1991年発売
雪山から貴生くんが帰らなくなり、季節はもう春になった。『好き』ということばも告げぬまま、わたしの初恋は描きかけの絵のように宙に投げ出されてしまった。煮えきらない思いのままスタートした高校生活。そんなわたしの前に現れた男の子、真柴南斗。派手な行動をし、常に人をばかにしたような顔をしている。いやなやつだと思いながら、なぜか彼の存在がわたしの中で大きくなっていった。
清明学園演劇部一年の倉田こずえは、身長172センチの男まさりの元気少女。でも二年生グループが脱退しちゃったので、三年の部長と一年生四人だけで、秋の公演をやるハメに。演し物はぬぁんとロミオとジュリエット。そこへ英語マル日本語バツの帰国子女の美少年有馬慎吾が転校してきたので、彼をロミオ役に、こずえがジュリエット役にの番狂わせ。恋と夢がいっぱいの青春芝居が始まった。
シモーヌの結婚騒動でオルクスが地球を離れた隙に、宇宙海賦パスク・ダ・ルーマーがやって来た。悲壮な使命感に燃えるナミと野次馬三人娘を乗せたフォルクスワーゲンの特攻を鼻息ひとつで吹き飛ばしたダ・ルーマーは、東太平洋上のアメリカ海軍第七艦隊をも軽くあしらって高笑い。だが、岸田博士も狂気の笑い声を響かせていた。ARIELの真価を見せつける待望の機会が来たのだ。
“銀竜”をもちいて、龍の七部族のひとつ、晃家の〈水方郭〉を陥とした狄軍は、なぜか一気の攻勢に出ず、雨季を前にして、狄軍と龍の公家禁軍との戦いは膠着状態にはいった。〈万里堰〉に沿って局地戦を展開していた暁騏子アクセス、晃駿子デュオンは、曜象子クルツォや曹彪子ベルディーンらを陣営に招き、局面打開の方策を討議する。果たして、龍の七部族の連合なるか。
俺、神代俊弥は探偵だ。俺と二人の“ますみ”は、休暇を取って北海道へスキーに来た。ホテルに着いて二日目、バスで一緒だった大学生グループの男に仲間の女のコがぶつかり、男は崖下へ転落して死んだ。事故か、故意か。謎が解明されないうちに、同じグループの別の女のコが、今度は雪の中で凍死した。そして、事件を推理する俺とますみ達の命を狙う者が-。
ああーっ、死んじゃだめぇ!あたし白石深雪は絶叫した。人気絶頂のロックシンガー黒岩涼がコンサートの日、何を思ったのか、とつぜん、スピーカーによじ登って飛び下りてしまったの!涼は、救急車で病院にかつぎこまれたんだけど、さわぎがおさまった控え室に黒革の小さなバッグが残されていた。涼の持ち物…。このバッグを病院に届けに行ったことから、あたしと涼の秘密の物語がはじまります。最後はもちろん、感動、です。
アシラスはエジプト新衛隊の隊士だが、本当はキルマ王国の生まれだった。幼い頃、キルマがエジプトに滅ぼされた際、大商人イスペロに助けられた。ある時、雷鳴の中で「祈れ」という声が聞こえてきて、稲妻の先によって正義の神の子アシラシオンと成った。やがてクレタスと名乗る双子の弟が現れ、二人でスラトニ王国に向かうことになった。そこではサーナ姫をめぐって、陰謀が渦巻いていた。
時は1920年代のいつか。全寮制の学校に通う由未は、奇妙なことに、学校に入る前の記憶がすべて失われていた。記憶を取り戻すために、由未は、寮で同室の夏秋とともにサーカス小屋の魔術師・水夢を探して旅に出る。だが、何者かがゆくてをさえぎり、ふたりの命までが狙われた。はたして由未の記憶は戻るのか?鍵を握る謎の人物・魔月雷宇とは?絢爛のロマネスク・ファンタジー。
今日は、おいらの記念すべき初デートの日。あ、おいらっていってるからって、男の子じゃないよ。ありすはレッキとした女の子。デートのお相手は、源氏の君と呼ばれるほどの美形、生沢クン。でも待ち合わせ場所で、おいらの手を握ったのは生沢クンじゃなかった。それは血まみれの男の死体だった。キャーッ。オマケに父親のヨシオちゃんが犯人としてつかまるはめに。ありす探偵団、いざ出陣。
文化祭間近の山の手高校では、幽霊騒ぎが続いていた。一方、生徒会長の緒方は、幽霊の謎を探るために“ESP六人委員会”のメンバーを選び出していた。パソコンが選んだ生徒の一人が『玲子』だった。幽霊捜索を始めた玲子の前に、幻のような少女の霊が現れた。彼女は、成仏できずに彷徨っている。そして玲子たちに対し少女の攻撃が始まった。観月ありさ初主演映画のノベライゼーション。
東京にほど近いベッドタウン-神宿市。通勤時間帯を過ぎたのどかな団地の一角に、それはあった。地から湧き出した銅像のようなそれは、下半身をきれいに失った人間の死体だった。神宿市警察南署の警部・矢車啓之介は、仏が暴力団組員であったところから捜査を始めるが、それが“やくざの殺し”でないことは明らかだった。次々と起こる奇怪な事件。地方都市に渦巻く人間の欲望と悲哀-期待の新人がユニークな視点で描く新警察小説。
“ゴジラを歴史から抹殺するのです!”-突如出現した未来人のもたらした事実は戦慄すべきものだった。植物怪獣ビオランテとの死闘から約三年、今は抗核バクテリアの効果で日本海沖に眠るゴジラは、やがて復活し、23世紀の日本はその放射能のために死の国と化していまうというのだ。時の首相・林田は悪夢のような未来の事実に愕然とするが、未来人の提案を受け入れ、秘密裡にゴジラ抹消計画を推進する。しかし、ゴジラが消滅すると同時に、宇宙超怪獣キングギドラが出現したのだ。世紀末大怪獣映画の完全小説版。もと東宝プロデューサーの著者による特別書き下ろしエッセイ=50枚を巻末に特別収録。