1995年11月5日発売
白川美帆は、修学旅行で京都へやってきた。骨董品屋で勾玉を見つけ、その好奇心旺盛な性格から、思わず買ってしまう。そして、翌日は、同級生の大江圭につきあい、京都に住んでいる圭の従姉のお見舞いに出かけたのだが…。突然の嵐で帰れなくなった二人。その夜から、美帆の勾玉をめぐり、つぎつぎと不思議なことが起こりはじめる。時空を超えた謎に挑む、シリーズ第二弾。
あたし、工藤由香。高3の受験生。喫茶店で、偶然耳にした隣のカップルの恐ろしい会話-その夫婦は、銀行強盗か何か、大胆な犯罪を計画中だったの。計画を阻止しようと、あたしたちは乗りだしたのだけれど、夫婦を尾行した加川クンが頭を殴られ、ビルの一室に置き去りに。手がかりらしい手がかりもないまま、犯罪計画遂行の日は、着実に近づいてきて…。あたしたち、無事に事件を解決できるの。
あたし、川野和流。両親が離婚したせいでマンションでひとり暮らし…のはずだったけど、未来からタイムスリップしてきた玄之丞と、清い同居生活中。でも、これって信じてもらえないよね。とくに親には。玄之丞とのことで、両親と困った争いにハマッてしまった和流が、玄之丞と見つけた結論とは。野うさぎが遊ぶ、高原の教会でこのふたりが挙げる結婚式とは。
1995年最後の夜。そびえたつ、街の摩天楼の谷間で。「…21世紀の年明けは。もう一度ここで、キスしようよ」望がわたしの目を見つめて言った。わたしも望を見つめてる。5年たったら。同じ場所、同じ時刻に。…キスをしよう。それは、20世紀で最後の。21世紀で最初の。-永い永いキスを。
伸は顔をあげ、僕を見つめた。「…惚れたまま、別れた相手がいるっていうのも、勲章かな」その刹那、僕の脳裏に、まばゆいばかりの海辺の景色が広がった。色とりどりのビーチボール、点在するパラソル、寄せては砕ける波の音…。そして、白いテント屋根の下で、笑って並んで立っている、僕と伸。…あの夏、僕は一生分の恋をした。