出版社 : 講談社
「アンギヌムの壺」を見つけた者が後継者ーという不可解な遺言書。オスカーは顔も見たことのない実父の家の遺産相続争いに巻き込まれていた。一方、聖ユコラウスの日のプレゼント交換会の話題でもちきりのセント・ラファエロ。だが、ユウリはオスカーが襲われる夢や頭に載っている壺が見えてしまい不安をつのらせていた。呪われた血にユウリの誓願が響く。
聖獣を使役する古の技を探るために、古文書を解読しようと考えたアリアは、オレリーを自分の師と仰ぎ必死で学問三昧の日々を送る。一方、ディクスは、奇妙な発明ばかりしているパジャンの説く、「精霊の力を借りない世界」という考えに心惹かれつつあった。そして、王立騎士団に戻ったライルを待っていたものは、突如現れた聖獣の巫女姫であるアリアの情報を引き出そうとする、王家の執拗な問いであったー。
ハロウィーンを目前に控え、日に日に生徒たちが興奮ぎみの全寮制パブリック・スクール、セント・ラファエロ。だが、ユウリただ一人が、学校を覆う陰々とした空気や届いた意味不明の手紙に不安を感じていた。そんな折、悪戯妖精ロビンから妖精王の客人だったヒューが行方知れずだと聞かされる。彷徨うヒューの魂ー。連れ去られたエマーソン。闇夜のハロウィーンでいったい何が。
日本画の大家を父に持ち、美貌と才能に溢れる若き洋画家・佐伯渓舟は、助手であり恋人でもある相良司とともに暮らしている。小さなトラブルが起こることもあるが、強い絆で結ばれているふたりは幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、司の過去を知る男、そして渓舟の過去を探る男が現れたことにより、平穏な生活は少しずつ狂い始めていき…。
「我が名は光焔。汝を守護するものなりー」無事に黄金の竜との契約をすませ、晴れて幻獣遣いとなったアリアを待っていたのは、「アランダム騎士団の巫女姫」という大層な地位だった。戸惑いながらも、騎士団での暮らしに飛び込むアリア。しかしそれは、ここまで共に旅をしてきた聖従者の仲間と別れることであり、幼なじみと敵対する運命でもあった…。本格異世界ファンタジー第二弾。
ハロウィーンの準備でてんてこ舞いの全寮制パブリック・スクール、セント・ラファエロの生徒たち。だが、そんな喧騒をよそに、霊廟跡地では精霊召喚の儀式を行う怪しい集団がいた。ベルジュ家の災難を解決して、フランスから戻るユウリとアシュレイは、濃い霧で寮に辿り着けない。「迷ったではなく、迷わされた」というアシュレイ。学園でいったい何が起こっているのか。
リアラ女神の加護のもと、精霊や幻獣が息づく世界。この国の少女たちは、生まれたときから精霊に守られて育つ。しかしそれは、月が満ち、大人になる儀式が終わって、精霊の代わりにより強大な「幻獣」が使役できるようになるまでのこと。リスタル王国の辺境に住むアリアは十四歳。期待と不安を胸に、いよいよ幻獣との『契約の儀』を迎えることになるのだが…。本格異世界ファンタジー開幕。
モデル並みの体躯と精悍な顔立ちの御堂千祥と相棒で中性的な顔立ちの神原瑞希。彼らは警視庁の個性派集団「グループ・イレブン」に所属する刑事。ある日、二人は千祥の元妻・小夜子も出店する宝石展へ向かい、イタリア人のパトロンを紹介される。しかし数日後、そのパトロンが殺害された。持つ者を不幸にするというブルーダイヤの呪いか!?青と赤の輝きに惑う事件の真相は。
「俺はもう耐えるだけの毎日はまっぴらだ」!?世が世ならお殿様である室生家十八代目、室生邦衛と世が世でも一般庶民の滝沢明人。ふたりの関係が幼馴染みから恋人へと発展したのは、つい最近のことである。だけど、キスから先はお預け状態!好きだけど抱けない。抱きたいけど好きだから抱かない。一生つき合いたいからこのままで、なんて邦衛の不条理にはつき合いきれない!!明人、反撃開始。
父、ベルジュ伯爵が倒れ、急遽フランスに戻ってしまったシモンにユウリは不安と寂しさを募らせる。一方、予知能力のあるシモンの異母弟アンリは、ベルジュ家が崩壊するのを見てしまい、父の部屋に残された金貨を手がかりに原因をさぐろうとする。突然アシュレイと一緒に現れるアンリ…。金貨の意味は!?イギリス、フランス、イタリアを舞台に、アンリの出生の秘密が明らかに。
夏休み。富士山噴火の危機のなか、一足先に日本に帰国していたユウリを追って、シモンも来日した。その頃、ユウリは従兄弟であり、霊能者として絶対的な権威を持つ幸徳井隆聖に禊祓いをさせられていた。隆聖は富士山の沈静化のためユウリと一緒に、術を施そうとしていたのだ。一方、骨董品を持って京都に来たアシュレイ…。ユウリをめぐるスリリングで、アブナイ休暇。
銀杏村で暮らしはじめたゴータの日々がゆるやかに流れていく。銀杏村ー不思議の村。妖しが人と共に生きている村。風に、雲に、雨に、闇に。銀の雨の降る水無月。苗代に早苗の翠映り、川原に蒼く蛍舞う。日々を重ねて文月、葉月。やがて亡くなった祖母の新盆がやってくる…。銀杏村で生きるゴータの、穏やかで、どこか懐かしい、不思議の日々、はじめての夏。
「あれ? もしかしてーー琴平(ことひら)さん?」人気テーマパークに小一郎(こいちろう)たちと遊びにきていた敏生(としき)は、人込みのなかで誰かに呼ばれ、振りかえって、目を丸くした。かつての事件で会った懐かしい顔ーー当時は女子高生だった2人の女性の姿が、そこにあったからだ。その2人から持ちかけられた、ある相談事。「あるひとから預かってくれって頼まれたものがあるんです。でも、それが……」 姿を消した女性が託したものはーー 闇を切り裂くネオ・オカルト・ノベルス! 「あれ? もしかしてーー琴平(ことひら)さん?」人気テーマパークに小一郎(こいちろう)たちと遊びにきていた敏生(としき)は、人込みのなかで誰かに呼ばれ、振りかえって、目を丸くした。かつての事件で会った懐かしい顔ーー当時は女子高生だった2人の女性の姿が、そこにあったからだ。その2人から持ちかけられた、ある相談事。「あるひとから預かってくれって頼まれたものがあるんです。でも、それが……」思わぬ事態が手繰り寄せられようとしていた。 一章 かなうこと、かなわないこと 二章 足りないものだけそっと 三章 何一つ持たずとも 四章 冷めやらぬ衝動 五章 名もなき君の 六章 君にだけ伝えたい あとがき
来期の生徒自治会代表を選出するために活気づく学内。ダーウィン寮の寮長に内定した頭脳明晰、容姿端麗なバフォートが何かにつけシモンに擦り寄っていた。彼はアシュレイとただならぬ関係だった生徒で、ユウリは心穏やかではなかった。一方、「答えられていない問いの答え」とアシュレイからユウリの首にかけられた十字架のペンダントの意味は…!夏至前夜祭に何かが起きる。
室生家十八代次期当主、室生邦衛、二十一歳は世が世ならお殿さまと呼ばれる男である。特技は一瞬の恋。しかも相手選ばず、所構わず…。そんなマイウェイ男の幼馴染み・滝沢明人の悩みは、自分に対する邦衛の異常なまでの独占欲だ。友人が明人の肩に触れることも許さなければ、自分のデートにまで連れていくのだ!!俺っていったい何!?日々、邦衛に振りまわされる明人に明るい未来は訪れるのか?不条理ラブ登場。
オニールに請われカテリナ女学院で上演される悲劇『ハムレット』に、オフィーリア役で、出演することになったユウリ。顔合わせのため、学院を訪れた日、ユウリはヤナギのそばに立つ朧な影を見てしまう。-オフィーリアが水の中から蘇ると人が死ぬー。カテリナ女学院にはオフィーリアを演じると、水難に遭うという呪詛がかけられていた。そして、ユウリもまた…。
クリスマス待降節も近いある晩、突如、轟音が響き、魔術師という異名のアシュレイが死人のような冷たさで倒れていた。その時、ユウリは腐り果てた彼の幻影を見てしまう。アシュレイに取り憑いていた白い服の修道士が見えないことに不安を抱くユウリ。ユウリに贈られた謎のプレゼントには、以前、アシュレイとおこなった交霊術で使った黒い石と『ゲーム再開』のメッセージー。アシュレイの身に何が。
「おまえの名は森ー罪」天本の脳裏に、あの男の言葉がよみがえる。行方不明になった河合。重傷を負った早川。龍村は負傷し、誰より愛しい敏生は枴された。そしてついに式神・小一郎までもがー。これはおまえの罪。知らなかった罪。知ろうとしなかった罪。あの男はそう言った。では、すべての事件はそのために起きたのだというのか。だが、いったい誰がこんなー?天本の前にいま、驚愕の真相が現れる…。
死者の魂が蘇るという万聖節の宵祭を目前にひかえ、英国の全寮制パブリックスクール、セント・ラファエロでは、ヒュー・アダムスの幽霊が出没すると囁かれていた。亡き友、ヒューが蘇ろうとしているのか?ヒューの死に関わって、ひどく負い目を感じていたユウリは、交霊術で本物の霊を呼び出してしまう。死者が灯したランタンに誘われ、広がる闇に向かっていくユウリは、そこで…。