1995年発売
「卒業まであと1000時間、藤崎なんか、それっきりになっちゃうぜ」だから告白すればって、北原クンは、あっさり言ってくれたけど。わかっては、いるんだよ。千堂クンと話すことができるのも、同じ学校にいるうちで。高校はべつだから、街で会っても気づいてもらえないかもしれない…。でも、もし告白して断られたら。あたし、どうすればいいの。
沢木涼は、あたしのケンカ友達。あいつは、バスケ部の元エース。言いたくないけど、カッコイイ。ほんとにモテる。でも彼女がコロコロ替わる、超いいかげんなヤツ。おかけで、あたしは、恋人にするなら、ぜったいマジメで誠実な人がいい、と思ってる。で、あいつとは正反対の村上くんと付き合うことになったけれど…。演劇部で、ずっと脇役だった、あたし-。卒業までに、恋の主人公になれるのかな。
大好きなひとに、もう会えなくなるなんて、悲しすぎる。そんなのイヤだよね。だから、卒業までにこの想い伝えたい。そうすれば臆病な自分から、そして片想いからも、卒業できるかもしれない…。そんな恋をしているあなたに、ちょっぴり勇気をわけてあげたくて、“卒業”をテーマに三つの恋のおはなしをお届けします。『永遠の第2ボタン』『緊急連絡網』『先生を好きでいた1年』-それぞれの恋は。
「へーちゃん、大好きだ」嬉しそうに叫んで、背中に飛び乗ってきたトモ君。そのまま彼をオンブして、僕はグラウンドを走り始めた。柔らかい日差し、ポプラ並木の枯れ葉色。頬にあたる風、背中のトモ君の温もり。すごく嬉しかった。すごく楽しかった。-僕らの宝物のような日々。でも、これは永遠には続かないんだ。“卒業”の日は、誰にでも必ずくるんだよ-。
スペースコロニーに数人の男達が立て籠り、核融合炉と人質を盾に巨額の金を要求してきた。ジョン、エリカ、トーラスの特殊捜査室全員が出動。日頃から彼らを快く思わないグレゴリー本部長との連絡ミスで危うく核融合炉が暴走しかけたが、事件はなんとか解決した。が、それは本当に単なる連絡ミスだったのか。事態は、恐るべき結末に向かってゆっくりと進行していくのだった…。
惑星ラストリーフの冬の草原で、羊飼いのアイルは帝星からやって来た一人の少女-フェンを救けた。最初はすべての他人を拒絶するような態度をとっていたフェンも、草原に生い茂るハルシオンの香りと呆れるくらいお人好しのアイルに、徐々にその心を開いていく。そんなある日、惑星全土を巻き込んだ、恐ろしい災厄が訪れた。期待の大型新人が贈る、リリカルSFファンタジー。
無国籍の“幽霊”少年カイのジャンク屋に、アンジェラが訪れた。この地球連邦軍の情報部員が現れるとろくなことはない。はたしてカイは、望みもしない、父親捜しの旅に出る。行く先は、かつて外惑星連合と地球連邦との熾裂な戦場だった小惑星パラス。そしてそこは、一兵士として進駐していたアンジェラが“天使”となった、因縁の土地であった。シリーズ好調、注目の第2弾。
日下くんは、いまごろ、アイドル・タレントの愛坂レイラと一緒に、ホテルに。高校時代の同級生のレイラに頼まれて、撮影の下見に付き合うのだというけれど…。麻衣子は不安を胸に、夜行バスで、彼らの泊まっている伊勢・志摩へ向かっていた。ところが、そのころ、横浜の山下公園では殺人事件が起きていたの。恋愛問題で悩んでいた被害者の身に何が。そして、消えた赤い靴が明かす真相とは。
「消えたぞッ…消えた。」-姿を消した、魔船の妖術士。その生死を占うため、香港の術士たちは黒い蝋燭に灯をともし、一昼夜、見守り続けていた。そして夜明け近く。街に歓喜の声がこだまする。この灯が消えたからには、奴はもはやこの世にはいないのだ。だが、魔性の闇に守られた“影の城”に潜む何かに、人々はまだ気づいていない…。香港三部作のラスト、いよいよスタート。
理想の“王子様”を見つけたの。こんなに誰かを好きになったのは、生まれて初めて。出逢った瞬間から、好きになっていた。顔を見ただけで胸が苦しくて、声を聞いただけで体じゅうが震えていまうほど。あなたになら、何をされてもかまわない、そう思えるくらい…。どうしても、あなたの“特別な女の子”になりたくて、わたし…。
サイコたち聖ルピナス学園のなかよし三人組と、憧れの詩島くんは、姉の誘いで、学校をサボってスキーへ…のはずだったけど、道に迷ったあげく、謎の洋館で一晩をすごすはめに。洋館の主人は、今をときめく流行作詞家。不思議な同居人たちに囲まれ、胸さわぎのうちに、一夜明けると…事件が。雪と廻廊に囲まれた二重密室の難問に直面した、ルピナス探偵団の推理とは。謎の美少年聖くんとは。ご存じ“ルピ探”第2弾。
あたし、芹沢美香子。星陵大学一年。キャンパスでは、最近、幽霊が出るって噂が広まっているの。そういえば、あたし、プールサイドで白いコートを着た、不審な女性を見かけたんだけど、あれは…幽霊だったの。ところが、そのプールで殺人事件が起きてしまったの。まさか、犯人は幽霊。第一発見者は、あたしと幼なじみのケン。あー、またまた事件に巻き込まれちゃうの。
私立高校昴学園に通う十七歳の筒井卓也は、ある日突然、両親から修行命令を下される。鬼退治や退魔を行う〈鬼使い〉の一族ながら、いつまでも半人前の卓也に与えられた任務は、半陽鬼にして超一流の退魔師である篠宮薫とコンビを組んでのボディガードだった。冷徹で無感動な薫と、優しく実直な卓也。二人の意気は、はたして投合するのか…。霊能力コンビが繰り広げる、妖しの世界のオカルト・ファンタジー開幕。
三月。直樹と典子兄妹は、従兄弟の隆の家を訪れた。ここは、木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。まさに桃源郷だ。しかし、久方ぶりに会う隆の目は昏かった。そして、心やさしい隆が母親に冷酷な態度をとるのは何故。母子に、いったい何が。「あの女が、迎えにくる…」隆は、幼い日の冷たい雨の夜を思い出し、直樹には、あの記憶が甦る。十七歳ー少年たちを繋ぐ運命の春が来た。
「おめでとう。帝国海軍はあなたを歓迎します」「えー」と水無月忍。「どうしよう」と睦月里緒菜。出頭日はなんと二日後の11月2日、静岡・浜松基地に12:00集合だって。ところが二人を待っていたのは、恐怖の天才性格パイロット-転じて忍と里緒菜の臨時教官となった森高美月の三カ月特訓コースだった。「明日からはしごくからね」「はいっ」「はいっ」元気に返事はしたものの、運命の神様は、果たして二人の初フライトに微笑んでくれるのだろーか…。汗と涙の青春航空アクション、おまたせしましたの第二巻。