出版社 : 講談社
あたし、川野和流。両親が離婚したせいでマンションでひとり暮らし…のはずだったけど、未来からタイムスリップしてきた玄之丞と、清い同居生活中。でも、これって信じてもらえないよね。とくに親には。玄之丞とのことで、両親と困った争いにハマッてしまった和流が、玄之丞と見つけた結論とは。野うさぎが遊ぶ、高原の教会でこのふたりが挙げる結婚式とは。
1995年最後の夜。そびえたつ、街の摩天楼の谷間で。「…21世紀の年明けは。もう一度ここで、キスしようよ」望がわたしの目を見つめて言った。わたしも望を見つめてる。5年たったら。同じ場所、同じ時刻に。…キスをしよう。それは、20世紀で最後の。21世紀で最初の。-永い永いキスを。
伸は顔をあげ、僕を見つめた。「…惚れたまま、別れた相手がいるっていうのも、勲章かな」その刹那、僕の脳裏に、まばゆいばかりの海辺の景色が広がった。色とりどりのビーチボール、点在するパラソル、寄せては砕ける波の音…。そして、白いテント屋根の下で、笑って並んで立っている、僕と伸。…あの夏、僕は一生分の恋をした。
「大好きなことが多ければ多いほど、嫌なことが起きたとき、跳ね返す力も大きいのよ」友人関係に失敗した知紗都に、もう一度学校へ戻る勇気を与えてくれたのは、表参道に住むエレガントな男の叔母様。「一人で生きられるように。一人きりで生きたりしないように。幸せは一本の定規では測れないのだから」。
あたし、山田葉月。15歳の高校1年生。あたしの初恋は、12歳、小学校6年生のとき。相手は、転校生の千堂正広くん。あたし、思いきって告白する決心して、千堂くんのこと呼びだしてもらったんだけど、ダメだった…土壇場で勇気がなくなって、けっきょく、自分では告白できずに、友達に代理で告白してもらっちゃったの…。だけど、千堂くんから返事は、ナシ…。ところが、なんと、3年後-。
大好評「好きから始まる」短編集シリーズ第8弾。純愛から生まれた三つの恋の物語。修学旅行で、やっと巡ってきた告白のチャンスと友情の板ばさみに悩む、『恋の修学旅行』。いつだって、優しく見つめてくれていた男のコの、本当の恋心に気づく、『大人のレッスン』。ちょっとワルっぽい男のコに魅かれ、告白する勇気を捜す、『あの朝、海を見つめていた』。-100パーセント、ピュアな想いを描いた純愛短編集。
アリスが王様の国に誘拐されちゃった。さっそく救出に向かった胸キュンペアー。ところが、どっちを向いても王様だらけ。どうやら、“本当の王様”になるためにはどうしても足りないものがあって、それを満たすためにアリスが連れ去られたらしいの。「神様のほうが王様より偉いんじゃ」なんて威張ってないで、M1も力を借してよ。でも、メチャむずかしいパズルを解かないと進めない。早くしないと、アリスが危ない。
平凡だけど幸せな毎日は、意外にもろくてはかなくて、ある日突然、壊れてしまうもの-。そして、愛が試されるとき。すごく、とても、かなり、ツラいけれど。いま、わたしの中で、不可能を可能にする力が生まれようとしている…。前より、もっともっと幸せを感じるために。愛する人のために、あなたはどこまで強く、そして優しくなれますか…。
いつもなら、ラーメンの道具しかおいていないゆーさんの屋台。その屋台の棚においてあった、そこには不似合いな小さな宝石箱。そして、珍しく屋台を閉めて、山に行くと言いだしたゆーさん。…きっと、なにかあったんだわ。だから、こうして私たち、山までゆーさんを尾行してきたのに…。いったいどうして、宇宙人とたたかうことになっちゃったの。
聖一が、義弟に殺された-。悲報に触発され、“離婚”という結論を出したばかりの彰子につぎつぎと浮かぶ聖一と義弟彬の、どこまでも不確かな実像。平凡だけど幸せに満ちたあの七年間は、なんだったのだろうか。偶然の糸に導かれた彰子は、聖一との思い出の地金沢へ向かうが…。ふたりの少年がたどった哀しく儚い“葛藤”の軌跡と、哀しい終幕とは。
第三の鬼孔を探るため、九州・高千穂の山にやってきた卓也と薫は、突然、謎の男たちの襲撃を受ける。バランスを崩して谷川に落ち、意識を失った卓也は、藤の隠れ里と呼ばれる集落で目を覚ました。禁域と呼ばれる禁断の地を侵したため、里の男たちによって処分されそうになる卓也。それを救ったのは、薫の妹・透子だった。霊能力コンビが繰り広げる、妖しの世界のオカルト・ファンタジー第三幕。
-世界が危機に瀕したとき、ヴィシュヌ神は最後の化身カルキとなって、地上に慈悲と恩恵を与えるという…。そして、今。学園が破壊と暴力に包まれる、まさにその直前に、あの男、貴志はパリから転入してきた。その上、謎の外国人が。彼らは、彰の窮地を救うために現れたのだろうか。はるか古代インドの神々が入り乱れての、小沢伝奇ワールドの登場。金翅鳥が救うのは彰と貴志の、どんな未来。どんな縁。
日下百合子は、友人の結婚式に出席するために長崎にやってきた。稲佐山から街を一望しようと、ゴンドラに乗った百合子。ところが、山頂に到着してみると、同乗したカップルが血まみれになっていた。心中、それとも殺人…。途中では誰も乗りこむことができない6分間の空中密室で、いったい何が起きたの。百合子のピンチを知って鹿児島から駆けつけた水谷孝夫。事件とふたりの恋の行方は。
妹にも、親友にも、彼ができちゃって。みんな、つきあい悪くなるし…。あたしだって、17歳。好きな人、欲しいなって思うよ。あ〜あ、ケーキでも買って帰ろっと。で、立ち寄ったケーキショップで、1個しかないケーキをめぐって、生意気な男の子と大げんか。しかも、そいつ、年下のくせに、あたしに「ヒトメボレした」って言うんだよ。今回は、白城家三つ子の2番目、パワフル鈴ちゃんのお話だよ。
今日から、憧れのひとと同じ高校に通えることになった亜衣は、まだ15歳。ホント、難関校だったから、嬉しさは百倍。でも、憧れのあのひとは、部への勧誘のため、はっきりいって超かんじわるいある女のコと「恋人宣言」。許せないっ。とここまでは、フツーの恋の悩みだけど、亜衣のあのひととは、じつは二つ上のお兄ちゃんのことで…、これってあぶないよね。これから亜衣は、どうしたらいいの。うっ。
花の都ラグーザで、騎士団に志願したヴァイス。城内で見かけた美貌の剣士クィーラの従者として、見習い期間をなんとか切りぬけるのだが…。新たな災厄が。雅びな肢体と艶やかな黒髪のクィーラには両性体(セルダム)という秘密があった。クィーラに魅かれ、城主ジークムントにも対抗しようとするヴァイスのまえに、かつての盗賊仲間が現れる。そのうえ、ラグーザを狙う隣国の不可解な動きまで出現して…彼らの運命は。
暮林エリカ、16歳。職業・アイドル。終戦50周年記念の映画、『HIROSHIMA・1945』に初主演することになったあたしは、なんと撮映中にタイムスリップ。昭和20年7月の広島で、ひとりの男の子と出会ったの。広島に原爆が落ちるまで、あと1か月。どうしたら、もとの時代に戻れるの。だけどあたし、いつのまにか…50年まえの日本で、“彼”を愛してしまったんだ。