出版社 : 講談社
修一の寮での怪事件から二週間が過ぎたある日、蠱物師・嘉神が不可思議な依頼を持ち込んできた。理由もなく突如自殺した女性の魂を呼び寄せてほしいというのだ。自分の管轄外と考えた竜憲は、この件を鴻に任せるが、数日後、真紀子と共に買い物へ出た帰りの踏み切りで、自らが奇妙な自殺現場に遭遇してしまった。次々と続く、原因不明の自殺騒動。果たしてこれらは意図されたものなのか。
真琴は、奥田先生のこと気になっていた。音楽室の廊下で声をかけてもらった時から、先生の携帯電話を拾った時から。ううん。それよりも、もっと前、入学式の時から。真琴と先生は、小説家になりたい同じ夢を見ていたことで強く引かれあう。だけど、先生は結婚している。この気持ち認めるわけにはいかない、真琴は、そう言い聞かせてきた。あの日までは-。
わたし、松永萌。15歳の高校一年生。北海道から転校したてという以外、とりたてて変わったところのない女の子って言いたいんだけど…普通でないことがたった一つ。じつはわたし、双子なの。しかも、双子の片われは男なんだ!名前は郁弥。このお兄ちゃんが転校早々、生徒会長に立候補しちゃったから、もう大変!学園じゅう大騒ぎなの。選挙のおかげで、わたしの恋の雲行きまであやしくなるし…このさき、どーなるのっ。
「僕、たぶん、まだやれることがあるから」天本はぎょっとして、敏生の顔を見やった。敏生は、微笑していた。そら恐ろしいほどの水音の響く中、血と土とに汚れたその顔は、地底の闇の底で、優しく、柔らかな微光を放っているかのように見えた。「だから…生きて。天本さん」次の瞬間、少年の身体は怒濤の渦に消えた。追儺師・天本と半精霊・敏生。かつてない恐怖、そして最大の敵が二人を襲う。
聖夜少年の目覚めぬ理由がついに判明した。原因を排除すべく動きだす圭介。その間にもドリーム・シミュレーションは着々と進む。四日め午後。初音=鷺姫、姫夜叉=シャン・ホア=木曽屋の娘という事実を知った一行は、これら厄介ごとに着手する前に、都の妖怪を集めて五つめの魔我珠を作ることにした。が、その矢先、木曽屋で火事が起こって!?現実を超えて少年たちが戦う、電脳世界のアクション・アドベンチャー第五幕。
「8年前に失踪した、兄の婚約者を探して下さい-」雨の中、桜崎探偵事務所を訪れた女の人は思いつめた目をして、そう言ったの。婚約したばかり、幸せの絶頂のさなかに、どうして彼女は消えてしまったの!?あたし、工藤由香。婚約者を殺したと思われているお兄さんの無実をはらすため、依頼を受けたのはいいんだけど-はたして、8年前の事件の謎が解けるのかしら。
情熱の国で『元気になる水』の原料にされそうなアリスを救出に向かった胸キュン・ペアー。そこには、過酷な試練が待ち受けていた!トシオは、女王様の愛のビビビ光線を受けて、千番目の愛人になっちゃうし、タカシは、いきなり闘牛士にさせられるし、ゆかりは、大胆なサンバの衣装を着せられ、カーニバルで踊りつづけなきゃならないし…。早くアリスを助け出さないと、このままでは、情熱のパワーでみんな燃えつきちゃう。
女のコたちにとびっきりの出会いを提供してさしあげる『リトル・キューピッド』。女子高生モネの始めたビジネスは、鉄男やあきらの助っ人のおかげもあって、大繁盛!でも、今度の依頼は、とっても難問…。「有名人を紹介して」と依頼してきたのは、超太めの女の子、愛里。どーする、モネ!?-読めば絶対ヤセられるってほど、世間は甘くない…けど、確かなヒントはあるよ、きっと。そんな1冊です。お楽しみください。
近づいてくる男の気配を感じ、成見が座ったまま後ずさると、彼は身を屈めて耳元に唇を寄せてくる。「-君が欲しいんだ」ぞくっとするほど低く穏やかな声が、成見の鼓膜を震わせていった。予備校生の成見智彰は、渋谷の街で不審な男に勧誘される。強引につれていかれたビルの地下で男の口から囁かれた言葉に、成見の心は捕らわれて-。
一瞬だった。だけど見間違いじゃない。彼は彼女にキスをした-。いつも電車で見かける彼に、恭子はひとめ惚れ。勇気をふりしぼって告白しようとしたのに、彼、響にはかわいい彼女がいた。どうしてもあきらめられない。彼女の兄、立花先輩を友達から紹介された恭子は、ある決心をする。彼女に近づき、友達になる。そして、きっと彼を奪ってみせる。
ある朝、病院の庭で、首を吊って死んでいるひとりの老婦人が発見された。警察は彼女の死を自殺だと判断した。彼女の主治医も、友人知人も、彼女が重い病気を悲観して、死を選んだと考えた。誰もがそれを自殺と信じて疑わなかった。-たった一人の少年を除いては。あたし、工藤由香。少年の依頼を受けて、半信半疑ながらも、調査を始めたあたしたち。ところが、その少年が命を狙われて…。
「うおおお〜っ。びやああ〜っ!!」ジェットコースターは、絶叫する胸キュン・ペアーを乗せて、恐怖の国へ!ここでは、人類を恐怖のどん底におとしいれるため、最終恐怖兵器の“アリス爆弾”を作る計画が!?早くアリスを見つけて脱出しないと、いくら食べてもおなかがすく食欲地獄で、ひろみやゆかりが、おデブになっちゃうし…。助けてMI、アリスを絵本の世界に帰して。
予備校講師の久住は、肩に擦り寄ってくる感触に、半分眠ったままで腕を彷徨わせた。(-あれ?)抱き寄せた身体は温かかったが、なにかが違った。スレンダーな女性は好みだけれど、こんなにも肉付きの悪いヒップはついぞ覚えがない。-そうだ。痩せた女ではない。これは、発育途上の少年の身体だ。目を開けるとそこには、昨日、山手線の中で拾った桜庭環のあどけない寝顔があった。
「家族って、無関心で鈍感なくらいがいいのよ。だからずっと一緒にいられるの」山田家最大のタブー、それは長男・今日介の、姉・明日子への恋愛感情だった。姉といっても、実はいとこ。幼いころ山田家に引きとられた明日子も、両親同様、弟の“初恋”に気づかないふりをしてきたのだが…。ミュージシャンになる夢までも父親に踏みにじられた今日介は、ついにキレて家を飛びだす!そして2年後、思わぬ再会をしたふたりは。
三月のネオ・ミレニアムの事件から数か月。岩長猛を亡くし、亮とも会えぬままに夏を迎えた咲也は、物部財団次期会長お披露目のため、豪華客船に乗船していた。時を同じくして、ネオ・ミレニアムの幹部「クイーン」は、ある男を使っての咲也掠奪を目論む。一方、米国の裏切りにあった亮は、横須賀の米軍施設脱出を図っていた!!光と闇の使者が華麗に舞う、近未来世界のサイキック・アクシヨン・ロマン第三幕。
天本の喉から、苦悶の声があがった。まがまがしいほど美しいーあの人の面影をうつした人形のやわらかな舌が、無抵抗の天本の唇を、ゆっくりと割っていく。(罠だ。…これは、妖しの仕掛けた…罠だ)だが、抗う力は、もはや残っていなかった。(すまない、敏生…)-それが、最後の正気の言葉であったか。追儺師・天本と半精霊・敏生。話題のコンビが百鬼を討つ!ネオ・オカルト・ノヴェル。
アリスが“勉強の国”に誘拐された!?さっそく出動した胸キュン・ペアーが、まちがって着いたのは“不勉強の国”。なんたってここでは勉強すると叱られるんだから、タカシやトシオにとっては超ラッキー!しかし楽なことは続かない。めざす“勉強の国”のパズルは難問奇問あたりまえ!いきなり勉強熱心なサルに敗れて、めげるタカシ…。こんなことで無事アリスを救出できるの!?ガンバレ、胸キュン。