1996年発売
あたし、工藤由香。高3の受験生。雪の降りしきるクリスマス・イブの午後、あたしとサキと神也警部の3人、という妙な組み合わせで、新宿へ移動中だったあたしたちのバスが、いきなりバス・ジャックされてしまったの。ロマンチックなはずのクリスマス・イブに、なんと人質にされてしまったあたしたち。バス・ジャック犯をやっつけて、無事に新宿に行けるのかしら…。
わたし。ごくフツーに「友だち」って呼べる人たちの中にいて。ごくフツーに明るく振るまっているけど。それは、ホントのわたしじゃない。仲間はずれになりたくなくて。枠からはみ出したくなくて。いつも自分を閉じこめてしまう。-でも、何かこの頃息苦しくて。思ってることを言えない自分にイライラして。わたし、変わりたいの。自分を変える勇気が欲しいんだけど…。
「きっとNYにいけば、愛がまってる」そう夢みて、ニューヨークにいるパパを訪ねた16歳の仁奈。その街で出会ったのは、超カッコいいハーフの男のコ、ケン。ケンに魅かれていく仁奈ですが、帰国する日が。ふたりは、はなればなれに-。そんな仁奈に、ふしぎなおじいさんがかなえてくれた、クリスマスの奇跡とは…。NY在住の青山えりかが贈る、愛の物語。感動をよぶ、とっておきのラブストーリー。
栃木県日光周辺で、十四、五歳の美少女たちの失踪事件が相次いでいた。時を同じくして卓也と薫も、別々に日光の地を踏む。卓也は「鬼使い」の力を制御する修行のため、薫は日光に潜伏する妹・透子を守ることと第四の鬼孔破壊が目的だったが、偶然にも、同じホテルで出くわしてしまう。そんな折も折、透子が鬼に襲われて-。霊能力コンビが繰り広げる、妖しの世界のオカルト・ファンタジー第四幕。
武勇の誉れも高いが、酒豪の誉れも高い範国白虎将軍ジョセフィーヌ・飛だが、このところ元気がない。というのも、彼女は今、何者かに命を狙われており、そいつに雇われたモーリス・爬とかいう死霊使いが操る死霊に日夜、悩まされているからだ。悪霊祓いで有名なオーギュスト・慈老師や、その弟子エイミーの助けを得て、一旦は、死霊を退散させたが、元凶を倒さない限り、この悪夢から逃れる術はない。おまけに、慈老師からは、飲酒を固く禁じられてしまった。禁酒してから49日。「酒が飲みた〜い」叫ぶ白虎将軍なのだが…。
時は巡り、時は満ち、今や若き天才武将、「蒼の王子」と謳われるまでに成長したフェランは、遂に憎き敵国バハウ帝国から、故国エルミネールを奪還した。しかし、それは、ひとえにフェランの参謀として味方してくれた翼人・アルジェリックのおかげでもあった。そして兄ジークが、隣国リンバーグ皇国に幽閉されてまで、フェランをかばった結果でもあった。フェランは、ジークを平和裡に返してもらうべく、リンバーグに使節団を派遣するが、リンバーグの返答はつれないもの。又、魔法神殿の怪しい動きは、フェランを苦しめる基となるが…。
1学期の終業式の日。三雲隼人のクラスに転校生がやってきた。が、隼人は、彼に殺気めいたものを感じた。同じ忍者の“匂い”がするのだ。さては、女神降臨剣を狙っている敵なのか…。突然、隼人の所へ父・雷蔵が現れた。忍者装束の一団と人面をもった黒い獣によって、甲賀の里が襲われたという。早速、隼人は、両親と共に甲賀へ向かった。甲賀では、雷蔵の父で総領である佐武郎が、誰に次期総領を指名するかでもめている最中でだった…。
争乱のニーヴァンをあとに旅に出たアシュラウル一行は、アマラン王国の末王子が領内で消息を絶ったとの噂を耳にする。不思議な力で魔道帝国の脅威から国を護るという王子ルシュエス-新たなる獅子王の陰謀か。事件の裏に謀略の臭いを嗅ぎ取ったアシュラウルは王子を救うべく怨霊巣喰う魔都へと乗りこんで行く。
宇宙に浮かぶ巨大遊園地リバティ・ランド-そこは、八百万体のロボットたちによって作りだされた夢と魔法とノスタルジーの楽園だ。そのリバティ・ランドが惑星チェスナットの衛星軌道で営業中に、星間戦争に巻き込まれてしまった。巨人ロボット兵器を操り攻めてくる敵に、逃げ遅れた二千人の観光客を抱えたリバティ・ランドの運命は。期待の新鋭が贈る、SFメルヘンの佳作。
「究極戦機」暴走未遂事件もつかの間、水無月忍のUFC初出撃の日は唐突にやってきた。シベリアから南下するガーゴイル、核廃棄物流出の危機はらむ「世紀末一号」、行方の知れないカモフ博士と垣之内涼子、鷹西ひかるを背負って悲喜劇する川西少尉、有理砂のF18EJに出し抜かれて歯噛みする美月のT-4高等練習機。そして、万梨子が渚佐に約束した“一回だけ”とは。地球の危機を筆頭に、みんなの難問を解決すべく「究極戦機」は起ち上がる。「忍、かっこいい」里緒菜も応援する究極第五巻-だが、これでほんとに終わるのか。
大正15年。神島桐子は、わずか10歳にして、陰陽師の「本家」の一つ神島家の当主となった。帝都東京-。大正12年9月1日に、突如として出現したこの世の地獄、関東大震災から、人々はようやく立ち上がり、街は復興に沸きかえっていた。弓生と聖は、そんな帝都にいた。桐子の術修行を助けるためである。折も折、帝都には幼い少女ばかりを狙う妖怪が出現、街には不穏な空気が流れていた。桐子と弓生、聖の三人は、妖怪退治に乗り出すが…。
あたし、竹原香純。高校1年。片思いしてるのは、同じクラスの藤平信一くん。あたし、藤平くんの気持ちが知りたくて、恋占いしたり、おまじないをしたり、恋愛マニュアル本を読んだりしたんだけど…なにをやっても、悪い結果しか出ないの…。しかも、藤平くんの決定的な言葉-竹原のこと見てると、イライラするんだよ-。あたし、告白もできずに失恋しちゃったみたい…あきらめるしかない…よね…。
父は、ケーキ屋をはじめることを夢見て、志なかばにして逝ってしまった。その夢を、母とわたしが実現するの。味覚まったくダメの母と、フツーの高一のわたしが頼れるのは、父が遺したレシピ帳だけ。このままじゃ、ケーキ工房『お菓子の家』は看板だおれの危機。そんなとき、救いの神が。口は悪いが、とことん職人気質の青年と、15歳少女のケーキ屋奮戦記。津原やすみ流チョッピリ甘いロマンチック・ストーリー。
「あ…あんた」そいつは、このあいだ、私がチカンと間違えた男の子だった。あいかわらずボロボロのコート姿だ。「またあんたね。こんなとこうろつかないでよ。私には探偵さんに会うっていう大切な用事があるんだから」「あの、探偵なら、もうここに来ています」「ええっ」私は絶句した。こいつが、探偵。
4月が来れば、最上級生。中2って、そんな“ぱふぱふ”気分じゃなあい。あたし小森美香も、まあそんなノリの毎日ではあるんだけど。もっと「絶好調」でカッとばしてるのが、いちおー親友の笠原絵津子。勉強は、ともかくとして。不意にミョーなファッションに走るワ、センパイとトラブル起こすワ、クラスで孤立するワ、もー、タイヘン。このエッちゃんの言動に、あたしも巻きこまれて、うろうろオロオロ。パニックだよお。
恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。
神々の住まう地クリスタニアは神王バルバス率いるベルディア軍の侵攻のため、まさに混沌の時を迎えていた。レイルズの指揮の下、善戦していた“獣の牙”の砦だったが神王バルバスの奇跡の絶対的な力により大打撃を受け崩壊した。ビーンの勇気ある行動で奇跡的に助かったレイルズたちの一行は復讐に燃える“剣の牙の公爵”グレイルの影に怯えながらも“会合の地”へと向かう。そして、マリスとレイルズは聖地へ足を踏み入れるが…。
水の都ファロンを襲ったナリ川の氾濫から、十八年の歳月が流れていた。ツオラ家の次男セナルは、愛馬の雪白を譲ってほしいという若き騎士・ヨゥンの申し出に困惑していた。ヨゥンと騎射の勝負をしたセナルは、雪白を手放すことを決心するが、かねてからの夢だった騎士になるため、ヨゥンの従者を務めることになる。なぜかセナルは、ヨゥンに接するたびに不思議な愛しさを覚えるのだった。