出版社 : 主婦の友社
中央に戻り、外廷の医務室勤務になって医官たちの仕事を手伝う猫猫。後輩もでき、新しい部署にも慣れていく。しかし猫猫たちが不在の間に、宮廷では妙な派閥争いが起きつつあった。正しき血統を維持しようとする皇太后派と、新しき流れを作ろうとする皇后派。安氏と玉葉の意思とは裏腹に、周りは次第にきな臭くなっていき、特に若い武官たちの間では、傷害沙汰が繰り返されていた。そんな中、猫猫は姚に頼まれて「名持ち」の一族の会合に参加することになるのだった。
その中年男は、罪を重ねてきた。二度寝、遅刻、居眠り、サボり、深酒、虚偽、欺瞞、等々。法に触れない範囲で、たくさんの悪事を働いてきた。異世界へと迷い込み、強い力を手に入れてからは、堰を切ったかのようにやりたい放題。盗賊を襲撃して逆に強奪したり、美女の弱みにつけ込んで契約を強要したり、多くの女性をたらし込んだり……。 そしてまた、今日も今日とて罪を犯す。現代日本では大罪、ここ異世界では合法。人権無視なのに人助けになることもある、倫理観の違いを象徴するかのような罪。金さえあれば誰でも美女を手に入れられる禁忌の制度。あれこれ理由をつけて中年男は、念願にして禁断の奴隷少女を購入するのであった。
護民官を僭称し、ヘカトンケイルを恐怖で覆ったナバリオーネは獄死した。しかし、ヘカトンケイルは未だ危地のただなかにあった。残桜症ーー高い感染力と致死率を持つ疫病が尚もはびこる中で、季節は巡り、冬となった。降りしきる雪と下がり続ける気温が、史上類を見ない厳冬を物語っていた。ピスフィやナバリオーネが予見していた通り、凍れる冬がヘカトンケイルを襲ったのだ。全球規模の寒冷化と未曽有の疫病に苦しめられ、滅亡めがけて転がり落ちていくヘカトンケイルで、康太は自分にできることを探し続ける。釣り糸を垂らして根魚を釣り、おにぐるみの樹液を煮詰め、干潟で青のりを拾い、移民島の畑で大根を引っこ抜き……康太が出した結論とは?
目的は、盗まれた異世界間転移魔法の設計書を取り戻すことと、後藤の仮の体として使うために等身大の人形を手に入れること。急いでメナエベットへと飛んだカエデたちだが、人形の街と呼ばれるベイスクイットで目当ての人形を見つけるも盗まれてしまい、人形を追ってトタリティへと移動する。トタリティは、盗まれた設計書が持ち去られた場所としてリタチスタが目星をつけていた街であった。しかしリタチスタは設計書が隠匿解除のために別の街へも回されていることを知って危機感を覚え、別行動をしているバロウたちにもそれを知らせるようにカエデに頼んだのだがーー。
アランを追ってベイメール王国にやってきたリョウは無事にアランと再会。晴れて恋人同士となった二人は気の向くままにベイメール王国を旅することになった。旅の途中で弱々しい老人だけの山賊に遭遇する。事情を聞くと、どうやら横暴な領主に働き手をとられて畑も耕せず、生活に窮しているということだった。話を聞いたリョウはその農村に手を貸すことに決めて、アランと移住することにした。リョウはとある秘策で村の食料事情を改善し、村人達からは『お嬢』と言われて慕われるようになった。しかし、領主から若者を取り返さない限り村に村未来はない。行く末を心配していると……。
存在自体が伝説とも言われている「ルネイアース大迷宮」が復活した。その第37層から脱出してポーンソニアの王都に戻ったヒカルはポーラと合流できたが、日本に残されたラヴィアに再会するために発動させた「世界を渡る術」は、失敗してしまう。そんなヒカルたちの前に現れたのはマンノームの3人組。彼らはヒカルとポーラをマンノームの隠れ里へと案内するのだが、その里は外界から隔絶された大洞窟の果てにあった。マンノームは「ソウル」のエネルギーを利用してきた一族であり、「魔力」の利用は最小限にとどめるべきと主張していた。「世界を渡る術」はサーク家の魔術、つまり大迷宮の復活によって妨害されているらしかった。ヒカルはその妨害を阻止するために新たな戦いを挑むのだが…。
人魚災害によって横浜の過半が崩壊してから、三年以上の月日が流れた。毒によって超常の力を得た魔女たちは、野放図にその力を振り回しては多くの被害を出していた。魔女狩りも日災対も消えた日本で、猖獗する魔女の愚挙に歯止めを利かせるものはなかった。人魚に被災し両親を喪ってから心を閉ざしていた少女、虹彩の魔女蛞頭巳蛙は、肺胞の魔女に襲われる。命の危機に陥ったミアを救ったのは、拷問の魔女を自称し魔女を惨殺して回る少女、髄鞘の魔女泥雨有果だった。怒りに衝き動かされて苛烈な暴力をふるうアリカのーー拷問の魔女の姿に、ミアは、恋をした。そしてミアは、アリカにすがった。「わたしを……相棒にしてください」アリカは、応じた。「いっしょに殺そう、ミア」
グランエンドの国主の城からやって来た六天将の長、ミコトによる監査が終わった。結果は問題なしと判断され、ミコトはアユタ姫の命令によってシュリの過去を探るために、シュリのことを最もよく知っていると思われるテビス姫の周辺を探るために、ニュービストへと旅立った。その後、シュリはネギシに特別な料理を作ってほしいと催促され、困った事態に陥る。アユタ姫専用の料理人として赴任しているシュリとしては、アユタ姫以外の個人のリクエストに応えると問題になる可能性があるため断ろうとするものの、勢いに押されて了承してしまうのだが……。
想像もしなかったなりゆきで、たったひとり異世界のとある場所へと戻ってしまったヒカル。そこは存在自体が「おとぎ話」とも言われるようなダンジョン「ルネイアース大迷宮」だった。ヒカルをここに連れてきた張本人であるソアールネイ=サークは、今いる場所がちょうど大迷宮の中間であると言い、さらに深く潜れば「魔術の真髄」を見ることができると促すが、ヒカルは日本にひとり残したラヴィアが心配で、地上を目指す。大迷宮は自然を模した巨大空間になっており、ヒカルはそこでさまざまな生き物と宝箱を発見することになる。その大迷宮にはモンスターを討伐するべく獣人王ゲルハルトが先遣隊を率いて乗り込んでいたのだった。
ライオン族のあにまる、ライオネスが島リーダーを務める完全武闘派の異色島、ぶどう島と友好関係を築いた、サラリーマン森進率いるおじさん島。今まさに、島ランキング一位と二位の島との同盟締結式が行われようとしていた。そこに集まったのはふどう島の傘下島のおじさん達。「あー、いやはや、私は小森健三郎(50歳)。ショーバイショーバイ島のリーダーです」「俺達、天上天下唯我独尊島だぜ! リーダーの森之丞佑季(38歳)だ! 夜露死苦!」「ホンカンは森田雁馬と申します(43歳)。GANMA島のリーダーで、警官をやっております!」おじさん、おじさん、おじさん。右を見ても左を見ても一癖二癖もある、おじさんだらけ。シリーズ最高のおじさん濃度の高さに、あなたはついていける!?
新勇者アルティナはカインと決闘したものの和解して、仲間に加わることになった。そしてリズことリーズリンデたちの学園へと編入して、新たな道を歩み始める。人見知りするアルティナは、慣れない環境に戸惑いながらも良き学友にも恵まれて、学園での生活に少しずつ馴染んでいく。一方、勇者チームでも新メンバーの歓迎会として女子会が行われ、アルティナはシルフォニアたちと親睦を深めていく。当のアルティナはカインとの恋の進展をあれこれ聞かれて困ったり照れたりするが、そんな腹を割ったぶっちゃけた話によって彼女たちの絆はどんどんと深まっていった。
西都に残る人たちと別れ、一年ぶりに中央に帰ってきた猫猫たちは、また以前の仕事に戻る。蝗害、西都のお家騒動からようやく離れることができて、平穏な日々が戻ってくるかに思えたがーー。猫猫が帰って来てもまだその友人たちに居候されて困る羅半。上司のげんこつを食らいながら、毎日面白そうなものを探す天祐。面倒くさい客の相手をしながら、どのように技女を引退するか考える女華。弟の恋についてあれこれ画策する麻美。お嬢さまの心境に不安しかない燕燕。言動と心境にずれが生じ、ちぐはぐな行動ばかりしてしまう姚。蝗害の災禍にたった一人立ち向かい、生きて西都に戻った羅半兄。西都でも中央でもそれぞれ違う人生があり、皆が皆、自分なりの悩みを抱えて生きていた。
アバンシアにて日常を送っていたルードだったが、近隣でゴブリンの巣が発見されたと報告を受ける。時を同じくしてニンから、行方不明になっている聖女の捜索を手伝ってほしいと依頼を受ける。ゴブリンの巣内部に聖女と思われる反応を確認したルードは、仲間たちともにゴブリンの巣の攻略へと向かう。 ゴブリンの巣の攻略を行うとそこには依頼にあった聖女ミーティの姿があった。ミーティを保護して一件落着と思っていた矢先、ミーティから新たな依頼を出されることになる。 「魔物に襲われているイージス村を救ってほしい」そう語るミーティの傍らには、異様な魔力を持つ魔王リービーが姿を見せた。
「戦う乙女達の庭園」という呼び名に偽りはなかった。生徒会役員の一人、アントワネットの凶行を退けたのも束の間、今度は風紀委員を名乗る連中がアルトとテイタニアの前に現れた。学園の治安を守る名目で一戦交えると思っていたが、風紀委員長のニィナは生徒会長のウツロと対立する立場で、彼女をその座から引きずり下ろす為に囚われたアントワネットの対話を、悪事を暴いたアルト達に対する筋道を通す為に現れたのだ。学園内の権力闘争には興味は無いが、ウツロには外敵因子と関わりの疑惑があり、何よりも負けっ放しなのは癪に障るので、とある条件をつけたのだがーーーー。
クロエの占いにより、名も知らぬイストリアの王女を助けるため、キッドはリカルドの故郷イストリア王国へと向かう。そこに待ち受けていたのはストゥルトゥスの黒騎士を一方的に殲滅した、見た目少女の戦闘狂魔導師メリル率いる魔導戦鬼と呼ばれる特殊部隊であった。メリルとの対話(物理)を終えると、今度そこに現れたのはリカルドの妹!?リカルドの妹からイストリア王城の調査を頼まれたキッドは、占いでは王女が危険とのことで、急いで単身王城へと向かう。その道中、獣や敵の兵士に襲われる少女を発見して助けるが、彼女は囮として王女に化けた、王女付きの侍女だったーーーーーー。
日本へと戻ったヒカルとラヴィアを、突然カメラのフラッシュが捉えた。「東方四星」と同じマンションに偶然住んでいた新聞記者、佐々鞍綾乃との出会いである。彼女に撮られた写真を取り上げようとしたヒカルだったが、あまりに記者としてポンコツな彼女が気の毒になり、写真を消すのと引き替えに「隠密」を駆使して彼女にスクープネタを渡すことにする。それは現職の大臣と政治家秘書が絡む、大規模な汚職事件だった。一方、ヒカルと入れ替わりにポーンソニア王国に戻った「東方四星」はポーラと合流するのだが、こちらでも予期せぬ大問題が起きていたのだった。
隣国プロクス王国との戦争を防ぎ、魔法学校に帰ってきた少女たち。フェリスはプロクスでの暴走を止めてくれたジャネットに恩返しをしようと奔走し、そのためならなんでもすると言い放つ。「じゃあ……わたくしの恋人になってくださいます?」。我慢できずにお願いしてしまうジャネット。驚いたことに、フェリスは願いを受け入れる。降って湧いた幸運に、ジャネットは夢かと疑いながらフェリスとデートする。フェリスは恋人もデートもよく分かっていない様子だが、二人で可愛い洋服を見て回ったり、レストランに行ったり、演劇を観たりと満喫する。そんな中、ジャネットは奇妙な経験をしていたーーー。
ドラゴンが突如出現して騒然とする王都。討伐のため、ドラゴンハンターの一員としてカエデに与えられた仕事は倉庫でのハイポーションの生成だった。しかし、カエデは安全な王都ではなく、カルデノと共に魔物が徘徊する王都の外の補給所へ向かうことになった。防御は万全と思えた補給所であったが、巨大なトカゲが侵入して、立ち向かったカルデノは片腕をトカゲに噛みちぐられてしまう。カエデは、彼女を助けるために『妖精の水』と『天龍草』を手に入れ、マキシマムポーションを作って失った腕を再生させることに成功する。それを見たアスルは同じように手足を失うアイスのために立ち上がる。
温泉のあまりの気持ち良さに、とうとうパンダがおじさん島の住民となった。パンダの仕事を決める為、あにまる達は学級会を開くことになるのだが、パンダのワガママ発言が飛び出す。また、フラワー島との同盟も締結し、島民全員で遊びにいくことに。綺麗な花が咲き誇る島にネコミ達も感激して、二つの島は親交を深める。そんな平和な島生活がいつまでも続くかに思われたが……おじさん島に、石ノ森翔という格闘ゲームの主人公の様な風貌のおじさんと、獅子族のあにまる、ライオネスが訪ねてきた。ぶどう島という『はたらけ! おじさんの森』計画第二位の島の脅威が迫っていたのだった。疾風怒濤の第三巻、開幕!!
グランエンドでかつての同僚で友人である篠目と再会したシュリ。だが、シュリは再び遠くへと赴くこととなる。そこはグランエンドの支配者、ギィブの末姫であるアユタが長を務める前線基地であり、シュリをアユタの料理人にするためだった。しかしアユタは好き嫌いが激しく、激辛料理以外を食べると躊躇なく暴力を振るう手に負えない姫様だった。実際に被害に遭っている前任の料理人から話を聞いたシュリはアユタに激辛以外の料理を振る舞い、この状況を打開しようと決心する。アユタの激辛好きを改善し、シュリがここから去った後の料理人たちが危害を加えられないようにするために行動を開始するのだが……。