1987年7月1日発売
悦子はミュージカル・ダンサー。カレは新鋭ジャーナリスト。いいのよ、もうすぐオトナだもん…平日の昼下がり、ホテルのプールサイドはスキャンダラス…濡れた身体、うつろな夏景色。蝶の羽先にかすめられたようなくちづけ…短い吐息…いまも初恋。「とにかく俺は…ひとりになる」悦子はその飯嶋の強いまなざしに、抱きしめられたはずだったのだが…。ふたり、のはずのイタリアは、いったいどうなるの?
あたし、永田街子、中3。演劇部に入ってる。顔は、はっきし言って、美人じゃナイな。どこにでもある卵形のリンカクで、下がりぎみの眉に、どんぐり目玉。特徴は、といえば、ガハハと笑ったときの、口のデカさ。演劇部の部長は、篠原塔也。同級生。ハンサムで、スポーツ万能で、優等生。文化祭用の劇で、シェイクスピアに挑戦することになったんだけど、塔也が主役に指名したのは、冴えない、このあたしだった!
女子高生レーサーの千明は17歳。16歳の誕生日に中型免許を取って、チーム“バルカン”に所属、そしてついに鈴鹿8時間耐久レースに出てしまったのだ!千明の瞳がサーキットに燃える。この日のために、千明はバイクに乗ってきたのだから。-あいつにだけは負けられない。わたしから、あの人を奪ったあいつにだけは!
「デーモンだあ!」不動明の表情が恐怖に凍りつく。親友、飛鳥了の誘いで、“恐怖の遺産”を受けることになった明に、つぎつぎ襲う想像を絶した恐怖体験。悪魔が攻めてくる。殺戮と戦慄の時代がくる。人間を守るのは誰だ。明は悪魔と合体し、悪魔人間として生まれ変わった。人類を救うために…!超ド級の最終戦争小説ー“誕生編”刊行!
大鳳吼が小田原に現れ、深雪の前に姿を見せた。ひっそりと、夜の闇に紛れるように西海地通りを歩んだ大鳳は、部屋の窓越しに、痛ましいほど哀しい瞳を深雪に向けたのだった。目出帽をとり、獣の顔をさらすことで深雪に別れを告げた大鳳が去った後には、一輪の薄紫色の花が残されていた。久鬼に与えられたソーマを、大鳳は深雪を通じて雲斎に託したのだ。《キマイラ・吼》緊迫の第8弾!