出版社 : 主婦の友社
坂本龍馬、京都・近江屋にて死すーー。慶応三年十一月十五日夜、暗殺者に襲撃された龍馬は、ふと気づくと、血を流して倒れている自分の姿を見下ろしていた。「こがな光景……夢じゃ」途方に暮れる龍馬の前に、幼馴染みの友姫が少女の頃の姿で現れる。友姫は黄泉路の案内人であり、龍馬を死者の世界〈かくり世〉に導くのが務めだという。しかし、志半ばで人生を絶たれた龍馬は、かくり世へ赴くことに反発。友姫を困らせ、苛立たせるのだが……。龍馬が真に望む己の未来とは? 刀剣マニアの幕末の志士が時空を超えて『天下五剣』と出会う、ヒストリカル・バトル・ファンタジー!
翡翠牌の持ち主である皇族の末裔を追う中で、猫猫たちは禁書でありながら優れた医学書でもある『華佗の書』を手に入れた。傷んだその書が復元されるのを待つうち、医官たちは抜き打ち試験を受けさせられる。猫猫は試験に合格して養父である羅門の下で投薬実験を行うことになり、羅門から医術について学べることを喜ぶが、その実験は大掛かりであり、市井の病人たちを使うというものだった。薬が効かぬ者は、場所を移されて外科手術が行われるというのだがーーーーー。
魔界での戦いを終え、アバンシアへと帰還したルードたち。モーの問題解決のため、アモンに相談をしたところ、モーが迷宮を造れば解決できるかもしれないと分かる。そのことをモーに伝えたところ、ルードたちが管理するということで新しい迷宮を作ってもらい、アバンシア迷宮のときと同じようにポイントを稼いでいく。準備したポイントで最高ランクの魔物イルラを作ることに成功した一方で、予想以上にルードになついてしまっていた。ただ、それでもモーの助けになることはでき、彼女の問題を解決することに貢献することができたのだった。
日本に取り残されたラヴィアと離ればなれになったヒカルは、ソアールネイ=サークをつかまえて「世界を渡る術」がまた使えるようになるよう要請するつもりだった。だが彼女のいる「ルネイアース大迷宮」は空へと浮かび上がり、ヒカルは大迷宮に侵入する手段を求めてポーンソニア王国へと戻った。一方、ラヴィアは「世界を渡る術」のための魔力結晶を手に入れたのだが、騒音が大きいこの魔術を実行できる場所を探していた。新聞記者の日野に相談すると、彼が手配してくれたのは国立大学の研究施設だった。ラヴィアと「世界を渡る術」の存在を科学者たちに知られることになってしまうが、ラヴィアはにとってはヒカルと再会すること以外に重要なことはなかった。
無事にサラマンダーと契約し、さらにクエルタ聖教国での事件を無事に解決することができた太一たち。エリステイン魔法王国に帰国した彼らを迎えた、国王ジルマールは、すぐさま出立してほしいと要請する。行く先は「トウの国」。なんとそこは、まるで日本をほうふつとさせる異国の地だった。侍の国であり、ただの一国民も精強な者が多いという。取って返すことを詫びるジルマールからの依頼は、トウの国の混乱を鎮めてほしい、ということなのだがーーー。
善治郎とユングヴィ王子は、神秘のヴェールに包まれた都市ウトガルズへと招かれた。氷原の中にある都市ウトガルズで二人を迎えたのは、ウトガルズの王とも言える代表のロック。ロック代表は善治郎に、一つの依頼をする。巨人族が住む異界『ウートガルザ』への移動手段を確保してほしい、と。交渉を重ねた末、善治郎は独断でその申し出を受け入れる。ウトガルズから帰国を果たしたユングヴィ王子は、父のグスタフ王に自分の第二夫人としてカープァ王国の女性を迎えるよう訴える。カープァ王国と善治郎の価値を認めたグスタフ王は、次期国王であるユングヴィ王子の側妃を南大陸のカープァ王国から迎えることを許可するのだがーーー。
平穏な生活を送っていたルードだったが、再びマニシアの体調が悪化し始めたことに頭を悩ませる。なんとかしたいと考えたルードは、新たな迷宮の秘宝を手に入れるため、アモンに情報を聞こうとする。迷宮の秘宝、ブライトクリスタルの存在についてを聞くのと同時、アモンはマニシアの応急処置として魔法の訓練をするように言われる。マニシアは圧倒的な魔力量で魔法を放てるようになり、しばらく体調は改善したのだがまたすぐに悪化してしまう。ブライトクリスタルは魔界に行けば手に入ると聞き、ルードはアモンの力で魔界へと向かうことにするのだがーーーー。
大臣であったグレンと、邪竜を倒す役目を担う聖剣使いカイーー二人は人類を裏切り、フィスデイル王国に大きな影を落とした。そして彼らと相対したジャレム平原の戦いの後、ユキト達来訪者や王国の人達は二人の穴埋めをすべく奔走した。落ち着きを取り戻したのは一ヶ月後。その間、姿を消したカイの捜索や邪竜の動向などを探っていたが成果は上がらず、また動きもなく停滞していた。ユキトは天神であることを公表したリュシルと共に、次の戦いに備えカイとの戦いに勝利した技法『神降ろし』の鍛錬を進めていた。相棒であるディルと共に能力を使うため検証を進めていた時、ある提案を受けるのだがーーーーーー。
戦場で神殿騎士からアユタを守ったシュリ。その結果、アユタは『理想の相手』であるシュリへ恋心を抱くが、テビス姫との会話がきっかけで、常軌を逸してシュリに執着するようになり、周囲を巻き込むことに。シュリは自分への歪んだ恋心を抑えるために決死の覚悟でアユタを諫めた。一旦は落ち着いたものの、その執着の原因がカグヤが書いた官能小説だったことを知ったコフルイが激怒して小説の朗読会を実施。皆の前で晒し者にされたシュリとアユタとミコトは羞恥心にまみれるが、砦は平穏な日常を取り戻すかに見えた。しかしグランエンドの首都にいるはずのリュウファが突然やってきて、一気に緊迫感に包まれる。
エルフの里を出てから半年後。山麓都市ツァイオンでアスラとミレディ、神級精霊のコーラスは魔大陸へ旅立つための資金を、エルフの里でヴィカとジュリアは旅に必要な情報を、それぞれ集めていた。五人の魔大陸への旅の計画もいよいよ大詰めというとき。時を同じくしてエアスリル王国の姫君であるネブリーナ=エアスリルは、アスラたちとは別に魔大陸へ騎士隊を進軍させる段取りをつけるため、ツァイオンを訪れていた。ネブリーナの目的は、騎士隊の進軍に伴い、アスラとミレディに同行の依頼をすることだったが、友人としてアスラたちとの再会も心待ちにしていた。しかし、ネブリーナと再会したアスラは、驚いたのだった__。
リグザールに続き、侵攻されたイストリアの王女を助けたキッドは、仲間になった剣王ドクトゥスーードクの娘を救うため、レアとエペとともにイストリアの隣国であるパトリアへと向かう。そこでキッド達が目にしたのは、奴隷として扱われる亜人達の姿だった。明らかに不自然な国の在り方にキッドは他国の侵略を受けていることを確信する。理不尽には理不尽で対抗するーーキッドはそのチートな力を存分に振るい、一滴も血を流すことなく合法的に奴隷達を解放した。すると青狼族の最強脳筋男が現れたが、話の通じないその男にキッドは容赦なく未完成の必殺奥義を繰り出す。倒された男はキッドの強さを認め、配下となるのだった。
中央に戻り、外廷の医務室勤務になって医官たちの仕事を手伝う猫猫。後輩もでき、新しい部署にも慣れていく。しかし猫猫たちが不在の間に、宮廷では妙な派閥争いが起きつつあった。正しき血統を維持しようとする皇太后派と、新しき流れを作ろうとする皇后派。安氏と玉葉の意思とは裏腹に、周りは次第にきな臭くなっていき、特に若い武官たちの間では、傷害沙汰が繰り返されていた。そんな中、猫猫は姚に頼まれて「名持ち」の一族の会合に参加することになるのだった。
その中年男は、罪を重ねてきた。二度寝、遅刻、居眠り、サボり、深酒、虚偽、欺瞞、等々。法に触れない範囲で、たくさんの悪事を働いてきた。異世界へと迷い込み、強い力を手に入れてからは、堰を切ったかのようにやりたい放題。盗賊を襲撃して逆に強奪したり、美女の弱みにつけ込んで契約を強要したり、多くの女性をたらし込んだり……。 そしてまた、今日も今日とて罪を犯す。現代日本では大罪、ここ異世界では合法。人権無視なのに人助けになることもある、倫理観の違いを象徴するかのような罪。金さえあれば誰でも美女を手に入れられる禁忌の制度。あれこれ理由をつけて中年男は、念願にして禁断の奴隷少女を購入するのであった。
護民官を僭称し、ヘカトンケイルを恐怖で覆ったナバリオーネは獄死した。しかし、ヘカトンケイルは未だ危地のただなかにあった。残桜症ーー高い感染力と致死率を持つ疫病が尚もはびこる中で、季節は巡り、冬となった。降りしきる雪と下がり続ける気温が、史上類を見ない厳冬を物語っていた。ピスフィやナバリオーネが予見していた通り、凍れる冬がヘカトンケイルを襲ったのだ。全球規模の寒冷化と未曽有の疫病に苦しめられ、滅亡めがけて転がり落ちていくヘカトンケイルで、康太は自分にできることを探し続ける。釣り糸を垂らして根魚を釣り、おにぐるみの樹液を煮詰め、干潟で青のりを拾い、移民島の畑で大根を引っこ抜き……康太が出した結論とは?
目的は、盗まれた異世界間転移魔法の設計書を取り戻すことと、後藤の仮の体として使うために等身大の人形を手に入れること。急いでメナエベットへと飛んだカエデたちだが、人形の街と呼ばれるベイスクイットで目当ての人形を見つけるも盗まれてしまい、人形を追ってトタリティへと移動する。トタリティは、盗まれた設計書が持ち去られた場所としてリタチスタが目星をつけていた街であった。しかしリタチスタは設計書が隠匿解除のために別の街へも回されていることを知って危機感を覚え、別行動をしているバロウたちにもそれを知らせるようにカエデに頼んだのだがーー。
アランを追ってベイメール王国にやってきたリョウは無事にアランと再会。晴れて恋人同士となった二人は気の向くままにベイメール王国を旅することになった。旅の途中で弱々しい老人だけの山賊に遭遇する。事情を聞くと、どうやら横暴な領主に働き手をとられて畑も耕せず、生活に窮しているということだった。話を聞いたリョウはその農村に手を貸すことに決めて、アランと移住することにした。リョウはとある秘策で村の食料事情を改善し、村人達からは『お嬢』と言われて慕われるようになった。しかし、領主から若者を取り返さない限り村に村未来はない。行く末を心配していると……。
存在自体が伝説とも言われている「ルネイアース大迷宮」が復活した。その第37層から脱出してポーンソニアの王都に戻ったヒカルはポーラと合流できたが、日本に残されたラヴィアに再会するために発動させた「世界を渡る術」は、失敗してしまう。そんなヒカルたちの前に現れたのはマンノームの3人組。彼らはヒカルとポーラをマンノームの隠れ里へと案内するのだが、その里は外界から隔絶された大洞窟の果てにあった。マンノームは「ソウル」のエネルギーを利用してきた一族であり、「魔力」の利用は最小限にとどめるべきと主張していた。「世界を渡る術」はサーク家の魔術、つまり大迷宮の復活によって妨害されているらしかった。ヒカルはその妨害を阻止するために新たな戦いを挑むのだが…。
人魚災害によって横浜の過半が崩壊してから、三年以上の月日が流れた。毒によって超常の力を得た魔女たちは、野放図にその力を振り回しては多くの被害を出していた。魔女狩りも日災対も消えた日本で、猖獗する魔女の愚挙に歯止めを利かせるものはなかった。人魚に被災し両親を喪ってから心を閉ざしていた少女、虹彩の魔女蛞頭巳蛙は、肺胞の魔女に襲われる。命の危機に陥ったミアを救ったのは、拷問の魔女を自称し魔女を惨殺して回る少女、髄鞘の魔女泥雨有果だった。怒りに衝き動かされて苛烈な暴力をふるうアリカのーー拷問の魔女の姿に、ミアは、恋をした。そしてミアは、アリカにすがった。「わたしを……相棒にしてください」アリカは、応じた。「いっしょに殺そう、ミア」
グランエンドの国主の城からやって来た六天将の長、ミコトによる監査が終わった。結果は問題なしと判断され、ミコトはアユタ姫の命令によってシュリの過去を探るために、シュリのことを最もよく知っていると思われるテビス姫の周辺を探るために、ニュービストへと旅立った。その後、シュリはネギシに特別な料理を作ってほしいと催促され、困った事態に陥る。アユタ姫専用の料理人として赴任しているシュリとしては、アユタ姫以外の個人のリクエストに応えると問題になる可能性があるため断ろうとするものの、勢いに押されて了承してしまうのだが……。
想像もしなかったなりゆきで、たったひとり異世界のとある場所へと戻ってしまったヒカル。そこは存在自体が「おとぎ話」とも言われるようなダンジョン「ルネイアース大迷宮」だった。ヒカルをここに連れてきた張本人であるソアールネイ=サークは、今いる場所がちょうど大迷宮の中間であると言い、さらに深く潜れば「魔術の真髄」を見ることができると促すが、ヒカルは日本にひとり残したラヴィアが心配で、地上を目指す。大迷宮は自然を模した巨大空間になっており、ヒカルはそこでさまざまな生き物と宝箱を発見することになる。その大迷宮にはモンスターを討伐するべく獣人王ゲルハルトが先遣隊を率いて乗り込んでいたのだった。