1994年7月発売
夏休み、麻衣子は、ついに海外旅行初体験。ヴィクトリア・ピークの山頂に立つあたしの前には、まるで一面に宝石を散りばめたような、まさに“百万ドルの夜景”が広がる。思いきりロマンチックにひたっていたのに、悲鳴とともに、やっぱり事件がやってきた。崖から女性が転落したという知らせを聞いて、駆けつけたあたしたちが、そこで見たものは…。さあ、謎いっぱいのミステリー・ツアーへ、あなたもご一緒しませんか。
大好評、好きから始まる短編集シリーズ第6弾。今回は、教室で生まれた五つの恋物語。入学の日に始まった、一目ボレの彼への恋心の行方・『あなたがすき』をはじめ、大好きな先輩の教室に侵入しちゃったのが、恋の始まり・『あの教室も黒板も』など、小さな出会いかもしれないけど、大きな恋を育くむ、教室から始まった、5人の恋のショート・ストーリー。あなたの恋の始まりは、どんなかな。
“悪”の黒田絹子が乗り移った、クローン美鈴を倒すには、もう一人の指輪の乙女を捜し出す以外になかった。佐竹麻由-彼女の、包帯に隠された左手には、もしかしたら…。果たして、四番めの指輪の乙女なのか。絹子が、文豹が、指輪を狙っている。チョコ、早く指輪を手にしないと、あたしたちのヨコハマが危ない。ついに、指輪の封印は解かれた…。
真夏の日差しは、透明な炎のように、すべてのものを燃えあがらせていた。コンクリートの壁は白く輝き、木々は濃い影を埃っぽい地面に落としていた。そこにふと響いた、かすかな笑い声。(くすくすくす)風のあいだに紛れてしまって、気のせいにしか思えなかったけれど-それは、悪夢の迷宮の門を開く、残酷な笑い声だったのだ。制服のエスパー少女・イオの戦い。第5弾。
「雲」をつかむような夢にとりつかれたのは、遠山エリカ、高1・16歳。お兄ちゃんの遺品のギターだからって、月4千円のおこづかいのエリカに、100万円じゃ、無理。でーも、世の中って幸運ってあるのよね。次々と、お金を稼ぐエリカ。ところが、同じ目的の男のコが登場。強敵のうえに、恋心までエリカはいだいちゃって。奇跡が起きるなら、16歳。天国のお兄ちゃん、ホントの天使ってどう見つけるの。
ねぇ、こんなことって、あるのかな。会ったこともないひとに、恋をするなんて。電話で聞くあのひとの声は、とてもやさしくて、あたし、恋の魔法にかかったみたい。もしかしたら、彼があたしの“運命のひと”かもしれない、なんて…。でも、彼が電話をくれるのは、あたしの声が、彼の好きな子の声に似ているからなの。それなのに、彼のこと、あきらめられない。どうしても、あなたに会いたいの。
「おはよう。カズ兄、次」玄関を飛び出したあたしを迎えてくれるのは、次の不機嫌そうな声と-カズ兄の笑顔。じつはあたし、この柔らかい笑顔のひとに、ずっと恋してる。もちろん、伝える勇気はまだないけど。だから、こんな朝がいつまでも続けばいい、ううん、続くんだと信じてた。でも、あたしたちは、子供のままではいられないってことに、気づいてしまったの…。第1回ティーンズハート大賞《佳作》受賞。
夏休みが始まった。臨海学校で訪れたのは、青い海と太陽がまぶしく輝く、まさに、真夏の島。ステキな恋が始まる予感…。あたし・真由は、憧れの江口くんに、親友の弘美は石橋くんに、それぞれ告白するチャンス。ところが、弘美は、未来がわかるという望月くんに不吉な恋の行方を予告されて、姿を消してしまったの。そして、弘美を探すあたしは、恐ろしい事件に巻きこまれることに。夏休みは、恋とハプニングがいっぱい。
誰にでも“忘れられない夏”はあるという。だとしたら、僕のは十六歳のあの夏だ。まばゆい川面、潮の匂いのよせる河口。海鳴りとさざめきの中で、カメラをかまえる彼の横顔が、いまも鮮やかに心によみがえる。ティアーズ・フォー・フィアーズのメロディとともに…。十六歳の司は、年上のカメラマン・律と出会う。彼に魅かれていく自分を、抑えきれなくなった司は…。第一回ホワイトハート大賞受賞。
生活のため、夏休みの間中アルバイトをすることになってしまったシュンとタクト。ふたりは、バイト先に現れたミナミから、二年生の飛鳥のことで相談を持ちかけられた。飛鳥は、自分の影が躯からはなれて、夜などに勝手に動きだすのだという。飛鳥がバイトをしているレンタル・ビデオ店を訪ねたシュンたちは、ふとしたはずみで飛鳥の様子が一変し、獣のような形相で暴れるのを目撃した…。
自らの意思に反して彩女大公の座についた獅伊菜。だが、昔からの重臣をささいな失敗で投獄したり、素性の知れぬ娘をいきなり妻に迎えると宣言するなど、その言動は次第に常軌を逸していく。不隠な気配を感じた蒼主は獅伊菜を諫めに向かい、矢禅もまた姿を現した。一方、セラ=ニアでは、透緒呼と九鷹が合流を果たし、互いのこれまでの誤解をときほぐしたものの、再び四狼の執拗な攻撃が…。
「-に気をつけろ」森翁はガディルに忠告した。一方、バリオ紡織染縫協同組合では、組合主催のダンス・パーティを行うというので、どっと注文がきたり、ポスター作りをしたりで、何かと賑わっていた。そんなところへ、妖艶な女性が訪れ、懐から一束の糸を取り出し、マルーシュに試し織りを頼んだ。ところが、その糸を見たピーコックは、驚いた。それは人の意志を奪う『惑魅の糸』だった。
黒雲に覆われた空から激しい雨が降りそそぐ日、自転車に乗る拓の前を何かがかすめた。起きあがった拓は、自転車の傍に白い炎を見た。だが、炸裂する稲妻に照らしだされたのは二人の男だった。彼らは拓を「蒼貴」と呼んだ。蒼貴とは百年まえに如意宝珠という珠を盗み追われている者だという。杏美に想いをよせる拓、そして仲間たち。彼らにとってそれは理解し難いことに思われたが…。
シエナ国の都タルサで古着屋を開いてるリデルは、17歳の利発で愛らしい少女だ。彼女が憧れてる学者のケインを訪ねたら、金の瞳銀の髪をした絶世の美女が。実は美女はスピア座の売れっ子女形ソルリス。ケインが書いた小説を芝居にしたいというのだ。一方、タルサでは足に赤い花の刺青をした娼妓が謎の死を遂げる事件が続いていて…。恋と冒険と謎がいっぱいの華麗なる物語。
あたし、小石川光希。高2。ある日突然、両親が離婚。それが元で、同じ歳の男の子、遊と同居することになっちゃったの。遊って、かっこいいんだけど、クールで意地悪。そのくせ、たまに優しかったり。何だか調子狂っちゃうんだ。学校では、昔好きだった銀太に告白されるし…。どーすればいいの。
こんにちは。僕、ポコ太。魔法の国の大地のそっくりさん、カミルはあいかわらず騒ぎを起こす天才みたいだね。古いランプに閉じ込められていた双子の妖精マッシーとホッシーを、うっかり自由にしてしまったんだ。いたずら好きの二人が風立市にやってきたから、姫ちゃんたちは大騒ぎ。いけいけ。ゴーゴー。じゃーんぷ。
オレ、恒。あるときオレは、初恋の相手由香子に再会した。素直でひたむきだった由香子。でも、6年の間に、由香子はすっかり変わっちまってた。万引きはするし、ヘンな男と一緒に住んでるし、ものすごく醒めた目をしてるし…由香子、いったい何があったんだ。由香子に、笑顔をとりもどしてやる。オレは固く誓ったのだが…。
茶山朗子は高校1年生。初恋もまだという超オクテで、当然彼氏イナイ歴16年。中学生なのにススんでる妹の笑に対しては、コンプレックスがいっぱい。このままでは姉の面子が…と思っていたら、なんと笑が妊娠。結局マチガイだったのだけど、その騒ぎがきっかけで親しくなったのがクラスメートの高岡凌介。彼女と別れたばかりの凌介と『お互いに素敵な恋人を見つけよう』と誓い合って…。
極悪非道のテロ集団、汎銀河聖解放戦線に夫と愛娘の命を奪われ、神鷹静香は精神的衝撃のどん底にあった。だがその中で、静香は自らが復讐の戦士となることを決意したのだ。厳しい戦闘訓練をかさねる静香。しかし、彼女が真の戦士となるためには、かけがえのない対価を払わねばならないのだった。第12回日本SF大賞受賞に輝く、不朽のエンタテイメント大作。