1995年3月発売
「俺の力の続くかぎり、ぜったいお前を離さない…」あの無口でシャイなゆーさんの口から、そんな甘い言葉が出てくるなんて。でも、ゆーさんの腕のなかで、それを聞いているのは私じゃい。すごくきれいな顔をしているけど、間違いなく男の子だったの-。-大ショックのミキだけど、トラブルはまだまだ続いて。
「卒業まであと1000時間、藤崎なんか、それっきりになっちゃうぜ」だから告白すればって、北原クンは、あっさり言ってくれたけど。わかっては、いるんだよ。千堂クンと話すことができるのも、同じ学校にいるうちで。高校はべつだから、街で会っても気づいてもらえないかもしれない…。でも、もし告白して断られたら。あたし、どうすればいいの。
沢木涼は、あたしのケンカ友達。あいつは、バスケ部の元エース。言いたくないけど、カッコイイ。ほんとにモテる。でも彼女がコロコロ替わる、超いいかげんなヤツ。おかけで、あたしは、恋人にするなら、ぜったいマジメで誠実な人がいい、と思ってる。で、あいつとは正反対の村上くんと付き合うことになったけれど…。演劇部で、ずっと脇役だった、あたし-。卒業までに、恋の主人公になれるのかな。
大好きなひとに、もう会えなくなるなんて、悲しすぎる。そんなのイヤだよね。だから、卒業までにこの想い伝えたい。そうすれば臆病な自分から、そして片想いからも、卒業できるかもしれない…。そんな恋をしているあなたに、ちょっぴり勇気をわけてあげたくて、“卒業”をテーマに三つの恋のおはなしをお届けします。『永遠の第2ボタン』『緊急連絡網』『先生を好きでいた1年』-それぞれの恋は。
「へーちゃん、大好きだ」嬉しそうに叫んで、背中に飛び乗ってきたトモ君。そのまま彼をオンブして、僕はグラウンドを走り始めた。柔らかい日差し、ポプラ並木の枯れ葉色。頬にあたる風、背中のトモ君の温もり。すごく嬉しかった。すごく楽しかった。-僕らの宝物のような日々。でも、これは永遠には続かないんだ。“卒業”の日は、誰にでも必ずくるんだよ-。
スペースコロニーに数人の男達が立て籠り、核融合炉と人質を盾に巨額の金を要求してきた。ジョン、エリカ、トーラスの特殊捜査室全員が出動。日頃から彼らを快く思わないグレゴリー本部長との連絡ミスで危うく核融合炉が暴走しかけたが、事件はなんとか解決した。が、それは本当に単なる連絡ミスだったのか。事態は、恐るべき結末に向かってゆっくりと進行していくのだった…。
惑星ラストリーフの冬の草原で、羊飼いのアイルは帝星からやって来た一人の少女-フェンを救けた。最初はすべての他人を拒絶するような態度をとっていたフェンも、草原に生い茂るハルシオンの香りと呆れるくらいお人好しのアイルに、徐々にその心を開いていく。そんなある日、惑星全土を巻き込んだ、恐ろしい災厄が訪れた。期待の大型新人が贈る、リリカルSFファンタジー。
無国籍の“幽霊”少年カイのジャンク屋に、アンジェラが訪れた。この地球連邦軍の情報部員が現れるとろくなことはない。はたしてカイは、望みもしない、父親捜しの旅に出る。行く先は、かつて外惑星連合と地球連邦との熾裂な戦場だった小惑星パラス。そしてそこは、一兵士として進駐していたアンジェラが“天使”となった、因縁の土地であった。シリーズ好調、注目の第2弾。