出版社 : ポプラ社
友衛遊馬、18歳。弓道、剣道、茶道を伝える武家茶道坂東巴流の嫡男でありながら、「これからは自分らしく生きることにしたんだ。黒々した髪七三に分けてあんこ喰っててもしょうがないだろ」と捨て台詞を残して出奔。向かった先は、大嫌いなはずの茶道の本場、京都だったー。個性豊かな茶人たちにやりこめられつつ成長する主人公を描く、青春エンターテイメント前編。
はじまりは、ある雨の朝。登校した一郎は、周囲の様子がいつもと違うことに気づく。奇怪な事件が続出する中、神秘的な美少女・龍子らとともに、不思議な力を宿すという“光車”を探すことになるのだがー。“光車”とは何か。一郎たちは「敵」に打ち勝つことができるのか。魂を強烈に揺さぶる不朽の名作が、待望の文庫版で登場。
京都に出奔した弱小武家茶道「坂東巴流」家元Jr.の友衛遊馬。お茶が嫌いなはずだったのに、宗家巴流の先生・志乃の家に寄宿し、お茶菓子作りが趣味の坊主・不穏や公家装束を着こなす高校教師・今出川幸麿など、怪しげな茶人たちとの交流は増すばかり。そうこうするうち、宗家巴流の後継問題に、あれよあれよと巻き込まれ…。大好評青春娯楽小説、感涙の大団円へ。
一子は、雪美ちゃんや柳井くんと一緒に、この春六年生になる。だけどまだ小学生だ。毎日ほたる館でいろいろな人を見てはいても、大人が、よくわからない。突然特別室に予約を入れた一条さんもそう。身なりはしっかりしてるのに、なんとなく変な感じがする。おばあちゃんの曇った表情も気にかかる…。多感な少女の成長を一年を通じて描く著者デビュー作シリーズ、ついに完結。
桃李大学付属、那賀市桃李学園。文武両道の有名私立大学に付属する中高一貫校である。その高等部の一角に、部員5人未満のため非公式な存在の文化部ばかりが集い、「マイナークラブハウス」と通称される古ぼけた洋館があったー。思春期を旅する「普通じゃない」少年少女たちの一筋縄ではいかない日常を描き、面白いのに不思議とジンとくる、最先端の学園小説。
中学三年の冬休みー。除夜の鐘を聞きながら「煩悩」について思いをはせる瀬田歩のもとに、「ぼくの煩悩を二・五倍ぐらいの数値に跳ね上げ」ている元凶・秋本貴史が迎えにくる。元二年三組の仲間たちと一緒に初詣に向かう歩。いつものようにボケあい、ツッコミあいしながら歩いているうちに…。涙と笑いの大人気青春ストーリー、卒業に向けていよいよ物語も佳境に。
桃李学園高等部の片隅に建つ古ぼけた洋館「マイナークラブハウス」に集う弱小文化部ーウクレレ部、園芸部、演劇部、思想研究会、歴史研究会、和琴部ーの面々は、自由気ままに青春を謳歌…しているように見えるが、一筋縄でいかぬのが思春期というもの。新・演劇部長、畠山ぴりかの涙のワケは!?謎が謎を呼び、続きが気になってしかたがない学園・青春小説シリーズ、待望の第2弾。
たくさん勉強していれば、誰よりも早く大人になれるのだーそう信じて周囲と距離を置く玉木崇音が、夏期講習の帰り道で出会った奇妙な階段とクラスメイトの遠藤珠生。何かとちょっかいを出してくる遠藤がわずらわしい玉木だったが…。地方都市の進学校を舞台に繰り広げられる、5人の高校生の不器用な恋と友情、未来への葛藤。息苦しい毎日の向こうに光を投げかけてくれる連作短編集。
倉田莉絵は、「自分の人生は、自分でつくるものだ」と東京に出てきた大学一年生。その気の強さから、バイト先では頼りにされるものの、恋人とは長続きしない。そんな彼女の前に現れたのは、背が高く綺麗な目をした無口な男の子、谷耕太。中学2年生だったー。大人気純愛小説『はじまりの空』に続いて発表され、恋愛を超えた絆に読者の心がふるえた愛の物語が、待望の文庫化。
天才少女ともてはやされながら、怪我が原因のスランプで、フィギュアスケート界を去らざるをえなかった可南子。しかし、敏腕コーチに見出され、高校入学を前にペアスケーターとして復帰する。パートナーとなる2歳年上のナガルは、才気あふれるスケーターだが、強引で傲慢なタイプ。可南子は徐々に惹かれつつも、素直になれず…。著者の原点となる「幻の処女作」が、ついに文庫化。
大坂夏の陣から八年。復興に沸く町に、軍師真田幸村の嫡男・大助を伴い、天下人太閤秀吉の血を引く娘・茜が還ってきた。ともに身代わりを立て戦火を生きのびた弟を捜すためにー。豊臣家の隠し財宝と、その秘密を握るとされる生き残りの姫君をめぐり、異なる思惑と野望を秘めた新興商人や幕府の残党狩りの連中が、一斉に動きだす。過渡期の町・浪華を舞台にした、胸躍る、新感覚青春時代小説。
中学の時ひょんなことからバドミントンを始めることになった水嶋亮。オファーを受けて進学した名門・横浜湊高校には文武両道イケメンエースの先輩をはじめ、無敵の双子ダブルスにクールな帰国子女など個性豊かなチームメイトたちが。かけがえのない仲間を得た水嶋は、さらなる高みへと挑んでいく。三度のメシとバドミントンな超純粋高校生たちを瑞々しく描いた青春バドミントン小説。文庫書きおろし。
ときは文政。大塩平八郎、蜂起前ー。若き大坂城代、教孝に拾われ、両親の仇討ちを悲願に城付きの“影”となった少女あや。ある医者殺しの黒幕を追ううちに十年前父母を罠に陥れた陰謀とこの殺人事件とを結ぶ、奇妙な接点に気がついて…。富に群がる役人や商人達、鬼面の男率いる謎の集団を相手に、運命に翻弄されながらも力強く自らの役目を果たしていく密偵あやの活躍を描いた、傑作時代ミステリ。
これぞ仁木作品の真骨頂! コージーミステリの旗手が選りすぐった傑作短編がずらり。 「わたしをミステリファンにし、 実作者にまでしてしまったのは、仁木悦子である。」 ーー若竹七海 バイクの修理代ほしさに高校生たちがネコを誘拐すべく奮闘する「誘拐者たち」、 少女の一途な感情が思いがけない展開を呼ぶ「うす紫の午後」など、 〈仁木兄妹もの〉と並んで人気の高い著者の〈子どももの〉から、 書籍初収録作「やさしい少女たち」「影は死んでいた」を含む七編を厳選。 ユーモラスでありながらほのかにダーク、忘れがたい余韻を残す子どもたちの探偵簿。 〈編集後記・若竹七海〉
「美術部サイコー!!」 爆笑と感動の、カラフルキュートな青春ストーリー! 優秀な三年生が引退して、オタクにヒキコモリ……変なメンバーばかりが残った美術部。 弱小部活と校長に目をつけられて、存続の危機に。 部室も部費も日にちもないのに、県展に入選する作品をつくるには、いったいどうすれば? すぐブチキレる部長の根岸節子を筆頭に、個性豊かな仲間たちがタイムリミットぎりぎりまで色を塗り続ける。 あきらめないヤツが強いんだ。 アート愛と薀蓄あふれる、爆笑で感動の青春ストーリー。
傷心を癒すためしばらく都を離れていた晴明が戻ってくると、都では“闇の陰陽師”黒主によって恐ろしい計画が進められていた。若くして死んだ親王の怨霊をよみがえらせ、怨霊朝廷を打ち立てて都をのっとろうとするもので、道満は御門を呪いにかけて黒主に協力する。一方、晴明の母がいる信太の森にも、魔修羅神なる怪しい影がしのびより、危機がせまるー。少年安倍晴明の成長を描いた長編、凛々しさ際立つ第三巻。
東京郊外の新興住宅地・中西市で相次ぐ奇怪な出来事。落ち葉に覆われた動物の死骸、いなくなる子どもたち、街をよぎる不気味な黒い影…。大切な友達や家族を取り戻すため、おふみこと織田史恵は、仲間とともに街を覆う闇の奥へと入り込んでゆく。気鋭の著者による、戦慄の現代ダークファンタジー。
子どもたちの誘拐事件が解決したのもつかの間、街で火の手が上がる。狙われたのはおふみの同級生・秀平の家だった。仲間がひとり、またひとりと姿を消す中、追い詰められたおふみたちが向かった先には、想像を越えた世界が立ち現れるー。絶望的な状況下でも失われることのない人の絆と希望の光を描き出した長編エンタテイメント、ここに完結。
忘れかけていた何かを、きっと思い出すーー 『頭のうちどころが悪かった熊の話』著者による 少女たちの日常に潜む小さな奇跡の物語。 「それとは気づかぬまま、 自らの倫理の譲れぬ一線を守り抜こうとする少女たちの、 なんと一心不乱でけなげで強靭でうつくしいことか。」 ーー梨木香歩(解説より) 小学五年生のミオと妹ヒナコの毎日は、小さな驚きに満ちている。 目かくし道で連れて行かれる別世界、町に住むマチンバとの攻防、 転校してきた少年が抱えるほろ苦い秘密…… 不安と幸福、不思議と現実が隣り合わせるあわいの中で、少女たちはゆっくりと成長してゆく。 一篇一篇が抱きしめたくなるような切なさとユーモアに満ちた珠玉の連作短編集。 書き下ろし短編「明日への改札」を収録。 【解説/梨木香歩】
仲良し兄妹探偵が活躍するユーモア本格ミステリ 「ミステリへの期待と憧れ。ミステリを読む愉しみ。 ずっと変わらぬミステリの良心が、仁木悦子の小説にあります。」 --恩田陸(帯より) ミステリマニアの仁木雄太郎、悦子兄妹の下宿に、ひとりの紳士が相談に訪れた。 このところ不可解な出来事に次々と見舞われ、命を狙われているのではないかと脅えているらしい。 ふたりが調査に乗り出した矢先、紳士の妻が何者かに絞殺されるという事件が起き……。 息もつかせぬ展開、二転三転する推理合戦の行方は? 「日本のクリスティ」と呼ばれた著者による好評シリーズ第四弾! 〈解説・日下三蔵〉