1996年発売
“万能なる力”を手に入れるために必要な三つめの宝“真実の鏡”を求め、ファム、イーリー達は大海原に乗り出した。しかし、それは同時に、世界を己が掌中にせんとする魔王ルグドゥルとの闘いへの旅立ちでもあった。圧倒的な力を持つルグドゥルには、ミゲルの剣も、ファムやラーシャの魔法も通用しない。しかも、“真実の鏡”を一足先にルグドゥルに奪われ、さらに“サーガスの剣”と“王家の証”までも持ち去られてしまう。それでもルグドゥルの待つ城へ向かう一行に、果たして勝ち目はあるのか。田中久仁彦原作の超人気OAVノベライズ、完結編。
あたし、工藤由香。高3の受験生。雪山で迷子になったあたしとサキは、怪しげな噂のベールに包まれた恐怖館に、泊まる羽目になってしまったの…。館に集う、曰くありげな客人たち、奇怪な言動をとる女主人。謎は深まるばかりで、怯えるあたしたちはなす術もなく、恐ろしい惨劇の夜を迎えることになるのだった。圭一郎さん、圭二郎さん、早く早く、助けにきて。
河世が千尋をかばって事故死してから、3か月。「時空の運命」から恋人を救えなかった千尋だが、タイムスリップ実験に協力する。ところが、飛んだ五年後には、さらに百年未来からきた、河世の子孫だという太斗が現れた。そして、死んだはずの河世の結婚式が行われていた…。「時空を超えて」第二章。千尋が戦うのは、地球人に横恋慕した、惑星バジャールの王女ランラン。
先生が憎い、愛していたから。あのキスも、抱いてくれた腕も、他の女のものになるなんて…許せない。教師との恋に傷つき、彼を刺してしまった少女が、桜の下で少年と出会った。少年もまた、愛する男を殺そうとしたという。紗綺と皓、夜桜舞う東京から京都へ、失われた恋を埋めるための逃避行が始まる。罪を犯してしまった、ピュアな二人の結末は…。桜の散るころに、永遠に土のなかへ。
花の都ラグーザで、城主ジークムント公より寵愛をうける騎士クィーラ。雅な姿態と艶やかな黒髪、そして両性体という秘密を持ったクィーラが出合う困難とは。まだ成人まえのクィーラが、都じゅうを捜した腕輪とは…(表題作)。城主ジークムントの渇望とは(『甘いあやまち』)。クィーラの不思議な旅(『朧姫』)。セルダム剣士ゆえふりかかった困難と、クィーラの挑戦。「クィーラの花冠」中編集。
ヨゥンとの鉄格子ごしの抱擁から、数日後、国王カイエンがキルリン城を訪れた。カイエンはヨゥンを迎えにやってきたのだという。御前試合の後、カイエンに呼ばれたセナルは自分が近衛隊の一員として、ヨゥンとともに水の都・ファロンに行くことを告げられる。都へ帰る途中、古人の巫女ノエナを訪ねたカイエンたち。そこで行われた儀式で、セナルはヨゥンの意外な秘密を知るのだった…。
あたし、小石川光希。遊が、アメリカでガールフレンドを作ったというウワサ。遊のこと、信じてるけど…。でも、もうがまんできない。あたしは、ついに茗子といっしょにN.Y.へ。ところが寮で会えたのは、遊ではなく、なんとウワサの女の子、ジニーだった。遊とあたし、もう、別れるしかないのかな。大ヒットシリーズ、いよいよ最終巻。
わたし、森谷りりか。危険が迫ると、ナースエンジェルに変身することができるの。あるとき、死んだはずの加納先輩が、学校に戻ってきた。でも、なんだか様子がヘン。なんと、先輩は、ダークジョーカーに操られた『裏切りの堕天使』になっていたの。大好きな加納先輩をこんなつらい目に遭わせるなんて、許さない。人気アニメの小説版、ついにクライマックス。
1953年12月8日、横須賀軍港に空襲警報が鳴り響いた。アーレイ・バーク中将率いる空母機動部隊が日本本土へ長駆侵攻し、奇襲を仕掛けたのだ。太平洋の覇権をめぐる戦いの火蓋は切って落とされ、短期決戦を挑む合衆国は日本の海上交通線を遮断せんと目論む。一方、未會有の国難に瀕した日本では、堀悌吉首相が断固戦い抜く決意を議会で示した。対米戦略立案の命を受け、国防軍令本部作戦部長に着任した真田忠道少将に巻き返しの秘策はあるのか。異次元戦史シミュレーション第3弾。
大華三国を隔てて聳えるタウは銀山なりータンガ王ゾラタスにもたらされたこの密告こそウォルたちが仕掛けたタンガの挙兵を誘う作戦であった。しかし鬨の声はデルフィニアの西方パラストから挙げられる。微妙な緊張を保たせてきた三国はついに動乱に突き進むのか。
港町ダィーラに流れる猟奇殺人の噂。またしても獅子王の陰謀か。悪辣な手口を察したアシュラウルはアマラン国内の内訌を阻止すべくクィラ領主邸の宴に乗りこんだ。華やかな祭りの陰で密かに進行する陰湿な企て、帝国の策略を潰さんがため精霊王アシュラウルが選んだ苦肉の策とは。
恩師の遺した謎を追って少年達は山中の静謐な湯房を訪なった。想い出の迷宮に彷徨う秋枝公彦と妖しい夜の貌をもつ執行雅、二人を狙う邪悪な牙が歴史の闇に蟠る。アラベスク渦巻くイスラムの浴室で、月光輝く露天風呂で、そして不吉な仮想空間で、せめぎ合う清らかな悪と暗い欲望。惑乱のエロスが交錯する耽美冒険浪漫。
-この神殿で怪物の宝に手をつけた盗人は、ラコシに追われて必ず生命を落とす-ウィンタース家に長年伝わるラコシの呪いが、パーティーの日、よみがえった。次々に起こる爆発、殺人。われらがミス・マンディまでが危うい目に-。さあ、僕の出番だ。悪人ども、ここからはこのセディ・エロルがお相手をするよ。待望のシリーズ第4弾、いよいよ登場。
「人を殺したいと思ったことある」-昼休みの屋上で。親友のエミリにそう尋ねられたときは、そんな気持ち、あたしの中にあるかどうかなんて考えたこともなかった。あたし、水野流花、17歳。「ルカは優等生だもん。そんなことしなくたって怖いモンないよね」というエミリの言葉どおり、殺人なんてあたしにはまるっきり縁のないこと。そう思っていたのに…。
美帆の父の白川探偵事務所に、浦辺という母娘から調査依頼があった。父親が密室の浴室で死亡、娘にも危険が迫っているという。十日ほどまえに、福井県の村から埼玉県に引っ越してきたこの一家。追われるように、怯えている母娘は、何かを隠してる…。そして、美帆の同級生が、父親の転勤で、その村へ。友達が危ない。圭とともに謎の村を訪れることになった美帆が、そこで見たものは。シリーズ第3弾。
あたしは、岸谷くんのことが好きだった。片思いしてた。それは、岸谷くんが、すごく頭がよかったから…。でも、その岸谷くんが、なんと、成南高校の受験に失敗しちゃったの。いくら頭がよくたって、試験に落ちちゃったらね…。好きな人の好きなところがなくなったんだから、岸谷くんのことは、もう好きでもなんでもない。早く新しい恋を見つけよう…。そう思ってたんだけど…ところが。
松原空未、高校生になったばっかり。偶然出会ったお金持ちの大学生黎さんと、ちょっと不良っぽい翼先輩、クラスメートの鮎川君の間で心は揺れているの。でも私には、大事な夢がある。5歳のときに手紙をつけて飛ばした赤い風船が、きっと運命の人に届いているはず。その人に出会うことをずっと信じてるの。運命の人は3人の中にいるの。それとも別の人。私は誰を選ぶのだろう…。
「カタカナの名前も、くるくるの髪も嫌い」そう言い放つミカに、彼は真顔で言う。「三日月のミカちゃん」やわらかな月のあたたかさで、彼はミカをつつむ。悲しいほど、せつなく。ふたりが出会ったこと、それは偶然じゃなくて、きっと奇跡。10年間の片思いに傷ついて、止まっていた心の振り子が、静かに揺れはじめてる…。ティーンズハート大賞佳作受賞後第一作。
まだ肌寒い春先のとある朝、竜憲と大輔のもとに、鴻が行方不明との連絡が入った。二人はさっそく電話の主-鴻の昔からの友人で、幽霊屋敷取材のため鄙びた温泉宿に泊まるライターの中沢高志のもとへ急行する。ところがその晩、意外なことが起こった。宿にいない鴻から「宿にいる」という連絡が入ったのだ。得体の知れない空間に紛れたのは鴻か、それとも。はたしてこの一件に幽霊屋敷は絡んでいるのか…。