出版社 : ポプラ社
頭に聞こえてくる死者からの伝言を相手に届けるうちに、「ことづて屋」を名乗るようになった津多恵。届ける人や言葉はいろいろ。「ママを守って」と幼い息子に言い遺した父親から、改めて息子へ。夫から老いた妻へ、大事な物の隠し場所を。熊谷空襲で亡くなった親友が七十年ごしで明かす、秘めた恋心。そして、来ると約束したのに現れなかった恋人からの言葉。それは震災後の計画停電の夜でー。人の気持ちにあたたかくよりそう、やさしい物語、第二弾。
年明け、期末試験の点がクリアできていれば、いよいよハワイへの修学旅行に参加できる瞬太だが、王子稲荷のご加護ははたして海外までカバーしてくれるのか。年末にひいた「旅行(たびだち)、難有り」のおみくじの暗示と、瞬太が留守中の祥明の冬休みが気になるハワイ編のほか、嫁と姑の間にはさまれて困り果てた男性の引越し相談、気仙沼からやってきた瞬太の年頃の従姉の起こす騒動など。へっぽこコンビの陰陽屋は今日も大繁盛!なシリーズ第8弾!
ほかの人には見えないものが、見えてしまう。そんな不思議な能力をもつ自分にとまどい、心を閉ざしていたさやかは、童話作家の叔父の洋館に引っ越すことに。知らない街でのスタートは友だちに恵まれ、叔父の担当編集者とも仲良くなっていく。はじめて手にした愛しい日々、だがそこに不吉な影が忍びよるー。街に封印された歴史の謎、人間が生み出した魔物のかなしみ…。風早の街を舞台に繰り広げられるファンタジー、戦う少女の物語!
デパートの化粧品売り場で働く柚希は、美人なのに年齢=彼氏イナイ暦という29歳。その原因は妖怪が見えてしまうこと(だと勝手に思っている)。妖気は感じるが妖怪は見えないイケメン宮司・柳には師匠と崇められ、恋愛関係に発展する気配もなく…。最近、柚希の近所にある桜の巨木がシンボルの公園に、毎夜「鬼」が出るという噂が立つ。噂の出所を探る柚希と柳の前に現れたのは、なぜか「妖怪の総大将」と呼ばれるぬらりひょんだった。人気シリーズ集大成の第3弾!
中学将棋部のさえない男子三人、カズト、シンヤ、ユーイチは、京都行きの修学旅行について、危険な計画を立てた。それは、転校してしまった部活仲間の佳織に会いに、自由行動時に抜け出して大阪へ行くというもの。世にも恐ろしい体育教師や、非協力的な班の女子、そして、迷路のような不慣れな大阪の街…三人は無事に佳織の家にたどり着けるのか?人生に一度きり、熱くて特別な、長い長い修学旅行。ラストに感動が訪れる爽やかな青春小説!
中学生の音斗少年は、親戚である三人の吸血鬼たちと暮らしている。血を吸わず、牛乳を飲んで生きている彼らは、札幌の商店街で、小さなパフェバーを営業中。さて、最近店に通うようになった音斗の祖母は、音斗に、ある本を見つけられたら、音斗がここで生活することを許すと言う。一生懸命探す音斗だが…。一方、フユのパフェ屋探しも進展。そこにはどうやら、フユたちの秘密が隠されているようで…。人気のユニーク・ハートフルストーリー、第四弾!
デパートの化粧品売り場で働く柚希は、美人なのに年齢=彼氏イナイ暦という29歳。その原因は妖怪が見えてしまうこと(だと勝手に思っている)。妖気は感じるが妖怪は見えないイケメン宮司・柳とひょんなことから知り合ったものの、“師匠”と崇められ、恋愛関係に発展する気配もない。ある日友人の結婚式に出席していた柚希は、突然振り出した雨の中で雨降り小僧の姿を見とめる。なぜかその瞳は哀しげで…待望のシリーズ第2弾!
前回、国民的アイドルグループにメンバーとして潜入し、無事テロリスト逮捕を果たした豪腕公安警察官の小田切瑛理。その後広報部勤務となっていた彼女に再び密命が。大型アイドルフェス見学のため来日するアメリカ大統領をテロカら守れ。フェスの参加資格を得るために新ユニットを結成し、地下アイドル活動を始めた小田切だが前途は多難で…。こんなアイドル見たことない。爆笑ストーリー第二弾!!
「お言伝てを預かっています」山門津多恵の頭には時折、死者からの伝言がひびいてくる。宛てた人物にその言葉を伝えるまで、津多恵は楽になれない。見ず知らずの人物を訪ねるために外見を装うのを、美容師の恵介が手助けしている。幼くして死んだ娘から母親へ、放蕩息子から父親へ、少年院の中から親友へ…。伝えられた言葉は残された人に何をもたらすのか。痛みをかええた心をほぐす、あたたかくやさしい物語。
草薙家の飼い猫タマは、じつは長生きして妖怪化した猫又。しかしそれを知っているのは高校生の理生だけ。泣き虫で弱虫な理生に毎晩泣き言を聞かされるタマは、いつもやむを得ず理生のサポート役に。さて、二年生になった理生だが、所属する聖涼学院高校花道部は新入部員の獲得に苦戦。再び女王・鈴木花蓮率いる茶道部に和室を狙われて…。起死回生の策で高校生生け花コンクールに出場した理生たち、結果はいかに!?「陰陽屋」の天野頌子の人気シリーズ第二弾!
やたらと暑い十月最初の木曜日ー転校生の瀬田歩は、サッカー部の次期キャプテンと噂される秋本貴史に呼びだされた。貴史とほとんど口をきいたことのない歩には、その理由がわからない。放課後の駐輪場で「なぐられっぱなしだけはいやだ」と唇をかみしめる歩。ところが、彼の耳に入ってきたのは、思ってもみなかった貴史からの申し出だった…。対照的なキャラクターの中学生が出会い、葛藤するさまを、繊細かつユーモラスに描いた青春小説シリーズ第一弾。
文化祭を笑いの渦に巻き込んだ『漫才ロミオとジュリエット』から半年、瀬田歩と秋本貴史にとって中学最後の夏が来た。歩は、夏祭りで漫才をやろうと誘う貴史に対し、断固拒否の態度をとり続けている。一方、貴史の幼なじみ・萩本恵菜への思いはつのるものの、進展はない。そんな中、恵菜をめぐってある「事件」が勃発したー。今もっとも注目を集める作家の人気シリーズ第二弾。
柿本千佐、女子高の1年生。22歳のニイちゃんは元不良で無職、父さんは小学校教師でクソ真面目人間、母さんはお見合いでバツイチ堅物男と結婚した専業主婦。父さんはあたしに、修道女みたいなタイプを望んでいる。最近、いつも動作がスローな同級生・及川周子が気になってしかたがないー。『一瞬の風になれ』などで話題の著者による、ちょっと痛くて切ない少女たちの物語。
漫才コンビ結成を拒否し続ける瀬田歩。彼はある日、病院の廊下で萩本恵菜を見かける。暗い表情で歩く美少女・メグの身に、いったい何が?一方、歩を口説き続ける秋本貴史も難局に直面していた。特設ステージでの漫才を目論んでいた夏祭りが、中止になりそうなのだ。歩、貴史、メグ、それぞれの想いを乗せ、夏の日は過ぎゆくー。大人気青春小説シリーズ、待望の第三弾。
斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウー(「氷の海のガレオン」)。ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。
温泉町にある老舗旅館「ほたる館」の孫娘・一子は、物怖じしないはっきりとした性格の小学五年生。昔ながらの旅館に集う個性豊かな人々や親友の雪美ちゃんに囲まれ、さまざまな経験を重ね少しずつ成長していく。家族や友達を思いやり、ときには反発しながらも、まっすぐに向き合っていく少女たちの純粋さが眩しい物語2編を収録。著者デビュー作シリーズ第一弾。
おばあちゃんが急に「ほたる館を継げ」と言い始め、自分で将来を決めたい一子は反発する。でも、悲しそうなおばあちゃんの顔を見るのはつらいー。はっきりとした性格の一子の心にも、素直に気持ちを伝えられないもどかしさが募っていく。どうすることもできない葛藤の中で、大切なものを見つけ出そうとする少年少女を描いた大好評シリーズ、待望の第二弾。
岡崎真菜、高校2年生。姉の結婚相手に紹介されたその兄、小林蓮の存在が心の内を占め、戸惑う。小さな画廊で先輩の元妻に使われている、結婚しそこなった中年なのにー。真菜の想いを知ってか知らずか、蓮は、決して心を開こうとはしなかった…。一生に一度の恋に身を焦がす少女の視点で、17歳と34歳の恋を鮮烈に描いた、すばる文学賞作家による文庫書き下ろし。
冬休みー一子と柳井くんは、おばあちゃんから「バイト」を頼まれ、繁忙期のほたる館を手伝っていた。そんな暮れのある日、山菜などを商う「山ばあさん」が久しぶりに訪ねてくる。彼女が金木犀を嫌う理由を聞いた一子たちは、おばあちゃんの悲しい「初恋」についても知ることとなった…。今もっとも注目を集める作家の好評デビュー作シリーズ、待望の第三弾。