出版社 : 主婦の友社
魔大陸に到着したエアスリル魔王討伐隊を待ち受けていたのは、魔物や敵ではなく、魔大陸の悪環境だった。属性魔法使いたちは、魔大陸独特の環境に体調を崩し始める。ミレディやコーラスたちも例外ではなかった。そんな矢先、魔将軍デイトナが率いる魔人たちがエアスリル騎士隊に奇襲をかける。何とかデイトナたちをエアスリル本隊から引き離すことに単騎で成功したアスラだったが、多勢に無勢。アスラは辛い戦いを強いられることになる。しかし満身創痍になるアスラの窮地を救ったのは、ミレディだった。二人は魔人たちを退けることに成功するのだが……。
鍛冶と酒を好むドワーフたちの国「刻冶鐵国」。ヒカルは国宝であるという「真祖の盾」をドワーフに返還するためにやってきたのだが、国中が混乱のさなかにあった。ドワーフにとって神にも等しい存在であるブリギッドは芸と技を司る存在であり、はるか昔にあらゆる金属を鍛錬する「真祖の炉」をドワーフにもたらし、ドワーフはこれを元に刻冶鐵国を開国したのだった。ブリギッドは千年以上を経て今なお実在しており、時にドワーフたちを導いていたのだが、ある日「真祖の炉」の炎を「ドワーフ12氏族のうち1氏族にだけ与える」というメッセージを発したため、勢力争いの種となった。さらに混乱に拍車を掛けたのが彼らを襲った大災害だった。
パトリアで奴隷を解放したキッドは、一部の元奴隷とともにグリモワールへと戻った。そして封印迷宮を裏技で攻略し、暴走の危険を取り除くことに成功する。これでようやく敵の本陣であるストゥルトゥスに乗り込めると思いきや、次にキッドに立ちはだかるのは新たな嫁達であった。絶対に手を出さないつもりだったグリモワール伯爵令嬢のドリスに艶美な格好で迫られたキッドは、あまりの魅力につい手を出してしまう。これでソリドは義父に、リカルドは義兄となるうえ、さらに嫁が増える予感が……。
思いつき、心境の変化、趣味の多様化などと言われる新たな試みは、大抵悪い方へ転がる。しかもそれに挑む者が異世界から迷い込んだ根無し草で、反則ともいえる力を持ち、道楽狂いの独身中年男であれば、なおさらだろう。事実、その男がこれまで関わってきた道楽や偽善は、微妙な結果に終わっている。少なくとも、本人はそう思っている。だがその試みが、曖昧な行動指針ではなく明確な理念に沿った仕事である場合は、どうであろうか。労働に勤しむ中年男のやりがいと哀愁を描く、異色の社会派異世界劇の第七幕。赤蜻蛉舞う夕焼け空が美しい晩秋に開幕!
地下世界を行くサビトガ達は、やがて異様な生命力にあふれた奇形の森に入り込む。森羅万象の理に外れ、醜い木の実や得体の知れない鈴音のはびこる森を進むと、やがて古代都市の残骸を基礎にした、異邦人の集落にたどり着いた。魔の者との継戦の日々を送る優れた異邦人達は、誰もがサビトガに匹敵する剛の者だった。馬脚のオーレン、ボーン夫妻、獣潰しのギドリット、村長レイモンド。曲者揃いの異邦人達と血と言葉を交わす中、異邦人の一人が魔の者に殺され、それをきっかけに魔の者の大群が集落を襲う。
誘拐されていたシュリは、無事に仲間の元に帰還を果たした。シュリが不在だったため城も厨房も人々も荒廃していたが、平穏な日々を取り戻すべく早速行動を起こすシュリ。まずは厨房を勝手に辞めて街で料理店を開いたミナフェとフィンツェを連れ戻すことに。リルとアドラと共にミナフェの店へと向かったが、城下町の大通りに面した店は行列ができて大繁盛していた。しかし店内を窺うと、そこには街の荒くれ者に「みかじめ料」を強請られているミナフェの姿が。なんとか荒くれ者を退散させて、シュリはミナフェから話を聞くのだが…。
異世界ターミナル、そこに長い間敵対し、憎み合う二つの国、サイトピアとマドカピアがあった。その二国の領土の丁度中間地点に、突如誰も見たこともない出で立ちの城(寄席小屋)が建ち、新しい国が誕生した。その国の名こそ「招笑亭」。王の名は楽々亭一福。現代から召喚されてきた噺家の一福は、笑いで世界を征服する為、招笑亭で落語を披露する。「ソード算【壺算】」「ミス・バミューダ=トライアングル【たらちね】」「イドのティーポッド【井戸の茶碗】」現代の落語を異世界風にアレンジして演じるその様式は「異世界落語」と呼ばれ、一福の名は国を超え、大陸を超え、知れ渡っていき、招笑亭近隣も発展し、宿屋、土産物屋等が立ち並び「ラクゴ村」なる商業集落まで生まれていた。
転移魔法により妖精たちが隠れ住む島へやって来てしまったカエデたち。そこに住む「白い妖精」シロネリは、妖精をさらう目的で島に侵入した男を捕らえたが、妖精の一人が姿を消したことで、カエデとカルデノは侵入者の仲間だと疑われる。そんな中カスミまでもがいなくなってしまうが、島の妖精たちと共に捜索を開始し、侵入者と戦ってカスミたちを助け出すことに成功する。戦いにより、仲間を失うなど小さくない被害を受けた妖精の島だったが、なんとか島の平和を取り戻すことができた。疑いの晴れたカエデたちは侵入者が使った舟に乗り、妖精たちに見送られて島を後にした。
新たな仲間達と新たな開拓地のブラド砂漠の攻略に励む絆達。年上で大人な彼等と楽しく過ごしながらも顔文字に農業を伝授。その後は釣りに勤しむ日々を送っていた。その間も顔文字と農業で品種改良したトマトを姉に食べさせたり、ミリーと化石掘りをしながらオリジナル恐竜を組み立てたり、クレイと危険植物について談義をしたり、砂漠で新たな釣りをしたり……目的はマグマを泳ぐ魚を釣るという野望を抱く絆。そんなある日、開拓地をモンスターが襲撃する新たなイベントが発生する。
ヘカトンケイルを滅亡寸前まで追い込んだ残桜症禍から、五年の歳月が過ぎた。踏鞴家給地でのんびり過ごしていた康太は、ピスフィの熱烈な誘いを受けて熱帯の島しょ部、香料諸島(ヴィトネシア)へと赴く。落ちているものをすぐ食べる悪癖を買われた康太が、『ピーダーとネイデル、クエリアの会社』のプラントハンティング部門に出向したかたちだ。到着したアレナリア島で、ふたりは、無人化した村落にただひとり佇む女性と出会う。椒美(はじかみ)と名乗った女性は、アレナリアのひとびとが残桜症によって全滅したことを告げたのだがーーー。
迷宮都市での依頼を達成したルードたちは、天使との戦いも乗り切り、無事アバンシアへと帰還した。マニシアとの再会を喜ぶのも束の間、そんなルードたちを待ち受けていたのは、エルという女性と新たな依頼だった。依頼者であるエルが暮らしている村では、ここ最近行方不明者が現れ、その原因が分からないことから、ルードたちに調べてほしいということだった。快く引き受けたルードたちは、すぐに依頼のあったリンドン村へと向かうことになるのだがーーー。
トウの国の混乱を無事に鎮め、協力を取り付けることに成功した太一たち。セルティアからの侵略まで幾ばくもないなか、四人を待っていたのは、南の大陸、通称影の大地での修行。シェイド肝いりの修行は、なんとアルガティとユグドラシルによるものだった。太一はアルガティと。凛、ミューラ、レミーアはユグドラシルと。それぞれ修行を開始するのだがーーーー。
南風月(はちがつ)下旬。夏休みも終わりに近づいていたが、神社で助勤をしていた半妖の南条翔はヒトの世界に帰してもらえないまま、妖の世界に身を置いていた。天之町内では『百鬼夜行』が頻発しており、ヒトや妖が無差別に襲われる事件が起きていた。赤狐の比良利たちは百鬼夜行が発生した大元の原因を作ったのは『妖祓』ではないかと睨んでいたが、妖祓側は夏休み中行方不明になっている『南条翔』が騒動の鍵を握っているのではないかと考えて動き出していた。妖とヒトの関係に亀裂が入る中、ついに妖祓が妖の縄張りを奪う策を講ずる。里山に『あやし威し』の罠を張り、妖の捕縛や調伏を始めたのだが・・・。
夜の海水浴場で、自分の内に潜む堕天使の力を暴走させてしまったリズは、神界に住む堕天使のリリスや仲間であるカインたちの命懸けの奮闘によって、正気を取り戻すことができた。「もう二度と暴走しない、そして強くなって憧れのカイン様たちと並び立つような存在になりたい!」その一心でリズは自分の中の堕天使の力をコントロールするために、過酷な修業を開始する。最強の堕天使であるリリスから指導を受け、堕天使の力と向き合っていくリズ。だがリリスは文字通り天使のように微笑みながら「地獄」のような特訓を課すのであった。「ボッ……ボエエエエエエェェェェェェッ!?
「ルネイアース大迷宮」とマンノームの隠れ里との攻防戦は、いったん停戦となった。大迷宮は大きく損傷して地中に沈み、マンノームたちもまた自分たちのソウルと引き替えに決戦兵器を使用したために全員が昏睡状態となってしまい、戦いを続けることができなくなったのだ。一方、ヒカルは、最初にこの世界に降り立ったポーンドの街に戻ってきていた。急に姿を消したヒカルに対して冒険者ギルドのメンバーは興味津々だが、それをうまくはぐらかし、ラヴィアが住んでいた旧モルグスタット伯爵邸を探るほか、ホットドッグを食べたり、いなせなエルフの武器工房を訪問したりと、この地で知り合った人々と旧交を温めていた。
魔剣レイナ=ネクロノムスとの死闘を越え乙女の花園での戦いは最終局面を迎える。生徒会長ウツロの一撃により外部からラス共和国の騎士達の侵入を許してしまい、ガーデン内の空気は一気にきな臭くなり始めていた。激怒したクルルギが釘を刺しに行くが、風変わりで強気な騎士隊長アフロディーテは引かず、ガーデンと騎士隊はいつ衝突してもおかしくない状況下に置かれていた。一方、学園内にも不穏な気配が忍び寄る。共和国の騎士達の乱入に危機感を覚えたアカシャとハイネスは、自らの目的を果たす為にウツロの襲撃を決意、それを阻もうとするオルフェウスと激突する。
混迷を極めたダイダラ砦の電撃戦は『神殿』の聖人アスデルシアの介入により、収束した。アスデルシアは自身を東緑藍と名乗り、シュリの姉であると告げた。シュリは、六天将の一人であるローケィに襲われて致命傷を負うが、そんな絶体絶命の状況下で、リュウファの7人目の人格のガンリュウも刃を向けてくる。場が混沌とする中、突然シュリに仕込まれていた魔文により、シュリとリュイランの母親である東翠鈴が顕現した。その場は収まったものの、ついにサブラユ大陸やそこに住まう人間たちの秘密が明かされることになるーーーー。
加賀道夫たちはルティナの一族の長老であるおばば様に依頼の報告を行う。目的地に行くことまでは叶わなかったために嫌味を言われてしまうのだが、依頼そのものは無事完遂した。その報酬として、道夫たちは一族が集めた資料の置かれた書庫への立ち入りを許される。書庫を訪れた道夫たち一行は、そこにたいした情報がないことを確認し、せめてもの対価として一族が所有する名品である靴下の情報を取得した。靴下を得るには、レアドロップを求めて長い間迷宮で戦い続ける必要があるというのだがーーーーー。
敵対していた真実の巫女ジャニスも仲間に加わり、フェリスたちの暮らしは賑やかさを増していた。『探求者たち』の教団に引きこもっていたジャニスは人間界の常識が分からず、黒雨の魔女レインに呆れられる始末だ。そんな中、魔術史学の授業で、フェリスたちは『白銀の魔女』について教わる。人類の歴史に何度も現れては、困窮した人々に魔導の叡智を分け与えた魔女の伝説。古い絵画に描かれたその姿は、ジャネットが夢で見た真実の女王と同じだった。学校生活を満喫するフェリスたちのところに、宮殿のエリーゼ姫から舞踏会の招待状が届くのだがーーーーー。