出版社 : 集英社
電話をかけてい三人の女の子。その耳に、「遅くなりそうなんだ。また、今度にしよう」という声が聞こえて、それぞれの物語が始まった…。表題作ほか5編を収録した恋の短編集。
幼なじみのシュンサクと再会して、大喜びのアサキ。早速、彼の姉・ミサオが出演するバレエ公演をみにいくことにした。ところが、ミサオは悪霊に…。オカルトチックミステリー。
夏休み、早紀はバイトを始めた。ドーナツショップの売り子。アメリカの大学で映画を勉強する、という夢のためだ。でも、早紀は会ってしまった。運命の少年に…。毎日、ミルフィーユを食べにくるから「ミルフィーユボーイ」。姿をみるたび、早紀の心はときめくが、彼のそばにはいつも愛らしい少女がいて、せつなさもつのる。そんなある日、彼から突然デートに誘われて…。
口うるさい祖母に恋人、成績が悪けりゃ部活は禁止。バスケに夢中の浩平だが、頭を悩ます事が多すぎて…。『つまずきゃ、青春』。大学の入学式の日、滋美は、内気そうな志穂子に声をかけた。その日から、志穂子は滋美から片時も離れなくなって…『行かないで』。パパと2人で過ごす海辺のリゾートホテル。そこで知りあった人々を通して、自分自身と父親の関係を見つめていく…。『水になる』。
アシラスはエジプト新衛隊の隊士だが、本当はキルマ王国の生まれだった。幼い頃、キルマがエジプトに滅ぼされた際、大商人イスペロに助けられた。ある時、雷鳴の中で「祈れ」という声が聞こえてきて、稲妻の先によって正義の神の子アシラシオンと成った。やがてクレタスと名乗る双子の弟が現れ、二人でスラトニ王国に向かうことになった。そこではサーナ姫をめぐって、陰謀が渦巻いていた。
時は1920年代のいつか。全寮制の学校に通う由未は、奇妙なことに、学校に入る前の記憶がすべて失われていた。記憶を取り戻すために、由未は、寮で同室の夏秋とともにサーカス小屋の魔術師・水夢を探して旅に出る。だが、何者かがゆくてをさえぎり、ふたりの命までが狙われた。はたして由未の記憶は戻るのか?鍵を握る謎の人物・魔月雷宇とは?絢爛のロマネスク・ファンタジー。
今日は、おいらの記念すべき初デートの日。あ、おいらっていってるからって、男の子じゃないよ。ありすはレッキとした女の子。デートのお相手は、源氏の君と呼ばれるほどの美形、生沢クン。でも待ち合わせ場所で、おいらの手を握ったのは生沢クンじゃなかった。それは血まみれの男の死体だった。キャーッ。オマケに父親のヨシオちゃんが犯人としてつかまるはめに。ありす探偵団、いざ出陣。
文化祭間近の山の手高校では、幽霊騒ぎが続いていた。一方、生徒会長の緒方は、幽霊の謎を探るために“ESP六人委員会”のメンバーを選び出していた。パソコンが選んだ生徒の一人が『玲子』だった。幽霊捜索を始めた玲子の前に、幻のような少女の霊が現れた。彼女は、成仏できずに彷徨っている。そして玲子たちに対し少女の攻撃が始まった。観月ありさ初主演映画のノベライゼーション。
寿永3年(1183)源頼朝の娘・大姫は14歳の春をむかえた。突然父から「姫の婿が決まったぞ。木曽の嫡男・義高だ」と言われて、びっくり。その押しつけに怒って由比ヶ浜に抜け出し、大好きな海を見てた時-、「俺、海を見るのって、初めてだよ」直垂姿の少年が瞳を海いろに染めて沖を見つめていた。-それが義高。ふたりの恋の始まりだった。悲しい恋の、始まりだった…。
あたし影山二葉、17歳。湘南・鎌倉の古い洋館に住んでて、父は(売れない)作家とくると、とってもお嬢みたいでしょ!でも実は、亡き母にかわって、学校帰りにスーパー通いの毎日。おまけに家計はいつも火の車。だから家計を助けるため、バンド〈ブルー〉でキーボードのバイトをはじめたの。だけど〈ブルー〉とは、ライバル関係の〈乱〉のボーカル、涼にあたしはときめいて…。
あたし(浅紀)は、親友の百合香に恋の相談を受けた。ジェイというフランスの画家と知り合って、すっかり恋してしまった。そこで、魔法の研究をしているあたしのケイゾウおじさんに恋の魔法を教えてもらい、その力で恋を成就したいという。ところが、おじさんはあっさり拒否した。それよりも、ここに置いてある闇の天使の石像をめぐって、何か恐ろしい出来事が起こる予感がするというのだ。
雪山から貴生くんが帰らなくなり、季節はもう春になった。『好き』ということばも告げぬまま、わたしの初恋は描きかけの絵のように宙に投げ出されてしまった。煮えきらない思いのままスタートした高校生活。そんなわたしの前に現れた男の子、真柴南斗。派手な行動をし、常に人をばかにしたような顔をしている。いやなやつだと思いながら、なぜか彼の存在がわたしの中で大きくなっていった。
清明学園演劇部一年の倉田こずえは、身長172センチの男まさりの元気少女。でも二年生グループが脱退しちゃったので、三年の部長と一年生四人だけで、秋の公演をやるハメに。演し物はぬぁんとロミオとジュリエット。そこへ英語マル日本語バツの帰国子女の美少年有馬慎吾が転校してきたので、彼をロミオ役に、こずえがジュリエット役にの番狂わせ。恋と夢がいっぱいの青春芝居が始まった。
高校生の花梨と夏生はひょんなことから大地という超能力を持つ赤ん坊を育てるはめになった。しかも大地は、キリストの再来である救世主、はたまた悪魔崇拝者が待ち望むアンチ・キリストのどちらかである可能性が高いという。同時に、千年王国教団や蝿の下僕といった怪しげな宗教集団と花梨たちの戦いが始まった。そんな或る日、大地の前に、悪魔主義者の大物と噂される渋沢幻児が現れた。人気ホラー・コメディ。
由美は空想好きな女の子だったが、クラスの真理子にいじめられていた。そんなある日、山瀬ルリという超能力をもったコが転校してきて由美を助けてくれた。帰り道、またも真理子と取り巻きの待ち伏せにあい、力ずくで由美を屈伏させようとしたとき、今度は謙二という素敵な男のコが現れて助けてくれた。ルリと謙二の二人が何者かも、なぜ由美を助けたのかも、由美にはまだ分からなかった。
遠い夏の日の思い出。当時、お化け屋敷と噂されていた洋館に、一人の男のコが忍びこみ、女のコにこうささやいた。「君をここから助けてあげる」小さな手を差し出したのは、佑介。その掌に、思わず黄色のクレヨンを渡してしまったのは、なつみ。二人は高校生になって、偶然同級生になった。満員電車が苦手で学校を休みがちななつみを、佑介が迎えにいくことになった。毎朝、遠回りをして…。
アル王子は15歳、強情でわがまま、そのうえ国一番の力持ち。とにかく王子の奔放ぶりに家臣一同は頭を抱えていたが、その王子が恋をした。相手は海の王の娘・人魚姫リューヌ。王子は彼女と結婚したいとお城に連れてきたが、王も王妃も重臣の爺も、みんなが反対。そこへ海の王の加護を受けている魔王の子・ダークがやってきて、彼女を海へ返さなければ災いが起こる、と不吉な予告をした。