穢歌の庭へと還すために開かれた扉だった。その身に宿す魔笛が呼応し引き寄せられるシェルティスと、彼を救うべく手をさしのべた天結宮の巫女ユミィは穢歌の庭へと堕ちてゆく。彼の地にみちる濃密なる魔笛と夢数の幽幻種たち。その先にあるものはー「あなた次第です。このままでは二人が浮遊大陸に戻ってくる可能性はゼロなのだから」異篇卿イグニドがモニカたちに語る、穢歌の庭に堕ちたシェルティスとユミィを待ち受ける運命とはー強き決意が奇跡へと昇華する、重層世界ファンタジー。 2012/09/20 発売
氷結鏡界が音を立ててきしむ。結界の鍵を異篇卿イグニドに奪われ、幽幻種侵攻は時間の問題だった。皇姫サラが下した決断、それは精鋭による異篇卿追撃戦と、護士たちの総力を挙げての浮遊大陸防衛戦。サラに率いられ、巫女、千年獅、そしてシェルティス、ユミィがイグニドを追う。だが“楽園幻想”を成就させんとする異篇卿が、真の力を解散し、行く手を阻む。「…レオンは一番強いから。誰にも負けない…から」穢歌の庭で対峙する、千年獅レオンと異篇卿アルマデル。一方、浮遊大陸でも天結宮戦力と幽幻種の撃戦が幕を開けてー氷結鏡界か楽園幻想か。重層世界ファンタジー、最終局面! 2013/12/20 発売