1992年6月発売
いくら、アリスが「食べてしまいたいほど可愛い」からって、ギョーザにしちゃうなんて。料理の国では、グメル大王の主催で、史上最高の料理を競うコンクールが開かれる。そこで「究極メニュー」にされるため、誘拐されたアリス。しかし、ほんとうの目的は、いつも人間に食べられてしまう料理たちが、“基本的人権”を獲得しようとした革命だったのだ。「バニラ味の野菜いため」で大会に出場する胸キュン・ペアーは、優勝できるの。
緑まぶしい季節。春高で活躍した昴たち青葉が丘バレー部には、たくさんの新入部員がやってきた。しかし、腕前はレギュラー級だが超生意気な1年・香月敏のおかげで、チームはガタガタ。退部続出の事態に昴もボーゼン。しかも、リーダー・島津が、選手生命の危機に。腰を痛めた彼を、母親がヒステリックにやめさせようとする。強豪・港南戦で、ついにダウン。セッター抜きでどう戦う。昴は不安そうに、ベンチの香月を見つめた-。
やった!今日は、あこがれの吉永先輩がライブハウスのステージに立つ日。授業が終わるやいなや、友だちの夏子とあわてて教室をとびだしたまではよかったんだけど、途中、横山先生につかまり進路指導室へ。家に帰ったら帰ったで、母親にとがめられ、けっきょくライブには行けなかった青木すもも。が、翌日、ライブ会場ですももを見たという人が続出。身におぼえのない事件の犯人にまでさせられ、まるで、すももが二人いるみたい。
あたし、藍沢左記子。臨時のお手伝いさん(のフリをした、しかし、その実体は、篠田晴明氏の正体を探りに忍びこんだ探偵さん)。あたしはまだ、書斎のワープロの前に、座りこんだまま、茫然としていた。その時、足音と話し声が聞こえ、とっさにあたしは、作りつけの本棚のすぐ前にあるソファーと、本棚のあいだに飛びこんだの…。入ってきた人たちは、一所懸命話しこんでいて。話し声からすると、両方との男の人。誰?誰だろう。
あたし、立原真帆。高校1年。じつは、あたしと妹の奈美は、ふたごなんです。しかも、まるで鏡を見てるみたいにうりふたつなの。だけど、あたし、小さい頃から、ずっと、奈美になりたいって思ってた。だって、あたしは、自分に全然自信がなくて、すごく消極的なのに、奈美は、あたしとは正反対で、いつも自信満々で積極的なんだもん…。そんなあたしが、なんと、奈美と同じ人を好きになっちゃったの…。どうしよう…。
あたし“一目惚れ”したの。隣のクラスの陵介くんに。でも、告白する勇気はなくて…。ところが、彼のほうから「一緒に花火大会に行かないか」って誘ってくれたんだ。夢みたい。こんなに幸せでいいのかな?そんなとき、信じたくない話を耳にしてしまったの。陵介くんがあたしを誘ったのは、親友のめぐみにフラれたからだって…。恋愛と友情。両方の糸がからまったら、どうすればいいの-。
あたし、後野まつり。超常研のメンバー。須弥山の四珠を集めるあたしたちの前に現れた最大の難関、それは、ついにアスラ王ラーフとして覚醒したランだった。パールシャの呪いのせいで、恋人と結ばれることが不可能になってしまったラーフの怒りと絶望とが、彼をアスラ軍の将として、戦いのくりひろげられる須弥山へと向かわせる。ラン、あたしたちは、もう二度と、わかりあうことができないの…。
あたし、今井亮子。きのう、小6のときから憧れてきた松本樹クンと感激のファーストキス。デートまでこぎつけたんだけど、彼、おばあさんのぐあいが悪くなって約束の場所に来れなかったの。でも、そのとき、樹は、新体操でオリンピック・クラスの下級生、美少女の黒川リナといっしょだったんだって。樹、あの約束は、ウソだったの…?吉田栄作さんのヒット曲、イメージ小説。
山頂に雪をいただく聖山ミルアのふもとの水と緑にかこまれた平和な村カラオ。少年アマドは、成人の儀式のあとの狩りで巨大な熊を捕らえ、いきようようと村にもどってみると、父母、恋人はもちろんのこと、村人は皆殺しの目にあっていた。いったい、誰が、何のために?謎を解こうと、ミルアに登って、神の泉が汚され、女神が失われたことを知ったアマドの前に、世のすべての悪の根源で鬼神と呼ばれる凶悪な術者が立っていた。
「あなたは私の主、お迎えにまいりました」学校に、ケイキと名のる男が突然、現われて、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついたところは、地図にない国。そして、ここで陽子を待ちうけていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍りでる異形の獣たちとの戦いだった。「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」陽子を異界へ喚んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる。
本間ゆき、28歳。結婚、女友達との関係、仕事のことで、気持ちが揺れている。そんな時、大学の先輩・植村孝司に再会した。10年前の怖い印象とは打って変わった彼の穏やかな表情が、ゆきを驚かせる。何が先輩を変えたのだろう。ゆきが尋ねると、彼は“自分を大きく変えた、信じられない出来事”について語り始めた…。恋愛することの意味を問い直す問題作。
「あの1か月のあいだに、何があったの?」洋子は僕のプロポーズに答えるかわりにそう言った。何かを一息に吐き出すように。洋子の知らない1か月。4年前の8月。真水と過ごしたあの幻のような夏。月明からに浮かんだ洋子の表情に、ふいに忘れかけていた真水の表情が重なって見えた。真水、と僕は心のなかで、静かに彼女の名前を呼んだ。-『海の真水』ほか、穏やかに時が流れる3つの物語を収録。
“時の宝珠”を正し、世界を滅亡から救う、翼を持つ乙女ファラ・ハン-。1つめの宝珠を手に入れた聖戦士たちは、次なる宝珠を探して、先へと歩を進める。しかし目前には、新たなる敵が待ちうけ、次から次へと聖戦士たちに襲いかかってくる。さらには、もう1つの世界救済伝説を信じるルージェス一行の攻撃も相次ぎ、4人の道程をいっそう困難なものに。聖戦士たちの世界救済冒険ロマン第4幕。
カヤという女がいた。シヴァの父・シュリンクの愛人だった女。シュリンクをそそのかし、謀反を企てさせたと噂されていた女…。10数年の時をへて、カヤはシヴァに会った。妖艶な毒婦との出会いが、別れが、シヴァを覇王へと導く。少年が覇王になるとき、戦が始まる。砂漠の王国を舞台に織りなされる、運命の王女の物語第6幕。
スーパー超特急『のぞみ』に乗って、恋のひとり旅の星子。行き先は京都。ひとり洗面所に入ったところ、突然、殺人事件に出くわした。そんな車内で助けてくれたのが、花吹雪と名のる江口洋介に似たいい男。小説家なんだって。さらに刑事に詰問されたのを助けてくれたのが、一宮清人という貴公子のスーパー・エリート刑事課長さん。ところが、なんと、車内に宙太が乗り込んでたなんて…。ユーモア・ミステリー。
「ジャーン、これを見よ!」放課後のケンタでアユミが見せたのは、やけに派手な招待状。アユミが行こうっていってるのは、大江戸パラレルワールド。新しくできるテーマパークで、自分が時代劇の一員になれるっていうの。しかも、ロボットの悪役を相手に立ち回りもできちゃうの。最初はシブったあたしだけど、例のSMAPそっくりの6人組が、いっしょに行くと聞いて…。
神尾家の策謀によって眠ったままだった、まゆらの意識の中に、ついに竜が、姿を現した。「我とともに来よ。おまえには行かねばならないところがある-」そう告げられたまゆらは、竜とともに時を逆のぼり、竜の血族の血塗られた運命を目のあたりにするのだった。1方、神尾家に乗り込んだ水輝は、再び香の力で潮次の手に落ちてしまう。水輝を手中にし、潮次の野望が動きだそうとしていた。生きる人形と化したまゆらの意識は、竜の力で異世界をさまよっていた。一方、水輝は大叔父のしかけた罠に…。いま人気上昇のアクション・ファンタジー。
蘇我老夫妻と孫の祥子が、宙港を占拠したテロリストの人質にされて、さあ一大事。太一郎さんと水沢所長は現場に急行。須樹子さんとはりあって私(麻子)も封鎖された宙港に突入することになったのだけど…。その間、真樹子さんがなぜ家族にこだわるのか、テロリストがなぜ行動をおこしたのか事情も少しわかってきたの。でもまた新たな陰謀が発覚。決死の脱出が敢行されて…。ロマンチックSF。
校門の前で、ピエロは踊る。夢みるような足取りで。やがて透きとおった声で物悲しい歌を歌った。青い風船が風に、揺れる-。ある日、一人の男子生徒が忽然と姿を消した。女の子から人気があった、3年生の紺野貴史。同級生の真希が告白した彼だ。学校中が騒然とする中、今度は、真希が失踪した。それもあたしと下校する途中に。そして次々と…。夢と現実が交錯する不思議な不思議な物語。