1995年11月発売
「大好きなことが多ければ多いほど、嫌なことが起きたとき、跳ね返す力も大きいのよ」友人関係に失敗した知紗都に、もう一度学校へ戻る勇気を与えてくれたのは、表参道に住むエレガントな男の叔母様。「一人で生きられるように。一人きりで生きたりしないように。幸せは一本の定規では測れないのだから」。
白川美帆は、修学旅行で京都へやってきた。骨董品屋で勾玉を見つけ、その好奇心旺盛な性格から、思わず買ってしまう。そして、翌日は、同級生の大江圭につきあい、京都に住んでいる圭の従姉のお見舞いに出かけたのだが…。突然の嵐で帰れなくなった二人。その夜から、美帆の勾玉をめぐり、つぎつぎと不思議なことが起こりはじめる。時空を超えた謎に挑む、シリーズ第二弾。
あたし、工藤由香。高3の受験生。喫茶店で、偶然耳にした隣のカップルの恐ろしい会話-その夫婦は、銀行強盗か何か、大胆な犯罪を計画中だったの。計画を阻止しようと、あたしたちは乗りだしたのだけれど、夫婦を尾行した加川クンが頭を殴られ、ビルの一室に置き去りに。手がかりらしい手がかりもないまま、犯罪計画遂行の日は、着実に近づいてきて…。あたしたち、無事に事件を解決できるの。
あたし、川野和流。両親が離婚したせいでマンションでひとり暮らし…のはずだったけど、未来からタイムスリップしてきた玄之丞と、清い同居生活中。でも、これって信じてもらえないよね。とくに親には。玄之丞とのことで、両親と困った争いにハマッてしまった和流が、玄之丞と見つけた結論とは。野うさぎが遊ぶ、高原の教会でこのふたりが挙げる結婚式とは。
1995年最後の夜。そびえたつ、街の摩天楼の谷間で。「…21世紀の年明けは。もう一度ここで、キスしようよ」望がわたしの目を見つめて言った。わたしも望を見つめてる。5年たったら。同じ場所、同じ時刻に。…キスをしよう。それは、20世紀で最後の。21世紀で最初の。-永い永いキスを。
伸は顔をあげ、僕を見つめた。「…惚れたまま、別れた相手がいるっていうのも、勲章かな」その刹那、僕の脳裏に、まばゆいばかりの海辺の景色が広がった。色とりどりのビーチボール、点在するパラソル、寄せては砕ける波の音…。そして、白いテント屋根の下で、笑って並んで立っている、僕と伸。…あの夏、僕は一生分の恋をした。
急激な経済成長により、中国のエネルギー事情は逼迫。衰退していく北部都市を抱えた中国は、南沙諸島の領有に死命を賭け、海軍艦艇を展開した。南沙の共同統治を主張するASEAN諸国との高まる緊張を緩和させるため、日本政府は国連軍活動に踏み切った。先んじて派遣された潜水艦“あさしお”は中国軍の対潜作戦の標的に。地下資源と交易拠点をめぐりアジア各国の思惑と戦略は交錯する。
恋人も友もすべてを戦乱に亡くし、傷心のアシュラウルは海を渡る。争いのない世界を夢みて辿り着いた新大陸だったが、この地にも大陸制覇の野望を抱く魔道帝国カイムジェサの獅子王が居た。二度と再び剣は手にせぬ、との誓いも虚しくアシュラウルは、ニーヴァンの玉座を巡る戦いへと巻き込まれていく。
王子が敵の手に落ち、意気消沈するタンガの陣に国王ゾラタス率いる援軍が到着した。迎え撃つデルフィニア国王ウォル。両国の王を将とした大軍が国境の砦をはさんで対峙するパラストを加えた大華三国は三つどもえの戦乱に突入するのか。デルフィニア王妃リィの存在がすべての『鍵』を握っている。
「修平、今日からお前が宮地家の主だ。」宮地修平は高校一年生。両親が転勤で関西へいってしまうことになったので、新築の我が家を守るべく、四月から一人暮らしを始めることになったのだ。記念すべき自由な生活、第一日目-しかし、庭で拾った珍しい石が突然、家の広間で明滅を始めたかと思うや、それに導かれるように新たな光が修平の眼前の空間に生じ、やがて中からセクシーな服を着た、かわいいショートヘアの女の子が現れた。果たして、この女の子は天使か悪魔か-。明るく、楽しく-そして、ちょっぴり切ないハートフルSF物語。
巨大魔法文明の秘宝を探す遺跡探検者、ファムとイーリー。ある日、二人は旅の商人ガルフアから、すべての願いが叶う“万能なる力”のありかを記した地図を手に入れる。勇んでその場所-今は亡きルダークの国王オルクスが建てた儀式の塔へと入ったものの、そこはトラップだらけ。その上、同じ遺跡探検者のミゲルとラーシャが、二人から“万能なる力”を横取りしようと狙っていた。しかし、このドタバタ騒ぎも、やがて訪れる恐るべき敵との超シリアスな戦いの、ほんの序曲にしか過ぎなかった-。田中久仁彦原作の超人気OAVノベライズ第一弾。
カシャフ川に巣喰う、恐るべき竜-アジ・ダッハークを殪すため、南へ旅する辰治たち。そんな一行の命綱ともいうべき駱駝が、何者かによって襲われた。敵の正体は、砂漠に棲む醜怪な化け蟹。苦戦の末、辛くもこの蟹を撃退した辰治たちだったが、そんな彼らを次々と新たなる敵が待ち受ける。果たして、屠竜の剣を持たない辰治に勝算はあるのか-。白熱のシリーズ第4弾。